■事例1 【タウンワーク 知っておきたい!よく使う敬語変換表【尊敬語・謙譲語・丁寧語】】 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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 主として日本語関係のことを書いています。

 

 

http://townwork.net/magazine/knowhow/manners/baito_manners/13309/ 

 

 

 

 ここにアップしたのは2015年12月。

 記事を書いたのはたぶんもっと前だろう。

 コメントをいただいたので、再アップする。

 

 あまりの衝撃に言葉を失った。 

「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」という並びに、下記のパクリじゃないかと思った。 

【尊敬語、謙譲語 - 三省堂 Web Dictionary】 

http://www.sanseido.net/main/words/hyakka/sonkei/ 

 

 そんな上等なものではなかった。 

 最初から間違いだらけ。いったい何を参考にしたらこんなヒドい記事になるんだろう。 

 そもそもこういう表の形式でわざわざ「丁寧語」を入れる理由がよくわからないのだが……。 

×「する」の丁寧語は「いたします」 

→「する」の丁寧語は一般には「します」。「いたします」は謙譲語+丁寧語 

×「言う」の丁寧語は「申し上げます」 

→「言う」の丁寧語は一般には「言います」。「申し上げます」は謙譲語+丁寧語 

×「行く」の丁寧語は一般には「行きます」。「参ります」は謙譲語+丁寧語 

 このへんは、ちょっとクセのある【尊敬語、謙譲語 - 三省堂 Web Dictionary】を誤読したのかもしれない(おそらく、謙譲語IIを丁寧語と解釈している。理由は不明。)。 

 それなのに、なぜ「いる」の丁寧語が「います」になっているのかはサッパリわからない。三省堂に準じるなら、「おります」にしないと整合性がない。 

 あとはいちいち検証するのもメンドー。いったいどれだけの間違いがあるのかわからない。 

 

 いろいろビックリしたけど、ぶっ飛んだのは「与える」。 

 尊敬語が「くださる」、謙譲語が「いただく、頂戴する」、丁寧語が「あげます、差し上げます」だって。そんなわけないだろ。あまりにもメチャクチャ。 

【尊敬語、謙譲語 - 三省堂 Web Dictionary】だと下記のとおり。  

 尊敬語が「お与えになる/与えられる」、謙譲語が「さしあげる/あげる」、丁寧語が 

「あげる/与えます」 

 三省堂の表にはちょっと異和感もあるけど、そういう方針なんだろうからスルーする。 

  

 

 最後にある〈バイトシーンで『まちがいやすい応対』あるあるベスト5〉も相当ヒドい。ありがちな話を何も考えずに集めたことがよくわかる。 

 大前提として、バイトと新入社員でどんな違いがあるのか是非教えてほしい。まぁ、タウンワークだから「バイト」なんだろうな。 

 

1)×どちら様でしょうか  ◯お名前をお聞かせくださいませんでしょうか 

「どちら様でしょうか」もよくないけど、「くださいませんでしょうか」なんて言おうとしたら舌を噛むよ。 

 

2)×了解しました  ◯承知しました、かしこまりました 

 散々書いたけど、これは相手しだい。 

 

3)×しばらくお待ちください  ◯少々お待ちください 

 これもたまに見る主張だけど、「しばらく」が×になる理由を教えてほしい。「ちょっと」は×だけど、「しばらく」もホントにダメなの? 

 

4)×山田にお伝えしておきます  ○山田に申し伝えます 

 異説もあるみたいだけど、「山田にお伝えしておきます」が二重の意味で×ってわかって書いているのかな。ここは×の例を「山田にお伝えします」が×(△かな)なことと、「しておく」が×なことを説明しないとおかしい。書き手は「申し伝えておきます」をどう判定するのだろう。 

 

 続きは下記。

【ネットにあふれるデタラメ記事(敬語関連) 事例1 タウンワーク 知っておきたい!よく使う敬語変換表】〈2〉】

https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12423458426.html



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