休日出勤なう。・゜・(ノД`)・゜・。

疲れたから甘いもん食べました( ̄▽ ̄)

悪徳社員は健在(笑)



{1EF981A5-5D71-41DE-999F-D0F27B886F02:01}




こんなもんでいいかな?
なんせまだ仕事中なもんで。。。





街の喧騒が聞こえなくなってだいぶ経つ。
一人馬車に揺られ窓の外を流れていく田園風景をぼんやりと見ていた。



出発する前に朝早く市場へ行き、木苺を買った。
ジジに暫く来ないと告げるとジジは泣き出したが、ほんの少しの間だからと宥めると最後には笑顔を見せてくれた。次に来る時にはプロポーズしてくれと強請ることも忘れないジジに沈んだ心が少しだけ慰められた。

ムーランルージュに戻り姉さんの部屋をノックしようと扉の前まで来た。

俺はピクニックから先に帰って来てしまった。時折見つめ合う二人の姿を見ているのが辛かった。二人の邪魔になりたくないと嘘をつき、引き留める二人の言うことを聞かずにムーランルージュへ戻った。戻ると直ぐに待っていた客の相手をしたので姉さんとは話せていなかった。

暫く会えないのに挨拶もせずに行く俺を姉さんはどう思うだろう…

散々迷ったが結局ノック出来なかった。邪な自分の恋心を隠せる自信がなかった。
暫く会えない姉さんを思う気持ちを託した木苺を部屋の前に置き、俺はムーランルージュを出た。


迎えに来た公爵の馬車は男娼の俺にはそぐわない豪華な内装だった。そんな馬車の中でこれから公爵と過ごす一カ月を考えると憂鬱になった。

公爵の館の門が見えてくると、御者が一旦馬車を降り門を開けた。そこから更に長い砂利道を行くとやっと館の佇まいが見えてきた。
馬車を館の前に停めると御者が馬車の扉を開けた。礼を言っても恭しく頭を下げたままだ。

この御者は俺が男娼だと知っているのだろうか?

礼に応えることもせず、顔を上げない御者に溜め息を吐いた俺は黙って馬車を降りた。

街の郊外に建つ公爵の館は広大な庭園を持つ、その昔、この街を治めていた提督の館を公爵が買い取った物だ。
以前、ベッドでの寝物語に、本国にある屋敷に比べればあばら家だと語っていたことを思い出した。この館を仮住まいだと言う公爵の財力に俺は半ば呆れていた。



公爵は広間のテラスでワインを飲みながら俺の到着を待っていた。

「ソギ。よく来たね。」

「アルベール様…お招きいただきありがとうございます。」

無表情な執事に案内され部屋に入った。
俺を迎え入れた公爵は上機嫌で俺を抱き締めると、館の中に用意した俺の部屋へと自ら案内した。
この館の主を楽しませる愛妾用の部屋だったという部屋は二階の角にあった。
無駄に広い部屋には天蓋がついた大きなベッドが置かれ、シルクカバーのクッションが並べられた寝椅子とマホガニーの木目が美しいティーテーブルが設えてあった。貴婦人のサロンのような部屋だが、愛妾を囲う為の部屋なのだとわかる。
窓は開け放つことは出来るが、逃げ出さないようにかテラスは備え付けられていなかった。
窓から出ようとすれば庭に落ちることを覚悟しなくてはならない。
抱かれるのを待つだけの、そして抱かれる為だけの部屋…
部屋を見渡しながら、籠の中の鳥であることはムーランルージュにいる時となんら変わることがないとぼんやりと俺は思った。



最初の一週間はそれでも良かった。淫らな行為は常に求めらたが、公爵に身体を開くのは夜だけで、それはムーランルージュにいた時となんら変わることはなかった。
それ以外の時間は乗馬をしたり、カードゲームをしたり、時たま馬車に乗って街へ食事に出掛けたりした。
公爵は俺と過ごす時間を楽しんでおり、俺を楽しませようともしていた。この様子なら一カ月という長い時間もどうにかやり過ごすことが出来そうだと俺は思っていた。

