あめが てがみを よんでいる
にしから たびをしてきましたよ
とおりすがりのものですが
おはなしきいてくださいな
うみが おおきくゆれたこと
やまが かぜとうたうこと
つちが いのちをはらむこと
ひとつ ひとつが あたらしくて
とても ふるいものなんです
そして ひみつを きかせましょう
それは それはね
いつのまにか あめのこえ
たくさんのこえに なりました
そして ひみつは にわにおち
ちきゅうのてがみと なりました
はなが ひらいて くさがもえ
かえるが てがみをよんでます
きれいな うみのにわに ぼくはいる
あには ほし ぼくは ひかり
そらに すんでいたことは ちきゅうは しらない
「おれは しってる」
かめが ささやく
「ああ ひのかたまりだろ」
さんごが つぶやく
でも ちきゅうは なにもいわない
「ちきゅうは しっていますよ」
いるかが わらう
そろそろ でかけますか
ゆりかごに ゆれて まどろんだゆめも
まどをあけはじめたので
もういちど そらで またたいてみます
くじらのせにのって いきましょうかね
かえるふねは していせきだから
うみのそこで きっぷをかいます
かなしいおはなしは きくとおもしろいのはどうして
おれのほうが かなしいから
おれのほうが つちのそこのいろを しっているから
おれのほうが かわのみずの にがさをあじわえるから
そうだよ それにくらべたら
ここちよい しょくぱんのはらを なぜたようじゃないか
そんなこころが たのしくて
おれは たっぷを おどった
だからおまえは かなしいんだよ
おまえがしっていることなんて きのうひかったほしのひかりが
おおむかしのことだったってくらいのもんさ
おどりのとちゅうで ねずみのゆうれいがいった
ここの つちは そこなんてないさ
かわのみずは にがくはないさ
ひとつのものを いろいろみるんだ
こころのあせをながしたまえ
そうしたら ありゃあ これ いいもんだ
そうおもいはじめるよ
ことばにできないけど おまえがことばにできること
しなさい