雲一つない気持ちの良い朝でした。
早朝、駅から事務所に向かう徒歩ルートは毎日ほぼ同じです。
8年間、車を利用して通勤していましたが、昨年から公共交通手段の利用に切り替えて今日に至ります。
車通勤をやめた理由は幾つかありますが
・運転中は物を考える事に危険が伴う。
・運転中は読書ができない。
・運転する事自体が常に危険と紙一重。
・自分自身が現状を勘違いしないように。
など、格好のいい建前を含めていろいろとあげる事が出来ますが、包括すると経営判断です。
休みの日にプライベート(個人)で動く時は、ほぼ公共交通手段を利用しますから、通勤をその方法に戻す事にはさほどの抵抗はなく、往復の時間を有意義に利用するように心がけています。とにかく、季節の移ろいを強く感じる事ができますよね。車の運転をしていると見えなかった景色、気付き得なかった風情に、心が洗われる毎日です。
マネジメントを司る人間は大変です。
なぜならそれは、全てにおいて「決断」をしなければならない、という事。
その決断には、作為も不作為も含まれます。
そしてその先には、会社の存亡が確実にかかわります。
どんな些細な事であっても、その瞬間に適切と思われる判断を行い、仮にあとになって何かしらの齟齬に遭遇したならば、その時に適宜の修正を行う。
最初からベストな選択が出来るに越したことはありませんが、感情のある人間が100%関与する社会的関係性の下では、よくて、「その瞬間はベター」という事にならざるを得ないから、その瞬間の判断を決して恐れない、という事を常に意識しています。
経営を引き継ぐに際して、恐らくは自室のベッドに仰臥なされた状態で、全員にあてて発報した私の文書を読まれたであろう先代は、その文章に秘められた私の決意と苦しみに気付いて下さったと勝手に期待しています。
いずれにしても明確に言える事は、その文書に記載した内容だけは、普遍的にベストだという事。
私は、この会社を、とにかく無事に、次世代につないで、そして静かに、ただもっぱら静かに…。
そうする事が、また新たな進化への礎になり得ると期待しつつ。