公爵のもてなしの中でも、とりわけ俺は乗馬が気に入った。初めて馬に乗せてもらった時には高くなった目線と栗毛も艶やかな馬の美しさに夢中になった。
俺が喜んでいるのを見て取った公爵は昼下がりのひと時、乗馬に連れ出してくれるようになった。


今日も公爵に連れられて、庭園の中にある馬場に来ていた。馬丁が馬を引いて来た。馬丁に助けられ馬に乗る。

最初、無骨な壮年の馬丁は俺の世話をしながらも俺の顔をまともに見ようとしなかった。
男の俺を主の期間限定の愛妾として扱っていいのか、それとも、同じ使用人として接すればいいのか戸惑っているようだった。
だが、馬が気に入った俺を公爵が毎日馬場へ連れてくるので、馬丁は俺の世話を焼く内に次第に俺と打ち解けるようになっていた。
馬丁は俺を馬に乗せ手綱を引きながら、はにかんだように笑いかけてくる。そんな馬丁に俺も乗馬の楽しさから彼に笑顔を返すようになっていた。

今日も暫し乗馬を楽しんだが、喉が渇いたからお茶にしようと公爵が言うので、厩舎に馬を入れ館に戻ることにした。
馬丁の手を借り馬から降りる俺の様子を愛馬に跨った公爵がじっと見ていることに俺は気づいていなかった。





俺の部屋に入ると寝椅子にドサリと腰かけた公爵はティーテーブルに置かれた呼び鈴に手を伸ばした。
チリンと呼び鈴が鳴り、執事のロベールが恭しく扉から入って来た。

「紅茶が飲みたい。ロベール、持って来てくれ。」

「承知致しました。」

礼をして下がったロベールが扉を閉めると公爵は傍らに俺を呼んだ。

「ソギ…おいで…。」

公爵は俺を呼び寄せると、自分の膝の上に横抱きに座らせた。尻を浮かすように言われ従うと、そのままズボンを下げられ、尻を剥き出しにされた。晒された尻をひと撫でした公爵が寛げた前から取り出した自分のモノを当てがってきた。
否と言えず、公爵にされるがまま公爵の行為を受け入れた。受け入れる準備もしないまま中途半端に穿たれた公爵のモノは俺の後孔を無理矢理抉じ開けてくる。
最初は痛みしか感じなかったが、内襞を擦るように入ってくる公爵のモノに俺の中は次第に淫乱にうねり出していた。
公爵は極みまでいかせないように、それでいて身体の奥が甘く溶けるように俺の身体を揺らした。

「あっ…あんっ……やっ……」

焦らすように揺すられ身体に欲望の火をつけられる。淫らな声が零れ落ちた。

ムーランルージュでなら、俺を好きなように抱く公爵でも、所詮それは客と娼館との約束事の中でのことだ。夜が明ければ仕事は終わる。
だがこんな時、この館ではこんな猥がましい時間はいつ訪れるかわからないし、終わりがいつなのかもわからないと思い知らされる。昨夜も一晩中、責め苦のように公爵に弄ばれた。
公爵の欲望の赴くままに翻弄される身体は公爵が仕掛けてくる悪戯で簡単に熱を孕んだ。


公爵の首に腕を巻きつけ縋るように快感に耐える俺の様子に公爵は満足気に笑みを浮かべた。

「さあ、ソギ、どうする?ロベールが来るまでこのままでいるか?それとも…」

「いっ…いやだっ……」

公爵に身体を撫で回され、自分のモノが固さを増し先端に蜜が滲み出す。
公爵の手は容易に俺の身体を蕩かせた。シャツの間に手を入れた公爵は俺の身体を弄り、胸の突起を捏ねるように刺激する。

