くろべえのパチンコ日記 -3ページ目

くろべえのパチンコ日記

元パチプロの「普通に」勝つ考え方をお教えします。
~ホントはたいした話じゃないんだけどね!

持ち玉になっても回転率を追いかける。

このことが大きな心理的プレッシャーになっていたが、やってみると「超」がつくほど簡単なことだった。


次に、大当り前の持ち玉数を把握し、大当り後の持ち玉数から差し引いて、出玉を把握する。

これは少し訓練が必要と感じたが、方法ややり方は極めてシンプルなものだったので、正確さは地元に帰ってからでも磨けばいいか、と意外にリラックスして受け止めることが出来た。


これらのことより、やはり立ちはだかるのは技術介入部分だった。

開放パターンが複雑で何種類もある太王四神記。

アラフォーの斉藤さんにはその開放に合わせられる気がしない。

リズムを指導担当のプロが教えてくれるが、焦るばかりでほとんどの玉がハネスカ。


「焦らずにここのタイミングに合わせてこのリズムで行けば大丈夫ですよ」

言われたとおりにやってみた。


最初のタイミング掴めたことで、最初の打ち出しは気持ちよくハネに入賞。

開放回数の多い機種なので、徐々にずれていくリズムで、最後の方はほとんど入らなくなった。


でも、取っかかりは掴めたような気がする。

つまり、さっきはリズムが遅かった。

だから少し速くすればいい。


やってみた。


が、思わぬ伏兵。

今度は小デジセグの確認を怠り、開放パターンがわからなくなってしまった。


・開放パターンの把握

・起点の打ち出し

・リズム


この3つが揃えば出来る。

これがわかったので、指導担当には、

「ちょっとしばらく一人でやらせて貰えますか?なんか掴めた気がしますので」

嬉しそうな指導担当。

自分から一回り以上も若いヤツが先生面をしている。

でも、集中し始めた斉藤さんにはそんなことは気にならなくなってきた。


気が付けば時間はRPが迎えに来る1時間前になっていた。

「あと、もう少し!」

斉藤さんはもう1回大当たりを掴みたい。

そうすれば、次の電サポでは絶対に行けるはず!


あと、残り20分もすればRPが迎えに来るころ、激熱保留が出現。

ファヌン出陣リーチから無事ヒット。


遂に、完成するかも知れない。


いままで、海専であることを嘯いてきたのは、出来ないことを周りのプロに見せたくない、というのが深層心理だったのが今になったらわかる。

だって、やってみれば、いつかは出来るようになる。

1日もあれば、人に教えてもらえば、すぐに出来るようになる。


ただ、やるだけ。

たったこれだけのことに何を躊躇していたのか?


斉藤さんがタイミングを計り打ち出した玉は見事に開放に合わせてハネに飛び込んでいく。

出迎えに到着していたRPが後ろに立って、きれいに決まる止め打ちを嬉しそうに見ているのも気が付かない。


ひたすら集中する斉藤さん。


「斉藤さん、この当たりが終了したら、戻りましょうね」

急に背後から話しかけられて、思わずビクッとする斉藤さんに笑顔のRP。


戻りの車の中。

これからもやっていく自信が沸いてきた自分に、どうにもこうにも興奮が止まらず、思わず多弁になる斉藤さんであった。


次回、最終回。

「斉藤さん、さようなら。」


(次回、最終回は31日、来週水曜日更新です)


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午前中のヒアリングが終わり、お好み焼きを食べに言った後、いよいよ理論講義に突入した。


