期待値至上主義のパチプロさん達にはびこる考え方で、「期待値さえ出ていればリスク管理など要らない」というのをよく耳にします。
具体的に言うなら、要するに、こういう問題です。
敢えて、「リスク管理」に焦点を合わせるため、換金ギャップの計算などを度外視できる等価環境での話に限定します。
A 期待値2500円の牙狼鋼(マックス)
B 期待値2000円の宇宙をかける少女(甘デジ)
どちらを打ちますか?
という問題です。
答えはシンプル。
Aに決まっています。
等価なので、換金ギャップを背負わない、つまり持ち玉遊戯への移行が優位な甘デジを打とうが、初当たりが遅く、初期現金投資を強いられやすいマックスを打とうが、そもそも持ち玉遊戯の優位性がない等価環境では関係がないからです。
でも、本当にそれだけでしょうか?
リスク管理
と一言言っても意味が分からないはずです。
ここでのリスク管理とは、要するにお金がなくなって、稼働が出来ない、酷い場合だと生活が出来なくなるリスクのことです。
あなたに100万円の稼働資金があるのなら、答えはAです。
でも、稼働資金10万円しかないのなら、どうでしょうか?
1日で全部失うことは稀でしょうけど、2日、3日連続で不ヅキに遭遇したなら、4日目以降稼働不能に陥ります。
稼働不能・・・つまり1銭も稼げない状況に陥り、稼働資金を貯めるため1ヶ月待つわけです。
あるいは、時給900円のアルバイトに精を出すわけです。
そういう稼働資金に余裕がない人は間違いなくBを打たざるを得ません。
そして稼働資金を積み上げ、多少ツキの下ぶれを経験しても生活に支障をきたさない状態になって(リスク許容量が大きくなって)初めて期待値に素直な稼働が出来るようになるんです。
これ、実は期待値計算が出来るようになって、稼ぎ方が分かってきた人たちが一番陥りやすい罠です。
もちろんひたすら期待値を追い求めて、マックスだろうが何だろうが打ちしのぎ、一度も経済的危機に遭遇したことがなく、すんなり稼働資金も太くなった人もいるでしょう。
そんな人にとって
「リスク管理?なんのこと?」
かも知れません。
けど、逆のパターン、つまりこれを怠って、稼働不能になった人も山ほど見てきました。
要するに、超極端な例を挙げるとこういうことです。
Q「こんなパチンコがあったとして、これをあなたは打ちますか?」
1回転単価(ベット)=あなたの全財産
大当たり確率 1/2
大当たり出玉=あなたの全財産×202%
これ、単回転収入はあなたの財産の1%。
つまり、100万円持っていたら1回転するたびに期待値は1万円。
10万円でも1000円。
1000万円持っていたら、10万円です!
私は絶対に打ちません。
ハズレ(1/2)を引いた時点で、私は無一文になって、もうパチンコで稼ぐことが出来なくなるからです。
でも、質問がもしこうだったら別です。
1回転単価(ベット)=10万円
大当たり確率 1/2
大当たり出玉=202,000円
・・・死ぬまで打ち続けます(笑)
要するに個人個人異なるリスク許容量の中で、それぞれがいかに高期待値を打つか、というのがパチンコなんですね。