メトロ  メトロで恋して

 お洒落なフレンチポップスを聴きながらのパリの光景が楽しい。オデオン広場、モンパルナス、エッフェル塔、セーヌ河岸・・・フランス映画初心者の人にお勧めなのがこの映画だ。

 32歳の売れない俳優アントワーヌは、パートナーのいない孤独な毎日を送っている。ある日、作家の卵クララとメトロで出会う。筆談で交わすエスプリあふれる会話、キュートな笑顔、アントワーヌはたちまちクララにひとめぼれする。それはクララも同じだった。

 デートを重ね、お互いを知れば知るほど惹かれあう二人は、ついに結婚を決意する。だが、ブライダルチェックの結果、クララがHIVに感染していることが判明する。クララを受け止めきれないアントワーヌに二人の仲は壊れ始める…。

 

 いくつになっても男は幼い。HIV感染を知り落ち込むクララに、具合を尋ねることもせず「僕にはこれ以上何もできない」とつげるアントワーヌ。自分の話しかしない、人の話を聞かない、人の状況を思いやれない、自分の意に添わないと拗ねる…欠点をあげはじめればきりがない。結局、彼が求めたのはクララでなく、美しく優しく、自分をすべて受け入れてくれる寛容な女性にすぎなかったということだ。これを愛と勘違いしたために、クララの現実を受け入れることができなかった。

 やがてクララへの真実の想いに気付くアントワーヌだが、その後の展開は観客に委ねられる。幼すぎた男が迎える結末は?


 現在パートナーのいる人は一度、考えてみてはどうだろう?自分が恋したのは、パートナーその人なのか、パートナーに属する類型なのか…物語の結末につながるはずだ。



2004仏

監督 アルノー・ヴィアール

出演 ジュリー・ガイエ

    ジュリアン・ポワスリエ

公式HP http://www.elephant-picture.jp/metro/