道教の鴻鈞道人の門下に通天教主がいます。鴻鈞道祖は、道教最高の存在の三祖の長で、太上老君(道徳天尊)、太上道君(霊宝天尊)、通天教主の師匠です。通天教主は人間以外の動植物類で修行される方が多く所属している截教の教主です。現在の法脈に通天教主派が実際にあるのは現世への名残で霊術符力を使用する流派です。通天教主の四大弟子に多寶道人、金靈聖母、無當聖母、龜靈聖母がいますが、截教は道法自然で個人修行を強調します。上道には徳はなく、下道に限って、あれが徳だとか、これが徳だと分別して主張しているだけのことであり、そうゆう煩雑な道徳概念は棄てて、本心で生きていくことを主張します。截教の一大仙境は金鳖岛碧游宫です。狐仙の代表的で有名な九尾狐仙は玄狐元君です。九天黄狐娘娘は霊狐族の総教主で、通天教主の門下で法力がとても強く修行の功も深く厚く、民の難を救うべく志を立て慈悲をもっていた。天はそれに感じて九天黄狐娘娘に玄狐元君として仙に封じられた。人に修行がある通り、動物にも修行の階梯があります。妖怪というと人間にとっては害があるものの様に思いますが、善悪はその個性によるもので、善もあれば悪もあります。しかし霊狐は妖力があり媚術が得意なので、悪戯をするケースが日本では近年の怪異譚や昔話として多くの記録があります。

 

妖怪仙人は千年の月日の光を浴びて「妖精」となり 次に格上げされて「妖孼」になり、そこからさらに格上げされて「仙人」となります。狐にも修行があり、最終的には妖怪となり人に災いが為すのか、それとも天庭や善に努めて仙となるのかは分かれる所です。日本でも神の使いとして白狐になるのか、悪戯の好きな鋭い霊狐となるのかで別れ、妖異のある霊狐は並大抵の霊力のある人間では、容易に制することの出来ない強さがあるといいます。狐は中国では、当初(秦や漢では)、狐は大変に尊崇されて龍、麒麟、鳳凰に並び四大瑞祥の一つでした。西王母の画像には、九尾狐、白兎、蝦蟇、青鳥が隣に座しています。漢代以降は地位が下がり狐疑、狐媚、狐臭として淫の話が多くなり良い話が無くなります。通常、狐は50歳になると良く婦人に変化することができます。百歳になると美女に変化することが出来てよく巫術を良くして千里の事を知ることができます。500歳ともなると修行の功高く、高い霊力を保有し、良く人を惑わす知力があります。1000歳になると天狐となり、天に通じるようになります。狐の修行は太陽や月の精気を吸収することです。それによって人の形に変化をすることができます。夜は狐火を出し、頭に髑髏を乗っけて北斗星を拝みます。正に常に洞窟や山野に隠れ、陰陽の気を吸収して霊妙な胎を作るが如き修行に努めます。吸収した霊気は法力となります。また狐の口には媚珠がありこれを得た人は天下の人達の愛敬を受けるといいます。狐は修練をすると仙となり狐仙となります。