江 戸 の 女 相 撲

徳俵(とくだわら)の形状と柱の位置に、ご注目!

江戸のエロスが、絵画れています。

 

 

日 本 語 の「を」

 

 

誰でも知ってる「地名・人名」に、驚きの日本語。性に天真爛漫で、まるで男女の性を謳歌しているではないか。誇張するのではなく、大真面目に、そして、子孫繁栄をもたらす性を大切に慈くしむ。古代人の人間万歳の大らかな心に、思わず笑みがこぼれてしまう。

 

1,日本人の性にかかわるコトバの源流

 

 西洋とは、異なる日本の性の言葉の歴史

 日本の春画は、芸術か猥褻か。

 『古事記』『源氏物語』『平安時代の和歌、近世の俳諧、浄瑠璃』文学に描かれる性の歴史。

 「まぐわう=まぐはふ:まぐはひ」は「目交う」ではなく、「まぐ(巻く)+はひ(這ひ)」であるから、「男性が後ろからだき抱えながら、這う」というリアルな「性交」を表す意味構造の言葉である。西洋の/fuck/ファックに相当する「性交自体を表す動詞」ということになる。「よりそひ」「ふれあひ」という言葉は優雅な男女の性の「いとなみ:営み=赤い糸が波打つ様相」で「合一」するのである。これは猥褻という近代的な固定観念とは異なる世界で、これは奈良時代の古典のエロスである。

 

記紀歌謡で描かれる「あはもよ、めにしあれば」の場面の 『沫雪.あわゆきの 弱.わかやる胸を 栲綱.たくづのの 白き腕.ただむき 素手.そだ抱.たき 手抱.ただきまながり 真玉手.またまで 玉手さし纏.まき 股長.ももながに 寝.いをしなせ』 をご存じであろうか。

 

古事記に現れる歌謡や神語(かむがたり)は、叙事詩的であり叙情的な詩歌であるが、本来は土俗的・芸謡的な庶民の伝承歌で、男と女が絡み合う日常のありふれたドラマが、五・七の調べで描かれている世界である。

 然しそこから「カミ」と言う全ての文字を消去してしまうと、そこに「ひこ・ひめ・ぬし」そしてさらに「あ・吾」「な・汝」・「を・男」「め・女」という一粒ひとつぶの素朴な、石器時代の言珠(コトダマ)が忽然と立ち現われてくる。

 

         ◆宇伎由比・うきゆひ(盃結)の古典歌謡◆

 

 夫が高志の国(今の新潟県)に住む沼河比売(ぬなかはひめ)に浮気をしたことに、激しく嫉妬して詰め寄る妻の須勢理比売(すせり姫)に、困り果てた大国主命.おほくにぬしのみことは、出雲から倭・やまとへ逃げるようにして旅立つことにした。旅装束に着替えて馬に乗る準備をした夫が妻に、あてつけに詠んだ歌。

 

 大国主の歌………前半省略………いとしい我が妻よ、群がり飛びたつ鳥のように、皆のものを引き連れて鳥のように私が飛んでいってしまったら、泣かないとお前は言っても、人気のない山のほとりで、ひと本のススキのように、首をうなだれて、お前はきっと泣くだろう。お前の嘆く息は、朝降る雨のようにじめじめと、それがささやかな霧となって、やがて立ち登るだろう。萌えいづる若草よりも、なよやかな我が妻よ。………

 

 これを聞いて慌てた妻の須勢理比売は、今旅立とうとする夫を引き止めようと、大御酒杯(おほみさかづき)を奉げつつ詠った宇伎由比(うきゆひ)の歌。この歌を神語・かむがたりと言う。(古事記歌謡5

 

 八千矛.やちほこの 神の命や 我.あが大国主.おほくにぬし 汝.なこそは 男.をにいませば うちみる 島の崎々 かきみる 磯の崎落ちず 若草の 嬬.つま持たせらめ 我.あはもよ 女.めにしあれば 汝.なを除きて 男.をは無し 汝.なを除きて 夫.つまは無し 文垣.あやがきの 和.ふはやが下に 蒸被.むしぶすま 柔.にこやが下に 栲被.たくぶすま さやぐが下に 沫雪.あわゆきの 弱.わかやる胸を 栲綱.たくづのの 白き腕.ただむき 素手.そだ抱.たき 手抱.ただきまながり 真玉手.またまで 玉手さし纏.まき 股長.ももながに 寝.いをしなせ 豊御酒.とよみき 献.たてまつらせ‥‥‥(注1、原文)