「あっ…あぁ…やめ……」

喘ぎが唇から溢れる。物欲しげにうねる後孔を持て余した俺はもっと奥まで挿れてくれと公爵に強請りそうになる。俺が快感に必死に堪えているとロベールが紅茶を持って入って来た。

「お待たせ致しました。」

ロベールはトレイをティーテーブルに置くとポットから紅茶をゆったりとカップに注ぐ。甘く洩れそうになる溜め息を逃すように息を吐きながらロベールの手許を見ていた。耳許で公爵が囁いた。

「ロベールは私がお前を一カ月買うことを最後まで反対していたんだ。

そうだろうと思っていた。男娼の俺を歓迎していないと露骨に態度に表すロベール。そんなロベールが今ここで俺が公爵に犯されてると知ったらどう思うだろう。
穿たれていることを隠そうと身を固くしている俺を薄く笑った公爵が腰を突き上げながら揶揄った。公爵が軽く身体を動かすだけで、俺の身体はビクンと跳ね上がる。

ブランケットを腰の辺りに掛けただけの心許ない状態で公爵に縋り付きながら抱かれている俺を侮蔑するような目でロベールが見た。その視線に居た堪れず、洩れそうになる声を喉の奥に押し留めた。

「ソギ…さあ紅茶だ。喉が渇いただろう?」

穿たれたままの俺に公爵は紅茶を勧めてくる。俺はふるふると首を横に振った。

「ソギが私のモノを咥えこみながら紅茶を飲むところを見たいんだがね。
私は今、ソギの所為で些か不機嫌なんだよ。ソギは私を楽しませる為にここに来たんだ。
ロベールに暴露ないように上手に飲んでごらん。」

公爵が俺の耳許で小さく囁いた。
自分が何の不興を買ったのか皆目わからなかったが、早くこの羞恥から解放して欲しかった。
俺はおずおずと紅茶に手を伸ばした。身体をテーブルに向けてほんの少し倒しただけで、公爵のモノが当たる処が変わり小さく声が洩れた。

「…あ……あ…んっ…」

部屋の隅に控えていたロベールが俺の声に顔を上げた。ただお茶を飲むだけのことなのに公爵に後ろを犯されながらだとカップを持つ手が震えた。

「ソギ…ロベールの目が気になるか?」

公爵が笑いを含みながら囁く。
公爵の淫らな悪ふざけの餌食になっている自分をロベールに気づかれたくなかった。
何とか紅茶を飲み、カップをソーサーに戻した。

「ソギ…美味しかったかい?」

公爵が聞いてきた。俺はコクコクと頷いた。

「ロベール、もう片付けてくれ。」

ロベールは頷くと紅茶カップを乗せたトレイを持ち部屋から下がっていった。

ホッと息を吐いた俺を公爵はまだ許しはしなかった。
繋がったモノを一旦俺の中から引き抜くと、公爵は俺にズボンを脱ぎベッドへ行くようにと命じた。
公爵の悪戯で淫らな熱を孕んだ身体を持て余していた俺は公爵の言われるがままにシャツを一枚羽織っただけでベッドに横たわった。
直ぐに貫かれるかと思ったがそうはされず、公爵は視姦するように視線で俺の身体を舐め回してくる。羞恥で肌が薔薇色に染まった。唇をひと舐めした公爵は肌蹴たシャツから覗く胸の突起に歯を立てた。

