久しぶりに入院をした。
気付いたら精神科の病棟。
二重にロックがかかっていた。
まるで獰猛な動物を飼う動物園の檻の中のようだ。
どうやったら外に出られるのか。
私は元の世界に戻れるのか。
定期的にバランスのとれた食事が運ばれてくる。
その食事に口をつけることにすら疑心暗鬼になっていた。
私は既に大きな声の幻聴が聞こえていた。
その内容に脳内が支配されていた。
友人や家族(夫や姉や死んだ父親等)や最近お世話になった先生や芸能人、知らない人の声も様々あった。
夫が友人と浮気しているとか、死んだ父親がよみがえって私の友人に声をかけているとか、今考えたら(幻聴がなければ)ありえないと分かる内容のことなのに、たくさん聞こえてくるので、信じるしかなかった。
退院してからもしばらくは近所の友人や何年も会うことがなかった友人の声が大音量で聞こえていた。
頭の中に他人の声がはいってくるのって、めちゃくちゃしんどくて苦しくて辛い。
薬は病院でも処方されているのに、その幻聴が消えるまでに、3か月もかかった。
退院前は、もう夫や娘に会えなくなるのではないかと本気で思ったし、何より離婚は避けられないのだと思っていた。
実際に入院仲間で、夫に愛想をつかされてどうすれば親権が母親になるのか真剣に悩んでいる子もいた。
なので、離婚もないし、娘とも変わらず暮らせている今に本来ならもっと感謝をするべきだろう。
今は「もう二度と入退院を繰り返さないこと」をモットーにしっかりと夜は寝て服薬することを夫と約束している。
本当は仕事もしたいけど、こんな状態になったのは、私が無理して仕事しようとして夜眠れなくなったことが原因なので、仕事は当面無理だと夫から判断された。
こんなブログを書くと、世間からどう思われるのだろうか。
変な人、頭のおかしい人として、社会から切り離されるのかな。
今何事もなかったかのように以前からの友人とも接しているけど、絶対にこのことを話すことはないだろう。
ただ、忘れてはいけないし、繰り返さないためにも記録しておこう。
とにかく生きていてよかった。元の世界に戻ってこれてよかった。