 

 訳

『八千矛の神の尊よ 私の大国主よ あなたは男性でいらっしゃるので あなた様が船で行幸される津々浦々に(島々の岬ごとに 磯ごとに)あまねく 若ゝしい愛としの女性をお持ちになられる事でありましょう でもこの私も女でございます あなた以外に男はおりませぬ あなたの他に夫はおりませぬ 綾織(あやおり)の帷(とばり)の下で 柔らかな布団に包まれて さわさわと心地よいなか 私の淡雪のような白くて柔らかではちきれそうなこの胸を あなた様の真っ白な両腕でそっと抱きしめ 互いに激しく抱き合って そして玉のような綺麗な私の手を手枕にして 足をゆったりと伸ばして いつまでも添い寝をしてください。永遠の誓いを込めたこの うきゆいの御酒(おみき)を召し上がってくださいませ』

 

 この歌を聞いて夫は旅をやめ、二人の絆は再び固く結びあうことが出来たという、お目出度い結末になっている。

「ウキユイ」は旧仮名は「うきゆひ」で、さかづきを取り交わして互いの誠意を結び固める誓約のことである。

 

             ◆性がまつわる、古代日本語

 

 意味分析「定義式」

 

1,うかれめ・遊行女婦。古くは神をまつる巫女であったが、時代が下がると、貴人の宴会に侍り、歌舞音曲にたづさわり、体を売る女となるものも多かった。

定義:「うかれめ」=「う=屈曲した形態」+「か=堅固な形態」=勃起した男根。

   「れ=垂れ下がった形態:流れ・枯・きれ・くれ・ひれ」=くたくたの形態。

   「め(甲類)=雌・牝・女性・召す」=女性。

 

 故に「男性と交わって相手をへ垂らす女性」の意味構造。「う=屈曲した形のモノ」を「枯らす、女」という意味でもある。

 

2,「をみな=をんな:女」=「を(母音調和):うぉ=/wo/=/u+o/」=「う+お」=「う・屈曲+お・押す形態」=U型+押す=男根・雄・男の形態」

  「み:身(乙類)む+い=む:躍動⁺+い:射る形態=雷・神」

  「な=なよやかな形態:菜・人体の穴・泣く・波・なめる・なす」

定義:をみな:女=男性の身をなよやかに(くたくたに)してしまう人が女性、という意味構造。

 

3,「をはり・尾張・終はり」=「を=う+お=屈曲+押す形態=男性の性:男根・雄」+「は=歯の形態:歯・端・羽・葉・橋」+「り=膨れた形態:尻・森・槍・栗・凝り」=「はり=張り」。故に「をはり」は男根を張り出した形態。そしてやがて「終わり」となるのである。名古屋の地形を鳥観図で伊勢湾の海上から眺めると「男根が張り出したような形状」に見えるからである。だから終りがすぐ来るというリアルな意味構造となるのである。これぞ天真爛漫な「海部族(アマ族)という海の民が、命名した愉快な地名なのである。 

 

4,「むらさき:紫」。この色は古来より、あいまいな色として扱われてきた。その色は「白っぽい青」であり「赤と青が混ざる色」であり「青黒い色」でもあった。その複雑な色合いは、変化に富む人それぞれの、人体の一部の色合いだからである。

定義:「むらさき」=「む=躍動する形態:むらきも(心臓)・叢雲・村」+「ら=複数の集合体:等」+「さき:先」。つまり「むらむらと躍動する、先っぽ」の意味構造であるからもう説明する必要はない。極めて露骨な表現と言わざるを得ない。

源氏物語の「紫式部」というペンネームは、男女の性の深部を描くが故の「悩やましくも鮮やかな色の道行き(色の道の駅:駅舎=男性の道行き)を司どる」という文学的表現だが、きわどい言葉でもある。

 「紫式部」の実名が、判然としないほうが、むしろ良いのだ。夏目漱石や芥川の実名を知る人は少ない。夏目漱石の本名は「夏目金之助」。芥川の本名は、 新原龍之介 。当初の筆名 は柳川隆之助(やながは りゅうのすけ:デビュー時)。有名になってからは芥川龍之介。 

 

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                「を」とは 何か

 

 

                ◆『ヲ・wo』の「るくすふむ」検証◆   

 

