お不動さまのもとで ~兵庫 姫路 水壬庵~ -10ページ目

お不動さまのもとで ~兵庫 姫路 水壬庵~

お不動さまのもと、みえない世界の事でお悩みの方のお役に少しでも立てますように…

真言宗には、向上門と向下門という、大切な考え方があります。

少し難しく聞こえるかもしれませんが、これはとてもあたたかい教えです。


向上門 ― 私たちが仏に近づいていく道、向上門とは、私たちが仏の境地へと向かっていく道のことです。怒りや迷い、悲しみを抱えながらも、手を合わせ、祈り、少しずつ心を整えていく。そうやって、本来私たちの内にある仏の心を思い出していく道です。

真言宗では「この身このままで仏になれる」と説きます。遠い未来の話ではなく、いま、ここから始まる道。それが向上門です。


向下門 ― 真言宗の教えは「あなたが頑張りなさい」だけではありません。

向下門とは、仏が私たちのもとへ降りてきてくださるはたらきのこと。

迷っているときも、立ち上がれないときも、仏の智慧と慈悲は、すでにこちらへ向かっている 。

祈る前から、仏は私たちを見捨てていない。それが向下門です。


ふたつは同時に起きている。

私たちが手を合わせるとき、それは向上門です 。けれど、その手を合わせようと思えたこと自体が、すでに向下門なのかもしれません。


私たちが一歩踏み出すとき、仏もまた一歩、こちらへ来てくださっている。

向上門と向下門は、別々の道ではなく、響き合うひとつの流れなのです。

祈りとは、自分が仏に近づく行いであると同時に、仏に抱かれていることに気づく時間なのかもしれません。




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