18歳で大学進学のために上京し、ひとり暮らしを始めた初日の晩御飯は、まだ段ボールが片付かないままの四畳半で食べた「ほかほか弁当」でした。今でもその時の事ははっきりと覚えているのですが、私は弁当をひと口食べて、頭の中に「!」と「?」が10個並ぶくらいに驚いたのです。なぜって、衝撃的にクソ不味かったから。「なんじゃこりゃ!!!!」ですよ。東京のコメって、こんなに不味いのか? 

 そして、これから先も毎日これを食べて生きるのかと思って軽く絶望しました。

 

 それが新潟県人の当たり前の反応でしたよ。友達もみんなそう言っていた。昨今は全国的にお米の品質も飛躍的に上がっていて美味しいお米がたくさんあふれていますが、何しろ30年以上前の話なんでね。

 

 当時、驚いた話がもうひとつ。同級生たちと学食でメシを喰ったときのこと。揃いも揃って激安の日替わり定食(300円)を頼み、普段通りに食べてたらおかずが余ってしまい、おかわりしようか迷っていたら、みんなに驚かれました。

 

「おかずが余る!?」「ウソだろ?」「オカズこれしかないのに?」「こっちはご飯が余らないように配分を考えて食べてんのに、たったこれだけのオカズが余るだと?」「信じられん!」

 

 私は何を驚いているのかわからなかった。むしろ不思議でしたよ。おかずの配分? おかずがないとコメ喰えんのか? 漬け物でもあれば一膳くらい普通に喰えるだろうに、何言ってんだ? 

 

 いろいろ話しているとね、もうね、感覚が違うんですよ。「おいしいご飯を食べるためにオカズがある」と思っていたのは自分だけで、同級生たちは「おかずを美味しく食べるためにご飯がある」という認識なんですね。米どころの人間はやっぱ特殊なのだと思い知りましたよ。

 当時は、の話ですよ、あくまで。というか、そもそも瑞穂の国・日本の食生活はいつだってコメが主役のはずだけどね。

 

 なんでご飯の思い出話を書いてるかというとですね、ただ単に、何も気にせずコメを腹いっぱい喰いたい、という欲望が昨日あたりから抑えきれなくなっているから。もうね、沢庵とか塩辛とか筋子とか、そんなのがあれば十分だから、ひたすら旨いコメを頬張り続けたい。もちろん白米。銀シャリですよ銀シャリ。玄米なんかのほうが良いのはもちろん知ってますし、ときどき試したりしてますが、やっぱり白いコメがいちばん。日本のコメは世界一だし。

 

https://www.youtube.com/watch?v=BuU2bocSfDo

 

 

「白米は食べちゃいかん」と言われるのは「日本人やめろ」と言われてるのに等しいぞ。

 

 別に食べちゃいかんわけではないが、最も慎重にカーボカウントしなきゃいけない食べ物なわけであり、どうしても量には気を配ってしまいますからねえ。

 

 いつもの倍打ちでもして爆上がり上等のチャレンジを今夜あたり。

 若い時ほどの量は入らないだろうからそうそう心配することもあるまい。

 

 と信じて、今日は早く帰ってコメ炊くぞ。

   もちろん新潟のコメな。