 注) 以下の解説で、同一の言葉を重複して説明する箇所があります。その理由は、このブログは自由に転用・ご利用していただくために、著作権など一切主張しないからです。学問は自由であり、銭儲けとは関係がない学問だからです。重複は、使い勝手を考慮したものです。ご自由にコピーして利用してくだされば幸いです。

 

 

 【ルクスフム】検証       <意義の特定>

【を】「を=ウ+オ=uowo(母音調和)屈曲+圧迫=・雄・男の性的な形態・男根の形態」「雄・男・尾・峰・丘・麻・魚・緒・小・を(助詞)」

◆「う=屈曲した形態」+「お=押す・圧迫の形態」=/u/+/o/=/wo/。男性の性(男根)そのものを表す。男の象徴の形態。小さいので「をかは:をがは=小川」「をか:丘・岡」は、小さな塊り程度の認識である。「可笑しい」の旧仮名は「をかしひ」で「男の性を硬くしたので」という意味構造だ。

 

母音の「お」は、「お=押す形態・圧迫する形態」。「おりもの:織物=織る」。「おさ」という道具で抑え込むから織物が形成されるのである。

◆「折る」は「をる」である。間違えてはならない。男根は曲がって、し折れる(萎れる)のである。

 

を+る=「を=男の性の形態」+「る=存在が持続する形態」=折る・居る

を+く=「を=男の性の形態」+「く=行う形態」=招く

を+す=「を=男の性の形態」+「す=抵抗なく通過する形態」=雄

を+ふ=「を=男の性の形態」+「ふ=触れる形態」=麻生

を+む=「を=男の性の形態」+「む=躍動する形態」=をむな=女

 

 【万葉仮名】「哀・遠乎越呼怨烏弘塢鳴椀」〔小男雄緒少尾〕

 「雄・男の象徴の形状を表す」「小形」「尾の形」で「小さい・ほんのちょっとした、外に突き出たもの」。

 「ヲ」=「雄・男・牡・夫」この対語は「メ」=「雌・牝・女・妻」。

 「ヲ・uowo=う=∩形・屈曲した形状+お・押す=男の性的な形態・緒・尾・雄・男・小・苧・丘」。

 「ヲ」=「小」男性の象徴は小さい。「小川=ヲガハ」。

 「ヲ」=「尾」鳥獣のしっぽ。

 「ヲ」=「峰・岡」尾根・峰の続く。

 「ヲ」=「緒」鼻緒のヲ=貫いて結びつく意(男性の象徴)・数珠(タマ)のヲで紐の意。

 「ヲ」=女が応答する感動詞で今の「ハイ」。男は「ヨ」と応えた。

 「岡・丘・陸」周囲より少し小高いところ。「ヲ・小」+「カ・固」である。

 「犯す・侵す」は、「男の象徴・ヲ+カス・堅くする」で女性を「犯す」意である。

 「拝み」=「ヲ・小さく」+「カ・堅固・強固」+「ミ・四段」の構成である。神に畏敬の念が昂じて、身体を少し強ばらせている形。「オロガミ」は「ロ形」であるから身体を四角張らせて地面に土下座した形状を表す。 

 「ヲグナ=童男・男の子・少年」=「ヲ・男・小」+「ク・グ・口」+「ナ・軟弱」の構成で、「クナ・グナ」は「くなりくなり・くにゃくにゃ(副詞)=柔らかい様を表わす」の「クナ=口の中でくにゃくにゃが原義」である。したがって「ヲグナ」は「男のひ弱な子」の語意構成である。

 「翁・オキナ」の方の「オ」は「大きい・重し・抑え・押す」意で、「ヲグナ」は小さい「ヲ」である。翁の 「キ」は甲類で、意味は「気=目に見えない」が原義で「消える・切る・霧」などの「キ」に使われている。したがって「翁」=「オ・大・重い・抑えるなどの圧迫の意」+「キ・気・眼に見えない」+「ナ・軟弱・弱々しい=老人の意」の構成で、「威圧する雰囲気を持った体力のひ弱な人」の語意構成である。

 一説に「キ」は「男性を示す」とする向きもあるが「キ」にはその様な語意はない。この説は恐らく「おみな」の対語だから「オ○ナ」の語形から現代風の常識を当てはめたものであろう。「イザナギ・イザナミ」の「キ」「ミ」の例を引き合いにして説明をしてはならない。理由は「ナミ」は「波」であり、 「ナキ・ナギ」は「凪=和ぎ」であるからだ。いずれの「ナ」も「軟弱」を意味する語である。「奥」=「オ・圧迫・押す・抑え」+「ク・口」の構成で、原義は「人体の口の奥」で「入り口の開いたところからどんどん押し進んだところ」がオクである。だから「奥」は周りに何やら覆い被さるような圧迫感が存在するが、「沖津」の方は遮る物のない遥かに広がる海原の、茫洋を漂よわせる言葉だ。