「ああっ…ふっ…うん……」

いっそ激しく突いて欲しかった。
じわじわと嬲るような公爵に縋り付いて入れてくれと強請りたかった。
俺の胸の飾りから唇を離した公爵が呟いた。

「ソギ…まだダメだよ。これはお仕置きだ。
もうすぐ彼が来るだろうから待っておいで。」

「……か…彼……って…?」

喘ぎながら尋ねた俺に公爵は答えた。

「お前は私の目の前で別の男を誘惑したからね。私を不機嫌にさせた罰だよ。」

公爵は俺を嗜めるように囁いた。




「旦那様…お呼びでしょうか……?」

その時、扉の向こうで声がした。思わず開かられた扉に顔を向けた。そこには困惑した馬丁が立っていた。

「ああ。やっと来たな。入って来なさい。」

公爵がベッドの傍らまで馬丁を呼んだ。

「…やだ…何で……?」

肌蹴たシャツを羽織っただけのあられも無い俺の姿に馬丁はチラチラと視線を走らせる。

「何でだって?お前が馬丁に邪な思いを抱かせたからじゃないか。
私がいながら馬丁を誘惑する悪い子にはお仕置きしなくてはね。」

そんなことをしただろうか?馬丁に少し笑いかけただけだ。
それも馬に乗る楽しさについつい顔が綻んだだけ…
こんな些細なことにでも俺への独占欲を剥き出しにする公爵が少し怖くなった。

公爵は身を固まらせている俺を軽く突き飛ばすように四つん這いにさせると、
馬丁の目の前で俺の窄まりに己れを突き立ててきた。そのまま抱き寄せられ、公爵を後ろに跨る格好になる。
俺を後ろから抱きかかえるようにした公爵は俺の足を持ち上げ俺たちが繋がったところを馬丁に見せつけた。

「やっ…やめて……」

さっきまで普通に話していた馬丁に秘められた処を無理矢理晒される。あまりの羞恥に身を捩って抵抗した。

「ほら、ソギが私を美味そうに咥え込んでるだろう?」

公爵は俺の抵抗など御構い無しに馬丁に声を掛けた。馬丁は淫らな蜜を零す俺のモノと繋がった処を凝視している。馬丁の吐く息が荒く、そして熱い。その熱がこちらまで伝わってくるようだ。
興奮している馬丁の様子を鼻で嗤った公爵が言った。

「ソギは淫らで美しいだろう?
お前もこの身体を味わいたいだろうが、いくら望んでもソギを味わうことは出来ないんだ。
身の程をわきまえることだ。」

公爵は更に馬丁の劣情を煽るように俺を下から突き上げる。

「んっ…あぁっ……!」

足を更に開かされ、背後から乳首を嬲られる。身体を駆け抜ける快感に背中を仰け反らせた。



『身体を売るなら、お前も楽しんだ方が楽だぞ…?』



不意に館長の言葉が脳裏に浮かんだ。俺に男の喜ばせ方を仕込みながら館長が言った言葉だった。
館長に仕込まれた身体は心とは裏腹に羞恥に身を捩りながらも、男の愛撫に喜ぶ。

公爵が笑いながら中を抉った。俺の身体から目を離さない馬丁の視線すらが今の俺には愛撫になっていた。
馬丁から目を逸らしても晒された身体に視線が突き刺さり、その視線の先が焔で炙られるように熱くなる。客でもない男に公爵との交わりを見られる事が妖しく俺の身体を昂らせる。

浅ましい身体…
いやらしい男娼…

思い浮かぶ言葉が俺の心の奥底を傷つけていた。
公爵は俺が極みに行くまで、馬丁に見せるつもりのようだ。公爵に中を掻き混ぜるように蹂躙され、俺は恥ずかしげもなく嬌声を上げた。自分の甘ったるい艶を帯びた声が、傷ついて爛れた心を更に嬲る。

その時、突然、彼の笑顔が浮かんだ。戯れ合いながら触れた彼の肌の温かさも蘇る。

俺の中にある唯一の穢されないもの…
叶わない恋の骸のような、けれども色褪せない彼への思い…

この思いに救われるようだった。
彼じゃなければ、誰が俺を抱こうが、視線で犯そうが関係ない。
彼への思いに支えられながら、自分を鼓舞した。

大丈夫だ。いつもしてきた仕事じゃないか。

ぎゅっと目を閉じた。心の内で自分に言い聞かせ、俺はいつものようにこの爛れた時間をやり過ごすことにした。