美しい日の出を心に焼き付けた私たちは
一路旌善(チョンソン)へと向かいます。
旌善は「旌善アリラン」の発祥の地。
また、活気あふれる五日市でも有名なところです。

「五日市」という地名は日本でも各地に残っていますが、
まさに五日ごとに市場がたったという土地柄を現しています。
そしてこの旌善もまた、2と7のつく日に市がたつのです。
ちょうどこの五日市に巡り会うことになった私たち、
またこの日は「アリラン祭り」も催され、市のまんなかにステージが設営され、
「旌善アリラン」をはじめさまざまな催しがあり、
ソウルや近郊からの観光客で、ごった返すのです。

旌善へのみちすがら、朝の早かった私が部屋でウトウトしていると
すっかり車掌さんが板についた栗原 景さんのアナウンスが流れました。
わがヘラン号が
険しい山道を鉄道が登るときの走法「スイッチバック」にさしかかったというのです。

「右に左に雄大な山の景色が見て取れます。
スイッチバックについての解説をいたしますので、どうぞラウンジカーにお集まり下さい」

あたふたと駆けつけると、皆さんすっかりお集まりで、
かげりさんの説明を聞きながら、列車の窓にかじりついて眼下に見下ろす山肌に
ジグザグに刻まれたレールの跡を確認しながら
車内の窓を右に左にと移動しながら熱心に眺めているところでした。

「こんなふうに説明してもらうと、ホントによくわかるわね」
「こんなに高い山を列車がのぼるなんてね」
「先頭で車両を引っ張ってきた機関車が、
つぎには反対方向に押し上げてゆくんですよ」
などなど、みなさん子供のような好奇心をもって
窓にとりついて話していらっしゃる。

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列車は民屯山(ミンドゥンサン)駅へ到着。
そこからバスで画岩洞窟へ向かいます。
私も以前この一体の鍾乳洞の巨大洞窟は探検していましたが、
この画岩洞窟は初めて。
ここは金の鉱脈を発掘した採掘場と鍾乳洞とが一体になった場所。
入り口には「最後のお便所」という脅迫的な物々しい看板が!!

もう全員入りました!
ここで私たちにはとても面白い現象が・・・。^^

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実はヘラン号の車内ではトイレで使った落とし紙を
便器に捨ててはいけないというお約束があったのです。
水が潤沢に使えない車内では、紙を便器に流すのは禁物で、
そなえつけのくずかごに捨てることが決まりでした。
私たちはなかなかそういう習慣がなかったので、
これに慣れるまで四苦八苦。
ですが、
一度身に付いてしまうと今度はどこへ行ってもその癖がぬけないのです。

洞窟の入り口の「最後のお便所」はポットン式だったのですが、
ガイドさんに「ここは捨てても良いんでしょうか!?」と尋ねる人しきり。
私などソウルのホテルに帰っても、しばらくその癖が抜けませんでした。^^

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洞窟内は金鉱脈採掘現場の跡と鍾乳洞のおりなす不思議な空間。
地底散歩を堪能して外へでると、晴れ晴れとした青空。
地底と地上の極楽を一度に味わうような秋晴れの一日が始まりました。

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