第一話『出会いは、青空が広がる屋上』



「おはようございます」

お世辞にも美人とはいえない先生が、挨拶をしていた。
私は、顔を上げず本を読んだまま。
もう慣れている。面白くもなんともない本を、何も感じずに読むことは。
ただ暇だから読んでいるだけ。

「では、終わります」

いつの間にか、先生の話が終わり、皆は次の授業の教室へ、向かっていた。
いつの間にか、チャイムが鳴って教室には私だけだった。
私は、屋上へと足を動かした。
唯一私が私が好きな場所。

重たいドアを開ける。低い効果音と共に風が吹き抜け、私の髪の毛をくすぐる。
ドアの向こうは、真っ青な青空が広がっていた。
コンクリートの床に、寝転がり空を眺める。
私が好きなことだ。
誰にも邪魔されない、この感じが好きだ。

「…あれ、先客?」

ビクッと驚いた私は、瞬時に起き上があり声がした方に振り返る。
一瞬、目を奪われた。
こんなにも、かっこいい人がいたのか。
その人は、とても光っているように見えたんだ。

「どした?」

私が硬直していたのを心配したのか、肩に手が触れる。

「っ」

だめだ。肩に触れた手を払い除け立ち上がる。
男の人は、驚きのあまり、目が点になっている。
それを無視して屋上をあとにする。

―――また、同じことを繰り返してはダメだ。

階段を急いで降りた。

「面白い子だなぁ…」

こんなつぶやきも、知らないで。





――あの日は、真っ青な青が広がっていた。



『今日は、晴天になるでしょう』

通学路である大通り。
通勤ラッシュであろう、人が群れをなし、私の横を通り過ぎ、歩いてゆく。
私は携帯のテレビから流れる、お天気お姉さんの声を耳にいれ、学校へと足を運んでいた。

天気予報は虚しく終わり、カバンに入れる。
その途端に入ってくる、いろいろな雑音は私の耳を犯していく。

人の群れの中でもがく事をやめ、沈んでいく。
私は、独りぼっち。
感情さえ、必要ではなくなってしまった。

今日も、私は独りぼっち。

――――君と出会うまでは