今日はちくちゃんのお誕生日ドキドキドキドキドキドキ

お祝いしようと以前、二人で妄想したぎょぉネタをお話にしてみました\(//∇//)\
ちくちゃんが読みたいと言ってくれたから音譜
私なりのぎょぉを書いてみました(^◇^;)

皆さんにも読んでもらいたいと彼女が言ってくれたので、
ここでアップします( ´ ▽ ` )ノ

あらためて。。。

ちくちゃんビックリマーク
お誕生日おめでとうブーケ1ブーケ1ブーケ1





ヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコ


ぎょぉの家出







とててて…

スタジオの地下駐車場に小さくて軽やかな音が響いた。

思わず振り返ったが、足音の主は見当たらない。

とててて…

また聞こえる。
目の端に小さな黒い影が俺の足元を横切った気がした。


「……おで…おこった…いえでする……いんのばか……むー……」


俺の車の下から何やらブツブツ言っている男の子?の声が微かに聞こえた。

こんな狭い車の下に誰かが潜り込んでいるのだろうか?
子どもだとしたら車が動き出す時に轢いてしまう。

まさかと思いながら俺は車の下を覗き込んだ。

そこにはiPhoneを両腕いっぱい広げて抱きかかえてしゃがんでいる小さな男の子?と目が合った。






「おで ぎょぉ。
おまえ なんていうんだ?」


「俺の名はジソプだ。」


「……いそ…ぷ?…じそぷぅ?
おまえのなまえ むずかしぃぞ…」


ぎょぉと名乗る小さな男の子?は俺の車のドリンクホルダーにちょこんと収まっている。
直にでは痛かろうと持ってハンカチで小さなクッションを作ってやった。
クッションが敷かれたドリンクホルダーの座り心地が気に入ったのか、ぎょぉは鼻歌まじりで膝を抱えて座っている。


「それで、何で家出したんだ?」


俺はご機嫌が直ったぎょぉに話し掛けた。



目の合った信じられないほど小さな男の子を放っておくことが出来ず、俺は思わず車の下に向かって手を差し伸べていた。
警戒しながらも俺の手に掴まり、ぎょぉは這い出てきた。
この子の保護者なのか、ジョンインとかいう人間に対して腹を立てているようだった。
ぎょぉの顔をよくよく見ると面差しがアイツにとても似ていた。
最近、会うこともままならないアイツが現れたようで、
堪らず俺は家出すると息巻くぎょぉを連れ帰ることにした。



「いっぱい おで じょんいんにむーいぢめるないった!
じょんいん むーいぢめるのやめない!
さっきだって むーないてるのに むーのかっぱえびせんにいたずらした!」


むーのかっぱえびせん?

鼻息荒くぎょぉが話してるが、意味がわからない。

「じょんいんとかいう奴がむーのかっぱえびせんを食べちゃったのか?」


「たべたちがう!なめてなかした!」


「かっぱえびせん舐めたのか?塩っぱいだろ?」


「むーのかっぱえびせん
じょんいん あまいいうぞ?」


甘いかっぱえびせん?

ますますわからない。俺は首を傾げながらも家に向かって車を走らせた。



被っていた帽子を手に持ち、中にぎょぉを入れてマンションのエントランスを抜けた。
帽子の縁に掴まりこっそり外を覗こうとするぎょぉを目で制する。
首を竦めたぎょぉはおずおずと帽子の中に身を沈めた。
帽子の中でコロコロ転がるぎょぉを見ながらぼんやり思った。

これは誘拐になるのだろうか?

