2024/5/9 




 一年の中で

私の一番好きな季節が巡ってきた。






それは「皐月(さつき)



早苗を植える月の

この新緑の季節が何よりも

心地く感じる




山々の緑が

新鮮なブロッコリーのように

もっこりしてくる季節。










寂しかった田んぼが

田起こしされ、

水が一面に張られる。




やがて、青々した稲が

辺り一面に広がっていく。




そして、稲が風になびいてい











その風景は美し

自然の生命力を感じる




日々人間が起こ

理不尽で憂鬱な出来事にも動じず、

太古の昔から

変わらない表情を見せてくれる。
















 家に一本の梅の木がある。





ついこの間まで

可憐な淡い花弁をつけていたのが、

今はもうすでに瑞々しい葉と共に、


可愛らし梅の実が

たわわになりだしている。









昨年豊作だった。




私へいつも塩対応

元数学教師の妻がせっせと

梅ジャムや梅酒づくりに励んでいた。





梅へ愛情を特段に注いでいたからか

梅ジャムも梅酒も梅の香りと共に

ほのかに甘さがあり、

ことのほか美味であった。











実はその梅の木の下には、

15年もの間共に過ごした

愛犬が眠っている。






今では姿を変え

梅の木の一部となり、

我々を見守ってくれている。










梅は桜や桃に比べたら、

どちらかといえば派手さなく

こじんまりとささやかに

咲いているような気がする。






でも梅は、

を落としてやがて実となり、

ジャムや梅酒となり

身近にその存在を感じることができる。












あの当時

愛犬と共に過ごした

日々の記憶繋がっていく





 普段の生活の中で

埋もれてしまっている記憶も、


何かをとおして思い出され、

そのことが懐かしさをもたらして、


幸せな気分にさせてくれる。









移り変わる季節のなかで、

その時々にからだ全体で


過去の優しさや温もりを感じながら、

すべてはとどまることなく流れていく







 遠くに見える山並みの深い雪も

もうすぐ溶けて無くなっていく