質問 羽団扇の形はどの様でしょうか。払子を持つことはありませんか。
 
回答 団扇の羽は両面合せて二十枚です、別に一枚は真中に指添っています。この一枚には訳が有ります。合計、二十一枚で、柄に房を下げます。羽の色は上位は黄色、中は白色、下は青色です。柄の色は上位は朱色、次は黒塗、次は白木、次は青色です。下房の色は特に区別はありません。払子は常に持ちません。他行をするときにも持っていきます。毛は白く。柄は上位は黒塗り、中は赤色、下位は白木です。
 
質問 あなたが仙境へ行くとき、裏表の戸を閉めた夜は開けていきますか。また寝衣を着替えていきますか。呪文は大音で唱えますか。体のままで行く時と魂だけで行くときの心具合はどの様ですか。
 
回答 夜は戸を閉めたままで表に出ます。自在に出れます。寝巻は着替えません。呪文は小声で唱えます。体のままの場合は、人間界で用を足すのと同様ですが、魂の場合は夢に似た心持をいたします。
 
質問 剃髪は僧侶が行うので、忌事がありますか。仙境ではどの様でしょうか。
 
回答 剃髪は忌みません。ただし常に頭巾をかぶっているので頭を現すことはありません。
 
質問 仙境では印を結ぶことはありませんか。
 
回答 印を結ぶ法があります。皆、親指を中に入れます。常に礼をする時も親指は隠します。現すのは不敬とされています。また頭を地に付けるのも無礼であり、額づく場合は頭を手の上に付けます。
 
質問 あなたはこの道について信仰の御霊代の品なんかあるのでしょうか。
 
回答 御神像石の他、利仙君の認められた「青真小童君少彦名神」と書かれた神代文字の掛け軸があります。「清浄利仙人」「紀法仙人」「清離仙人」と認また掛物があり、七指の牛形の霊符の掛物があります。
 
質問 私は仕官しているが小身のもので、家族が多くいるので、融通のため副業もしているが、幼少より衆生のために何かをしたいと思っているが、農工商は好きになれませんでした。ただ神教幽顕の大道をもって人を導きたいと思っていて、その書を弘めて、読書を授けて、あるいは衆生の病難を除く呪禁の術を相伝頂き、神方の医薬も広めたいと思っています。
 
回答 宗哲は医術よりも今までのとおり神幽の道に労したほうが、人に授けて自分の楽しみにもなり、世界の人の為にもなります。生涯それを第一にするのが良い。必ず功を立てる事ができるでしょう。その上はなんにでも心次第でやれば良い。
 
幸安 我師の清浄仙君の后がいます。名を大女といいます。初めて御館へ来て、拝謁しました。この后の御殿は矢張り、赤山の山中の別殿にあります。お姿は絵に書かれている唐女の様であり、肩には領巾を掛けています。実に美麗端正のお姿です。数多くの女仙人並に童女をも多く召使はれているそうです。
 
 
 
質問 仙境の女性に人の妻と娘の姿で差別がありますか。装束は男仙と女仙の何れの方が立派なのですか。又年老たる女性はいますか。
 
回答 妻妾と娘の姿で差別はありません。何れも面容美しく、若き娘の様に見えます。女仙に限って、官位によって服の色が替る定めはありません。立派なのを第一として、つとに赤色を用いていて、錦繍を着し、男仙よりは見事にて、大夫傾城の粧を見る様で、姿は絵に書いている唐士の女性の様です。老婆などは見えません。
 
質問 世間では十月には諸国の神たちが、皆んな出雲大社へ集合するので、この月を神無月と言いますが、出雲国ばかりは神在月と言いますが、これには理由があるのでしょうか。
 
 
回答 このことは師仙より聞いています。毎年十月は諸々の神々や仙人等、必ず出雲の大仙境に集会があります。利仙君もこの月は参府されます。去年行った時は、私も彼地の山上までお見送りをしました。出雲大社を遙かに奉拝しました。
 
出雲大社を幽界にては閟宮といいます。東王父、西王母の本宮は、神仙の大都なので、古より参勤が有ります。参勤の間は本拠地に残る留守役がいて守る神達仙人等も多くいます。世間の人が思うようなの、総抜けで出雲へ集会することはありません。また神無月と言うのはこの事に関わらない別の意味です。
 
 
質問 女性の来府はないのですか。
 
回答 来府があります。利仙君の御后である大女も出雲へ共に詰めにいきます。