NHKラジオの英語講座を愛聴されている方であれば、杉田敏という方をご存じの方が大半ではないでしょうか。

 

私がこの方を知ったのは、今から恐らく30年以上前、「やさしいビジネス英語」というNHKラジオ英語講座のテキストを購入した時に遡ります。

 

「やさしい」と謳われた講座ではありましたが、ご存じの通り、恭敬の念をもって表現をしますと、まったくやさしい講座ではなかったです。このようなテキストを購入したからと言って、当時の私は決して英語が得意だった訳ではなく、逆に英検2級止まりで、実際のところは全くダメでした。英語がモノにできたらいいなぁ、という未成熟な憧れと、「(やさしい)ビジネス英語」という響きに対する格好良さに大いなる影響を受けてしまった、というレベルの話です。

 

そんな状況ですから、テキストに記載された英文自体をまともに解釈する事が出来ず、いわんやヒアリングなど単なる雰囲気で聴いている洋楽そのもので、さっぱり。

個人的には何とかしたいと思ったものの、結局は半年持たずにテキストの購入をやめました。

 

相応に経過した人生という時間軸の中で、不定期に英語への思いがぶり返して、その度になんとなく勉強を再開して、いつしかフェイドアウトする、という所作を繰り返していました。そんな中、プレジデントという雑誌で特集されていた英語のリスキリングに関する特集に刺激を受け、そこで紹介されていた本の1冊に杉田敏先生の懐かしいお名前を発見し、目に見えない想いが急激に増幅した結果、2022年5月から英語の勉強を再開し、今に至っています。

 

学習の目的は、杉田敏先生のお言葉をそのまま頂戴して「英語で雑談ができるようになる」です。

学習目的が明確になった私は、雑誌特集の中で紹介されていた書籍の中から複数を選択しました。そして、「英語のハノン(初級)」(横山雅彦・中村佐知子 著)を十数回繰り返して英文法の基礎とヒアリングの基礎の修得に奔走し、「入門ビジネス英語」(柴田真一 著)でシャドーイング活用による英語基礎力増強に務め、今は、「実践ビジネス英語“ニューヨークシリーズ The Final Chapter”)」 と、「現在ビジネス英語」(共に杉田敏 著)の本で、自分なりにという言い方にはなりますが、英語力の強化(獲得ですね)に努めています。

それと同時進行で、どうしても英語実践の場が欲しいので、日本経済新聞で組まれていたAI英会話アプリ特集の中で紹介されていた「スピークバディ」を使っています。

 

今ほど英語の勉強が、楽しく、何の苦も無く継続出来ていた事はありません。

雑誌での英語リスキリング特集があったこと、抽象的な学習目的が具体化したこと、スマホで使用できる音声教材の充実、あと、コロナウイルスが白日の下に晒した世の中の不透明感、これら全てが、私にとっては極めて良いタイミングで再学習への道を舗装してくれたのだと思います。

 

実はそんな中、昨年ですがTOEICを受けて見たんです。

…この場に3桁の数字を記載しない(したくない…)ことをお許し下さい。

いずれは!

 

昨今は生成AIの進化が凄まじいです。

そう遠くない未来に同時翻訳が実装されたガジェットなりが普通に使われる事で、言語コミュニケーションの壁がなくなる日が来ると思います。

それにも拘わらず、いうならばコンピューターに頼らずに複雑な計算を自ら手計算で行うが如き愚行を、何故いま継続するのか、という事に対して疑問に思われる方々も、恐らくいらっしゃると思います。

私は、将来どうなるかはともかく、恐らく人生の最期まで学習を継続します。

なぜなら、私にとって、英語の修得が、実はいささか趣味的な要素を備え始めており、それが結果として自分自身固有のスキルアップのツールであり、不確実性を伴う自信が、私自身に対して更なる高みへのステージアップを希求させるのです。

 

どのタイミングで、石段を上った先にある一つ目の踊り場で、後ろを振り返る事で開ける美しい景色に触れる事になるかは、正直なところわかりません。しかし、間違いなく、私の語学力は、ボディメイク目的で行う筋トレが絶対に嘘をつかないのと同様に、物理的には把握できないけれども美しいボディーラインを、私に提供してくれていると、強く信じている今日この頃です。