1991年、南北統一卓球チームが編成され、
幕張メッセで行われた「千葉世界卓球選手権大会」に於いて
南北統一チームが中国を打ち破り、艱難辛苦の末に
堂々の金メダルに輝くまでの軌跡を描いた映画
『KOREA』の特別試写会が
千葉県民ホールにて開催され、
その際の総合司会をおおせつかりました。

20年前のことですが、朝鮮半島を象ったブルーの統一旗を掲げての
前代未聞の「統一チーム」の結成は
当事日本でも大きなニュースになり、
さらに金メダルを獲得するという快挙は
多くの人たちの印象に残った出来事でした。

そして、この映画『KOREA』には、それまでの道程にあった
想像を絶する両国選手、指導者たちの苦悩が描かれており、
あの快挙の背景にこのようなドラマがあったのかと
改めて感慨深く当事を思い返すのでした。

南北分断というあまりにも重いテーマであるにもかかわらず、
若者たちの軽快な日常が描かれ、
しかし、その表層を一枚めくると厳然として現れる
さまざまな実情に、
映画を見ながら、本当に切ない気持ちにさせられるのです。

これから韓国で封切りされる映画ではありますが、
ご当地であった千葉での特別試写会からスタートする背景には
制作スタッフたちにとっても、
この日本、とりわけ千葉の地に思い入れが深かったことが伺われます。

司会進行役として参加した私でしたが、
会場では韓国からの俳優さんやスタッフさんたちと楽屋が一緒だったので、
いろいろな話が聞けて、仕事を離れてもとても興味深い時間を過ごしました。

まず、俳優さんたちが熾烈な卓球の訓練にあたったことは
画面からも十分に感じ取ることができるのですが、
楽屋でのおしゃべりからもいかに大変だったかがうかがえました。

「過激な練習に足のつめがはがれたので、それをコーチに訴えたら、
『私なんかとっくにつめなんかありません』という答えが返ってきたんだよね~」
なんて話が聞こえて来るわけです。

すごい現場だったんだな~、というのが楽屋にいても、
映像をみても伝わってきました。

また、韓国での記者会見での様子をこんなふうに語っていました。
黒田福美オフィシャルブログ「黒田福美  kuroda fukumi」Powered by Ameba-記者会見の様子


「ふつう記者って、冷淡じゃない。
だけどみんな試写を見終わって涙をこらえきれないんだよね。
女性記者は感情を解放して泣いてしまえるんだけど、
男性記者は自分の気持ちを制御しようとして平静を装おうとする。
けれど、どうしてもこみ上げてくるものがあるものだから、
あちこちから、『エッ』、『エッツ』、と嗚咽が切れ切れに聞こえてくる。
あるいはそれを押し殺そうとして『エヘン』『エヘン』て、咳払いが聞こえてね」

なるほどな、
そんな反響だったんだな、なんて思いました。
こんな楽屋での生々しい話が聞けたのは私の特権だなと思いましたね。

きっとこれは韓国でもヒット作になると思います。

そしていつか日本でも上映されたらいいですね。
心から成功をお祈りします。
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