お好み焼きは本場というには若干見かけ倒しだった。


斉藤さんがわからないことの中で特に大きなモノ。

それは、

「何がわかっていないのかがわからない」

というのがあった。


斉藤さんは講義が始まる前に思い切ってLuvaにそう聞いてみた。


すると、Luvaは

「ちょっと失礼な言い方になってしまったらホントすみません。でも斉藤さんはたぶんほとんど全部わかっておられないんだと思います。だから、最初から全てお教えします。」


こうあからさまにはっきり言われては、立つ瀬もないが、不思議と腹が立たなかった。

「ヒアリング」を通して正に自分がほとんどなんにもわかっていない、ということに気が付きつつあったからだ。


1.パチンコの期待値を把握し、

2.出来るだけ高い台を出来るだけ長い時間打ち、

3.同じ台でも出来るだけ高い期待値出るような打ち方をする。


たったこれだけのことだという。

でも斉藤さんにとって、


1.期待値の算出方法がわからない

2.その期待値を他の台と比較対照する知識と経験がない

3.止め打ちをしたことがないし、捻ったこともない


Luvaは言う。

「今回の合宿では理論を完全にマスターしてください。実践は取っかかりは必ず作りますので、帰ってから完成させてください」


理論講義は続く。

斉藤さんは最初はとまどいながらも、わからないところを質問するのも慣れてきた。


びっくりするほど簡単な理屈をいままで自分は知らずに打ってきたんだ、と後悔すると同時にコレだったらちゃんと理解出来るとも思えた。

不安でいっぱいだった心が晴れていった。


「なんだ、たったのこんなことか・・・」

と思える部分もあれば、

「それはちょっとそんなすぐには理解出来ないよ」

と何度も聞き直すところもあった。


そうこうするうちに、午後4時を回った。


Luvaが、

「ちょっと休憩しましょう。休憩後、理解度テストをやってみましょう」


「え、テスト???」

そんなの聞いてない。


「いえ、別にテストの点でどうとかありませんので、心配しないで受けてみてください。ただ単に理解度を確かめるだけです」


・・・


テストが終了し、いっしょに答え合わせをやりながら、不理解部分の解説をしていく。

正答率70%。

暗澹とする斉藤さんにLuvaがこう伝えた。


「全然悪くないですよ。別に斉藤さんの出来不出来を見るためだけにやっているんじゃなくて、わかっているところとわかっていないところをはっきりさせるためにやっているだけなので。」

「だから、いま、一緒に答え合わせをしているんですよ。これで、弱点の克服が出来ますから」


なんだか、昔やったような記憶がかすかにある受験勉強のようでもある。


そんなこんなで、モヤモヤするところもありながら、6時が過ぎ、長い長い講義が終了した。

Luvaが、このあと7時ぐらいからくろべえがメシに行こうってことなんで、もし良かったらどうですか?

と聞いてきた。

一人で見知らぬ街で過ごすより、一緒に食べる方が良いかと思い、斉藤さんは快諾するのだった。


翌朝。

今日は実地練習日。


初めて来る大阪のホール。

向かう先は太王四神記のシマ。


俺に打てるんだろうか?


(次回は明日更新です)


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かれこれ、20分以上も斉藤さんは喋りっぱなしになっていた。

これまでの状況、自分の状態、今自分が考える、なすべき事とは。

話し出すと、少し興奮してしまったのか、わき出るように言葉が出てくる。


朝起きて、前日の晩に買っておいた朝食を平らげ、簡単に身支度を済ませると合宿のスタートだった。

Luvaが言うには、この合宿では最初に「ヒアリング」なるものがあり、そこでは、合宿参加者の置かれている状況や今回合宿での目標設定などを行う。

いわゆるコンサルティングだ。


「斉藤さん、簡単に今の状況を教えて貰えませんか?あと、今回の合宿でマスターしたいことも合わせて教えてください」

Luvaがそう斉藤さんに言ったもんだから、今までの不安な気持ちなどを話し始めたわけだ。


自分はこんなにおしゃべりだったっけ?


思わぬ自分を発見し、少しびっくりする斉藤さんだった。

一挙に話し終わると、なんだか心なしか自分の体重が軽くなったような気がした。

もちろん物理的にそう言うことはあり得ないけど、それほど、今回の合宿に参加するに至るまでの悩みと決心は重い物だったに違いない。


斉藤さんの独白はこんな感じだ。


自分は海専で、33玉交換のマイホでいつも決まって沖海2を打っていただけだった。

それで去年は月平均25万は稼げて、前の仕事を辞めてからそんなに不安なくやってきた。

でも今年に入って、マイホが等価に交換率を変更すると、まるで勝てなくなった。

回転率に対する意識はあったが、持ち玉になったら計るのを止めていたし、というより、計りようがない。

それに回っているかどうかは感覚で結構わかった。

期待値なんて言葉では知っていたけど、本当の意味ではよくわからない。

勝てている内は期待値とか考えなくても回る海だけ打っていれば何とかなると思っていた。

勝てなくなると、もういったい何を何からやっていけばいいのか全くわからなくなり、ものすごく不安になった。

今回、ここに来て、そう言った理屈の部分をちゃんと理解して、あと技術もしっかり覚えたい。


斉藤さんの話はもっといろいろあったが、大筋こんなところだった。


「だいたい分かりました。」Luvaが言う。

「斉藤さんに必要なのは期待値算出の理屈と実践方法、あと、技術介入機での実践練習という感じですね。

でも、2泊3日だけではこれ全部はなかなか難しいです。

ですので、今日1日、みっちり理論をやって、明日は現場で回転率計測と出玉計測のやり方、技術指導、全部やっちゃわないと時間がありませんね。

だから、完全にマスターしようと思わず、方法だけしっかり学んで帰って、引き続き、それを自分で出来るようになって行く、という感じで進めましょうか」

Luvaが続ける。

「最近出たクロユリ団地がなかなか良いし、太王四神記との技術介入に共通点が多いので、このタイプをマスターすると立ち回りに幅が出来ると思います」


斉藤さんはウンともスンとも言わない。

と言うより言えない。


あまりにも習得することが多すぎる。

これまでのレベルの低い自分が恨めしい。


「・・・そんな感じで進めたいのですが、大丈夫ですか?」

Luvaが心配そうに重ねて尋ねた。

「・・・あ、はい、そうですね、お願いします」

辛うじてそう答えた斉藤さんだった。


正に稼げるプロと今の自分のレベルの差を突きつけられた気がした。

斉藤さんは不安で不安で仕方がないが、不安がっても仕方がないのもわかっていた。


そう、もうやるしかないのだ。

(次回は25日、来週木曜日更新です)


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