思わず連れ帰ってしまったが、ぎょぉの言うところの家出に彼が納得するまで付き合ったら、ジョンインとむーとかいう保護者に連絡しようと思っていた。


玄関のドアを開け、帽子の中からぎょぉを出してやると、とてててと駐車場の時と同じ音を響かせぎょぉが走り出した。


「おぉー!すべるどー!つるつるだどー!」


廊下の先ですてーんとぎょぉが転んでいた。
すると、転がったぎょぉのところに飼い猫のカトがのそりと現れた。
まずい!っと慌ててブーツを脱いで駆け寄る。
だが心配は杞憂に終わった。
ぎょぉは小さな手を伸ばしカトの鼻先を撫でていた。


「おまえ ともだちー おでをのせろー」


カトの首輪に掴まって立ち上がったぎょぉはカトに器用に跨りリビングに入っていく。
愛らしい一人?と一匹の姿に自然と笑みが溢れた。
俺はそんな彼らの後に続いてリビングに入った。


ぎょぉはカトに乗って俺の家の中を探検している。


「おー!ひろいべっどだど!
おで ねてみたい!」


ぎょぉの意図を察したのかカトがピョンとベッドに飛び乗った。


「ごれなら おでもおちないし むーもねれるどー!」


「お前、むーとやらも連れて来る気か?」


「だて…むー おでがいないとじょんいんにいぢめられる…
むーとすむとこさがす…
だから いえでした」


ベッドでぴょんぴょん跳びながらぎょぉが答えた。


「いそぷ おで おまえ てでびでみた!いそぷ いいやつ!
おでとむー すんでもいいか?」


とんでもないことを言い出したぎょぉに開いた口が塞がらない。
仕方なく俺は笑いながら答えた。


「ぎょぉがいいコだったらな。
なあ、腹減らないか?ピザでも食うか?」


スタジオで頼んでおいたピザが届くころだ。


「たべるど!いそぷ!つれてってくで!」


ぎょぉが俺に手を伸ばして来た。
俺は片手でぎょぉを掬い上げるとダイニングに連れて行った。



届いたピザをナイフで切り分けてやった。
ピザの三角の頂点から口を付けたぎょぉは器用にピザを食べている。


「なあ、口や手がピザソースでベトベトだぞ?」


服にも赤いシミがついている。
紙ナフキンで拭いてやりながら声を掛けた。


「だいじょうぶだど!あででふろはいる」


ぎょぉはキッチンに置いてある鮮やかな青い色の鍋を指差しながらニンマリと笑った。






「ぎもぢいー!あったまるどー!」


鍋に張ってやった湯につかりながらぎょぉが鍋の中で手足をバタつかせる。
ぎょぉの頬についたソースを指でこすってやる。


「いそぷ くすぐったいぞ?」


片目を瞑ってくすぐったそうに首を竦めているぎょぉが可愛い。
ぎょぉに言われ渡してやった綿棒でぎょぉは器用にカラダを洗いだした。
カラダつきまでアイツによく似ている。
小さな白い背中を一生懸命擦るぎょぉの入浴をなんとなくぼんやりと見ていた。


「いそぷ おでのきがえあるか?」


思いついたように振り返ったぎょぉが聞いてきた。
ぎょぉの問いかけに我に帰った。
こんな小さな服がうちにあるわけがない。
小さなスキニージーンズを摘まんで俺は絶句した。


「ちょっと待ってろ!」


俺は車のキーを持つと部屋を飛び出した。




「いそぷ ずごし おきいぞ?」


「それで我慢してくれ…。」


額に手をやりながら俺は呟いた。



近くのおもちゃ屋に飛び込んだ俺は手当たり次第服を着ている人形や縫いぐるみを買って来た。
俺が山のように買って来た縫いぐるみや人形から服をどんどん剥ぎ取るのをぎょぉは鍋の縁に顎を乗せ、ワクワクと見ていた。
ぎょぉはテディベアが来ていたズボンとベストみたいなものを無理やり着た。
カラダが服の中を泳いでるので、おもちゃをラッピングしてあったリボンをベルト替わりに結んでやった。


「おっ おで がごいーか?いつもとちがうふくだど!」


アラジンみたいだとぎょぉはご機嫌だった。
また、カトに跨りリビングを徘徊している。
リビングの隅に積まれた買って来た縫いぐるみの山を見て歓声を上げた。
俺はキッチンのシンクでぎょぉの服を洗いながら、
子どもを持った父親の気分ような温かなものが胸の内に溢れてくるのを感じていた。




