「お前らたむろってないで、席に座って食えよ。」

と、グレンの後ろからロレンツォが顔を出した。

「おお、悪いロレンツォ。」

グレンがロレンツォの名前を呼んだので、イムロットはロレンツォの右目の3本爪の傷をマジマジと見た。

「ロレンツォ=ヴァレシア?」

一年生に呼び捨てにされ、ロレンツォはムッとしたようにイムロットを見た。

「ああ、そうだが。先輩をつけろ。」

ロレンツォ本人だとわかるとイムロットは、音を立ててナイフとフォークをテーブルに叩きつけるように置いて立ち上がった。

「ロレンツォ先輩、私と決闘してください。」

イムロットの発言に辺りが水を打ったように静まり返った。

「ああ゛、なんで俺がまだ魔法も覚えていない一年坊と決闘しなきゃならないんだ?」

ロレンツォは顔をしかめた。

「あなたが、レヴィンの一番弟子で継ぎ手だかよ。」

と、イムロットは闘志を燃えたぎらせた目でロレンツォを見上げた。

「…ああ、お前がレヴィン先生の養い子か。」

納得したように、ロレンツォは言った。

「レヴィンの継ぎ手は、私がなる!」

へっ、とロレンツォは口の端を吊り上げて意地悪そうに笑った。

「お前じゃあ、無理だ。」

イムロットは、頭に血が登ってロレンツォに飛びかかったが、ひょいと見事にイムロットの首根っこを掴んで、そのまま席に座らせた。

「軽すぎるな、お前。せいぜい肉をたくさん食べて力をつけてから挑んでこいや。」

イムロットは顔だけを動かしてロレンツォを睨みあげた。

「ムキーっ」

イムロットは悔しそうに地団駄を踏んだ。