よくある誤用35──敬語編5 二重敬語〈2〉 ご挨拶に伺わせていただきます ご挨拶にお伺いさせて | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

 フリーランスの編集者兼ライターです。
 主として日本語関係のことを書いています。

下記の続きです。「二重敬語」と「敬語連結」に関しては下記をご参照ください。
【よくある誤用34──敬語編4 二重敬語】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n133372

 ↓

 

 二重敬語についてネット上でいろいろな説がとびかっています。
 よく読むと、恐ろしいことがわかります。ちゃんと書かれているな、と思うものは「敬語の指針」の丸写しってことがしばしばあります。
 詳しくは下記をご参照ください。
【チャレンジ日記──二重敬語】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2422.html

 二重敬語と過剰敬語を混同している説もよく目にします。
 たとえば下記。

1)ご挨拶に伺わせていただきます。

2)ご挨拶にお伺いさせていただきます。

 相当クドい敬語で個人的には使いませんが、どちらも「間違い」ではありません。

 1)は二重敬語にもなっていません。「訪問する+もらう」をそれぞれ謙譲語の「伺わせて+いただく」にした「敬語連結」の形です。「ご挨拶」がついても、末尾が丁寧語の「〜ます」になっても、二重敬語ではありません。
 2)の「お伺いする」は「伺う」を「お〜する」の形にしているので二重敬語です。しかし、この形は文化庁が許容しています。三重敬語とも言えそうな「お伺いいたす」「お伺い申し上げる」さえも許容しています。↑の「敬語編4」をご参照ください。

 過剰敬語に関して、名著として知られる『敬語再入門』http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.htmlは下記のように書いています。著者は「敬語の指針」を作成した(主要)メンバーのひとりです。
================引用開始
このように、各語がそれぞれ敬語になり、それをつなげただけのものは、二重敬語と呼ぶべきものではありません。実際、「お読みになっていらっしゃる」は正しい敬語です。「お嬢様はお手紙をお書きになっていらっしゃる」も、四つの別の敬語をつなげただけで、四重敬語などとは言いません。この文も、多少くどくはありますが、問題のない敬語で、言葉の丁寧な人なら、この程度の敬語は使います。(P.148)
================引用終了
 

 「言葉の丁寧な人なら、この程度の敬語」は使うそうなので、「過剰敬語」などと言ってはいけないのかもしれません。
 上記を踏まえた上で、下記のやり取りをご確認ください。
 

【これって正しいですか? 「ご挨拶にお伺いさせていただきます」】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1383384438
【二重敬語では?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1186489736

バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365