在ってはならない演劇 | 黒田勇樹オフィシャルブログ「Surrea StringS」

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(お客様のSNSから写真頂きました)

本当に色々あって去年卒業したほしがりシスターズ

状況を聞き「最優先はお客さんとキャストよね」と

一旦全ての諸々を「ギャラ」で解決し

怒濤の2週間前ピンチヒッターを終え

ルール無用の残虐ファイトではありましたが

どうにかお客様に「今まで通りの楽しみ方」をして頂けるぐらいには引き上げられたかな

と、思ってます

ただ、稽古場で涙が出るほど笑える作品にして劇場に送り出したつもりが

やっと客席で観れた5公演目の時のこと

稽古場での輝きが全て半分ぐらいになってました

この1年、初めてお金貰ってプロの演出家として過ごす中で

解決策は簡単

「今夜は、酒を飲まないで帰れ」

演者たちに「ダメ出しありませんか?」「もっとよくするにはどうしたら良いですか?」と聞かれる中

…言えませんでした

自分が劇団の中の人間だったら「ちょっと1回、俺を信じて」と提案したかもしれませんが

1年に1回、酒を飲みながらやる演劇とそれを観たいお客さん

俺の「最優先の観客とキャスト」、そしてその人達の正解がわからなくなってしまいました

今年沢山演出した中で、これだけを観て「黒田勇樹作品」を理解したと思われるのもとっても嫌で悔しかったけど

それもこれも全部「ギャラ」に押し込めて神田川に投げ捨てました

これはこれで、とっても面白いやり方なんだけどねー

心優しく深い理解をしてくれる人はごく一部で

※演者は酔っぱらってます とか ※作演出は鼻くそをほじりながら作りました とか

すげーいっぱい注意書並べてやるか

俺が真面目に演出家を頑張って評価されてから10本に1回だけ、このスタイルとか

なにかそういう距離感になったんだと思いました

とりあえず、今朝起きて

生まれて初めてほしがりシスターズから貰ったギャラで家賃を払ったので

やってよかったな、と思ってます