愛する人を失くした日…

きっと僕は、うなだれて…
大声で泣きじゃくるだろう…


愛する人を失くした日…

泣き疲れた僕は気力無く…
抜け殻のように過ごすだろう…


ずっと…
そうなるものだと思っていた。

ソレが普通だと、
当たり前のように思っていた。



でも、現実に…
君を失くした日…

僕は不思議なほど冷静で…
嘆く声も出なかった。

淡いピンクの口紅と、
白い花に飾られて…
幸せそうに眠る君の頬に、
そっと触れた時…

僅かな涙は、こぼれたけれど…
気分は意外なほど穏やかで…

「おやすみ」と見送った…。


君の為に集まってくれた、
たくさんの人達に埋もれて…
無機質な空気に纏われた僕を…
君は冷たい人間だと思うのかな…?

君を失う寸前に…
縋りつくことも出来なかった僕を…

憎んでもいいよ…。


それで君が救われるのなら、
喜んで受け入れるから…



だけど、もし…
ただ一つ、君に伝えることが出来るなら…

ゴメンね…
ずっと騙していて…


君は、きっと気付いていたはずなのに…

最期まで微笑んでいてくれて、

有り難う……―――