タクシーで起きた事件簿！④

結局、乗り逃げ犯とわかっていながらまんまとやられてしまった私…

悔しい悔しい…

お客さんも、警察官も、会社の運行管理者も…もう誰も信じられんわぁと怒りが込み上げてきて帰宅しても布団の上でゴロゴロゴロゴロ

朝の9時頃になりほんのちょっぴりですが、落ち着いてきた私はあることを思い出しました。

乗り逃げ犯が降りる時に「私を信じてください。携帯番号です」とメモ書きを置いていきました。

なぁにが、信じてください！じゃ。ボケ

ご丁寧にＳという名前まで書いてあります。

破いて捨てちゃおうかな、と思いましたが、まぁ騙されたついで…電話してみました。

すると…

ハイ、Ｓです。

と聞いたことのある声が！

いや…まさか…あの乗り逃げ犯であるわけがない…きっとＳという人の携帯番号をメモしたのだろう…

もう私は何も信じられない状態でした。

電話の向こうでは、どなたですか？と言っています。

 どうせ乗り逃げ犯じゃないだろ、と思った私は、「昨日のタクシーの運転手だけど…」と言ってみました。

その途端、プチン！と電話が切れました。

 えっ！まさかの乗り逃げ犯？

ホントに電話番号教えたのか？

しまったしまったしまったぁ

もっと考えてから電話すれば良かった

運行管理者に、いや警察官に電話させれば良かった

頭の中がぐちゃぐちゃになった私は冷静になってもう一度電話してみました。

急がなくちゃ！時間を置いちゃダメだ！

なぜなら嫌な予感がしたからです。

それを振り払って電話をすると…

「ただいまこの電話はお客様の都合により繋げることが出来ません」

というアナウンスが流れるのみ

やられたぁ

頭が良いのか悪いのかわからない変な奴

いま思い出すとこの乗り逃げ犯は首から3台の携帯電話をぶら下げている変な男でした。

私に教えた番号はそのうちの1台だったのでしょう。

くそ〜こんな変な奴にもて遊ばれ、それを取り逃がした警察官許さんぞー

私の怒りのホコ先は警察官に！

よし！新聞社に電話しちゃる。

タクシー運転手が連れて来た乗り逃げ犯を逃がしてしまった失態！という記事を書いてもらおう

そう思った途端にワクワクしてきた私…単純です（笑）

それからの流れを簡単に書くと…

1. Ｔ新聞社横浜支局へ電話。ラッキーなことにA編集長に繋がり昨日の出来事を細かく聞いてくれる。A編集長も電話の向こうですごく怒りまくる。ちょっと恐い（笑）

2. なんとA編集長は失態を演じたＴ警察署の副署長と懇意であるとのこと。これからすぐに副署長に連絡を取り、なぜこのような事態になったのか原因を追求させる、とのこと。

納得がいかない返事ならば、目の前の犯人を逃がす大失態という見出しで記事にするとのこと。

3. しばらく時間をくださいとA編集長に言われ、私は待つことに。何だか面白いことになってきた。

4. その日の夜、A編集長より電話がある。

Ｔ警察署の副署長がA編集長の所へ平謝りに謝って来たとのこと。「謝るのは私ではなく、タクシーの運転手さんにですよ」と伝えたところ、乗り逃げ犯を逃してしまった警察官と交番のおまわりさんは（確か訓戒とか訓告とかの）処分にする、と言っていました。

5. A編集長より警察署からの謝罪を聞かれました。私はA編集長が見ず知らずの私にここまで対応してくれたことが嬉しかったのでA編集長と副署長の今後の繋がりを考えたら、もうここまで！と思いその旨お伝えしました。

6. 真剣に動いてくれる人っているんだなぁ、と人間不信になっていた昨夜の自分がウソのようにワクワク気分になりました。

7. この乗り逃げ犯を絶対捕まえる！と副署長は意気込んだそうですが、我が社の運転手はこの乗り逃げ犯にその後も手玉に取られ約8名が餌食となりました

8. しかし、この乗り逃げ犯もついに捕まりました 我が社のタクシーに乗ってまた騙そうとしたところを運転手が機転を利かせて警察官を呼び、逮捕となりました。よそのタクシー会社も大分被害に遭っていたそうです。

9. 踏み倒されたメーター料金は会社から貰うことが出来ました。

しかぁし…

驚いたことにこの乗り逃げ犯は昔でいうところの「準禁治産者」という心神耗弱者であるため罪人とはならず、弁護士が引き取りに来たそうです。

その代わり、我が社の運行管理者が乗り逃げ犯をこっぴどく怒ったのが功を奏したのか二度と現れなくなりました。

一応めでたしめでたし、かな？

このような長い文章をここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。

まだまだ私、いろいろな目に遭っておりますので、また書きますね〜