 「ヲサ・長」=「ヲ・雄・男」+「サ・前方斜め下方向へ進む意・笹の葉形状」の構成で、「サ」は敵と対峙する意味を持つ語である。だからオサは「正面で敵と対峙する男=大将」の意で、昔は大将同志が真っ先に組討をしたものである。だから「長」たる者は率先垂範を垂れて「をさをさ=長長」怠り無く部下を仕切らなければならないのである。(副詞・をさをさ=長を重ねた語=きちんと・ちゃんと)

 「をさめる」=「治める・修める・納める・収める」は「長める」で「をさ」の動詞化した語である。

 「サヲ・竿・棹」=「サ・前方斜め下方向へ進む意・笹の葉形状」+「ヲ・雄・牡・男」の構成で、「男根・男性の象徴」そのものを表す語でこれまでに述べた。

 「サヲトメ・早乙女・早小女」の構成は「サヲ・棹・男根」+「ト・止めの語幹(乙類)」+「メ・女・牝」の構成である。「ト=止め=動きのある物を抑える」で立入らせない=「男の性的な物を寄せ付けない女」の意である。清浄で穢れの無い女性の意。

 「ヲトメ・乙女」=「ヲ・男」+「ト・止め」+「メ・女」の構成である。乙女には手をつけてはならない古代社会の約束ゴト(言葉)「イマシメ・縛め」なのである。

 「サヲ鹿」=「サ・前方斜め下方向へ進む意・裂いた形状」+「ヲ・牡」+「シカ・鹿」の構成で、「サヲ」は「角」と「男根」を包含して表した語で「さかり=敵対している状態」で、牝を奪い合う牡鹿どうしの闘争を意味する言葉である。

 「ヲトコ・男」=「ヲト・夫」+「コ・子・愛称」=「ヲ・牡・雄・男」+「ト・止め・留め(乙類)」+「コ・子・愛らしい者の愛称(甲類)」の構成で、「ヲト・夫」は「雄の性を留める」意で、成人した妻のある大人の男性にに使い、性は妻だけに留めて、その乱用が規制されている言葉である。

 「夫・ヲト・ヲット」は「男」と同意義語であり、妻だけにして、他所の女性には手を出してはならないという「タブー・規制」が込められた、古代からのメッセージを忘れてはならないのである。 

 「ヲドリ・踊り」=「ヲ・男・雄」+「ド(乙類)・緩やかな動き・飛ぶ動きがやや鈍い」+「リ・四段」の構成で「雄の緩やかな飛びあがる所作・動作」の意である。雄の鳥獣が雌の前で所作を作って飛びあがる求愛の仕草をするところから出た言葉である。

 「ヲミナ・女」=「男+身+萎」=「ヲ・男性」の「ミ・身」を「なよやかにする」者は「女・オミナ⇒音便・オンナ」である。

 「ヲミナヘシ・女郎花」の語意はすぐお判りになるであろう。毒草であるから食せない。

 「アヲ・青」=吾+男=男の性器の色。白身がかった青。複雑な色の表現がある。

 「ヲサナナジミ・をさな」=「ヲ・男根」+「サ・斜め下」+「ナ・なよやか」。幼児の愛らしいチンチンが表現されている。

 

 

(乙類)【コソトノモヨロ】   

 

 コ・kwo・男性の腰の形態・込める・変動的な動き・籠め。「鉤・コ」は簾を巻いて込める金具。

 ソ・swo・男根の反る形態:反対方向に反り返る形状・矢がそれる形態。

 ト・two・留める・止める・留保。

 ノ・nwo・乗・暫定的に重なった状態。

 モ・mwo・盛り上がりの形態。

 ヨ・ywo・よがり・接近する動き・寄る動き・良・よじる・弓の弦が寄る動き・糸を撚る。

 ロ・rwo・塊の形態(乙類)。男性の名前で「麻呂」はまさに男性そのものを表す。

 ヲ・ wo・雄・男・ちょっとした大きさ・小・緒・尾・乎「折る」「岡」「をかし・可笑しい」「小川」。

 

                                              野村 玄良

 

 

                 それではまた!