大東亜戦争を前にした昭和15年10月31日
今宵かぎりで東京のダンスホールは閉鎖
外地に赴く男とその恋人が最後のダンスを踊るという哀しき歌
バロン吉元の人気漫画「昭和柔侠伝」に捧げられた曲

週刊漫画アクションに連載されていた
「昭和柔侠伝」に惚れ込んだ「あがた森魚」が
喫茶店で必死にバロン吉元に頼み込み
曲の了解を貰う
私の名は朝子です。
齢は十八、身長は百六十三センチです。
自分では綺麗な方だと想っています。
髪の毛は、今短いですが、ぢき長くなると想います。
お酒はまだあまりのめませんが、
ブルースとタンゴぐらいは踊れます。
今宵限りのダンスホール
あなたのリードでステップ踏めば
お別れするのに夜会服が
何とか明日もくうるくると
おいらめとろのつむぢ旋風
ソフトハットをなびかせて
シベリア・ケーキにお茶でも飲んで
ギンザのキネマに行きたいナァ
踊ろうか 踊りましょう
せめて 今宵かぎりでも
あなたなんだかおセンチね
もうすぐ外地へお出征しね
あたしも最後のパアマネント
この髪乱して踊りたい
踊ろうか 踊りましょう
せめて 今宵かぎりでも
今宵かぎりのダンスホール
扉閉ざせば あすしれぬ
今風立ちぬ いざ征かん
あすは 異邦のつむぢ旋風
踊ろうか 踊りましょう
どうせ 今宵かぎりぢゃない