本を作りながらいつも思うのは
私が「紙媒体」よりは「テレビ出身」だなと思うことです。
自嘲や自尊も含めて「テレビ屋」なんて言い方もありますが、
紙媒体を作っていていつも感じるのは
自分の感覚がいい意味で「テレビ屋」なのかな、と思うこと。

たとえば普通ガイドブックというのは
沢山の情報を並べておいて、読み手に対して
「自己責任でこのなかからチョイスしなさいよね」と言っている気がする。
でも!
「初めて行くからガイドブックが必要なんじゃん!」と思う訳です。
だとしたら、
今、私が考えうる最高のコース取り、
そして、どこでその土地の美味しいものを食べて
何処の温泉とかで、旅の疲れをいやして
どんな味わいのあるところに泊まって、

そして明日の朝は
どんな朝飯を食べて、
余力でどこをみて帰ろうか・・・
てなぐいあに、一つのコースを提案するという発想が
身に染みついていると思うのです。

ですからこの
『韓国ぐるぐる~ソウル近郊6つの旅』というのは
たとえば
ソウル近郊の6都市をベストコースで巡る
6本の旅番組が収録されている
という感覚なんだと思います。

実際、「水原」に行こう!と決められたら
初めのページからずっとたどって行かれたら良いと思います。

更に、この本の特徴になっているのが、
各章(都市ごとの終わり)に見開きでもうけられた
<旅する韓国語>と題されたページです。

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サブタイトルにあるように
「使える韓国語フレーズで旅先でも安心!」とあります。
まさに、旅先で必要な韓国語を
都市ごとに必要頻度の高そうなフレーズを中心に紹介しているのも特徴です。

たとえば
一章の仁川編の後の<旅する韓国語。コーナーでは
「切符の買い方を教えてください」
「この方向で合っていますか?」
「どこで乗り換えればいいですか?」
といった交通の絶対必要なフレーズが
ハングル表記にカタカナルビで記載されています。
編集部と話し合って、いざというときには
「指さし」でもコミュニケーションが取れるようにと工夫しました。

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ところで、この会議は面白かったですよ~~。
編集部のみんなが、
それぞれがどんな場面でどんなアクシデントがあって、
「この言葉が分かったらよかったのに~~!」という体験をしたか、
その告白シリーズで盛り上がりました。^^

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たとえば江華島では市場をクローズアップしていますが、
その章の終わりには
「~はどこで売っていますか?」
「一つだけでも買えますか?」
いろいろ売り込んでくる方をかわす言葉として
「ただ、見ているだけなんです」
なんて言葉も入れました。

市場ではなんでも山盛りで売っていますからね。
一つだけ欲しいなんてことはちょくちょくあるんです。

それに日本人は相手の気持ちを思いやるので
「何が入用ですか」と度々声を掛けられると気が気じゃない。
相手を傷つけないようにやんわりと断る言葉というのも必要なんですよね。
このフレーズは多くの読者の方から
「これあって助かった!」という声を頂きました。

ソウルから出てみようという方は
多少腕に覚えがあって、勇敢に旅をしよと思っていらっしゃいますが、
たとえ言葉がおぼつかなくとも不便のないように
実用的で最小限のフレーズを紹介しています。
どうぞ勇気を出して、オリジナルな旅をしてください!

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でもね、いつも思うんです。
旅は、誰かに助けてもらうくらいが一番楽しいのですよ。
言葉が不自由くらいがいいこともある。
言葉がわからないと、お互いの心がもっと見えてくるからです。
旅先で助けてもらったり、親切にしてもらった思い出は
かけがえのない一生の思い出になるからです。

私は言葉が達者になるにつれて、
見えなくなったものが沢山あると常々おもっています。
すこしぐらい、不自由だったほうが楽しかったような気がしているのです。
人のやさしさって、ありがたいな。
もう二度とあえないかもしれないけれど、忘れられない。
そんな思い出が私にも沢山あります。

だから、みなさんも勇気をだして
この本を携えて、一歩ソウルを出てみてください!


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