カーマルーパという地のあるシュードラは年老いて体の自由がきなくなった。親族や息子たちまで全員が彼を罵り、嫌い、喜ばなかったので、彼は来世を思い、墓場にやってきた。
ヨーガ行者が近づいてきた。
「あなたは墓場で何をしているのか」
ラ「私の若さの月は、老いのラーフによって浸食されました。息子たちは罵ります。死ねればうれしいです。」
ヨ「生まれ持った心に老いは無い。信仰などの財産には減少はない。恭敬し、最も優れた教えを修行できるならば私が弟子としよう。」
加持転移灌頂を行い、ビンドゥの教えを授けた。
あなたの頭の上にア字を観想して、そこから月輪が生じると観想して、その中に現象世界全体の分別が入ると観想せよ。
無二を具象化したラーフにより、知覚対象と知覚主体の分別を破壊し、頭のマハ―スカチャクラ(大楽輪)にある甚深なるビンドゥの性質より、継続的に楽と空を一体とし、身体の構成要素などの敵を破壊すれば、仏たちの功徳が生じる。ああ、それは妨げられることはなく、大変すばらしい。
彼は、知覚対象と知覚主体という二つの認識としての月全体が無二としてのラーフによって浸食され、無二としての甘露がバター油のように頭頂のブラフマンの穴から体内に入り、その甘露が身体全体を満たしながら増大したと観想したのである。
16年後、彼はマハ―ムドラーの成就を得た。