最近の南相馬市
今回、南相馬市へ通訳として行って、仕事の合間に写真を撮って来たのですが・・・
つい、撮ってしまう写真が非日常的な物、衝撃的な物。
これでは南相馬の現状を伝えることになっていない・・・
と、言うことに気がついた時点ではすでに遅し。
南相馬市内の「普通」の写真は殆ど撮っていなかった。
地震・津波・原発事故と続いて避難勧告が出され、南相馬の人口の約7割が町を去った。
人口が極端に減り、客がいないため商店などは一時的に閉店し、従業員・店主も避難。
最近では避難先でのストレスや原発が治まりつつあると言う報道を受け、避難した方々も少しずつ南相馬へ帰ってきてはいるが・・・
店や医療施設が閉鎖したままで食料や薬品などの物資が手に入らない。
物資を届ける人たちも『レッドゾーン』『イエローゾーン』の放射性物質を恐れて近づかない。
物資が手に入らないから戻ってきた方々が普通に生活出来ない。一部の人たちは再度、街を離れる。
写真を見て頂くと南相馬市内は地震・津波の被害を受けていない所もあることが分かると思います。
写真に収めてはいないのですが、自動車の交通量もそこそこあります。
放射性物質の関係上、普通に道を歩く人はまだ少ないが、住民が戻ってきているのは確かです。
しかし、普通に暮らすには小売店・医療施設が機能していないと難しい。
また、多くの住民が戻ってこないことを理由に学校などの教育施設の新学期がいつ始まるか、まったくめどが立たない。
南相馬市はちょっとした放射能対策(マスク・帽子の使用)さえとれば、以前の生活に戻れるのですが、町の現状が知らされていないため、遠くへ避難した人も帰るべきか悩む。商品の搬入にも南相馬市へ踏み入るのを恐れる業者も少なくは無い。
しかし、私が見た状況では、品物さえあれば・薬さえあれば・店さえ開いていれば・医者さえいれば、南相馬市民は殆ど普段の暮らしに戻れるはず。
残念ながら津波の被害に会った地域、『レッドゾーン』に指定された地域はしばらく『日常』を取り戻せないだろうが、『イエローゾーン』『グリーンゾーン』は巻き添えをくらって日常に戻れなくなっているのが現状だと思います。
南相馬市から離れた人たちに避難するなとは言いませんが、避難する必要性があるかを見なおしてはいかがでしょうか?