遊び疲れたぎょぉはソファで眠ってしまった。
腹を出して大の字に寝ている。
すっかり仲良くなったカトを枕に高鼾だ。
あどけなく感じる寝顔に頬が緩む。
そっとハンドタオルを小さなカラダに掛けてやった。


「そろそろ連絡しないとな…。」


窓の外は夕暮れ色に染まり出していた。
攫うように連れて来てしまったぎょぉ。
こんなにも可愛い存在をきっと保護者の二人は心配しているだろう。
ぎょぉから預かったiPhoneをジーンズのポケットから取り出した。
ロックはかかっていなかった。

むー
じょんいん
むー
むー
じょんいん
……

山のような着歴に胸が痛んだ。
ぎょぉと過ごす楽しさのあまりiPhoneを確認しなかったことを後悔した。

俺は一番上の着歴をタップした。








「ぎょぉぉぉぉぉぉっ!」


ぎょぉとよく似た長い栗色の髪、同じような服を着た男が俺から受け取ったぎょぉに涙に濡れた頬で頬ずりした。


「うちのぎょぉが大変お世話になりました。
私、こういうものです。」


頬ずりする男と一緒に来たスーツ姿に髪をオールバックに撫でつけた男が、
淡く微笑みながら名刺とパンフレットのようなものを差し出してきた。

この男がジョンインか…
ということは、あちらがむーなんだな…

名刺を見ながらぼんやりとそんなことを思っていた。


「いそぷぅ~ おでやぱりかえる
だのぢかたから また あそびにきでいいか?」


むーの肩に乗ったぎょぉが俺に笑顔を向けて言った。


「ああ…また遊びに来い。家出したくなったらな。」


俺はぎょぉに向かってニヤリと笑ってやった。


「もう家出なんてするなよ。心配するじゃないか。」


むーがぎょぉに向かってブツブツ言っている。


「ぎょぉは貴方のかっぱえびせんをこちらの方が舐めたからと怒って家出することにしたようですよ。
許してやってください。」


俺がいうとむーは顔を真っ赤にして俯いた。


「ぎょぉ…なんてこと言うんだよ……」


ぎょぉのおでこを軽く小突いている。


「いでで…だて もうやだて むーいった
むーのかっぱえびせんをじょんい…」


むーが慌ててぎょぉのクチを塞いだ。
かっぱえびせん好きのジョンインがニッコリ笑って握手を求めてきた。


「すっかりうちのぎょぉと仲良くしていただいたようで…

ご要望がおありでした、いろいろと対応出来ますので、
ご連絡お待ちしております。」


俺の持っているぎょぉが表紙のパンフレットを指差しながらジョンインは挨拶した。


「ああ…」


ぎょぉから目が離せず曖昧に頷いた俺は、それではと言って去っていく三人の後姿を部屋の前の廊下で見送っていた。





ピンポーン

三人が帰って暫くたった頃、
インターフォンのベルが鳴ったかと思うとアイツが家に入って来た。


「えへへ…またうまいことエントランスをくぐり抜けちゃった。」


ソファに座る俺の胸に飛び込んで来た奴がニンマリと笑って呟いた。
その笑顔にさっきまで家の中を占領していた小さな台風のことが思い出された。


「お前…子ども欲しくないか?」


俺は気がつくとそんなことを呟いていた。
黒目がちな瞳をくるくる動かした奴が笑った。


「くくっ…何それ?子どもが欲しくなったの?
だからあんなに縫いぐるみとか人形があるの?」


リビングの隅の縫いぐるみの山を見た奴が俺の顔を覗き込みながら聞いて来た。


「ああ…だから、子作りするか?」


俺はぎょぉに似たその顔を見て自然と笑みが溢れた。
目の前のふっくらとした唇にチュッと音を立ててキスをすると奴はパッと顔を輝かせて頷いた。


「うん!子作りしよ!早くしよう!今しよう!」


無邪気に俺の腕を引っ張る奴の肩を抱き、俺は寝室のドアを開けた。



ガラスのテーブルの上には置かれたパンフレットの中でぎょぉがあどけない顔で笑っていた。