気が付けば その両親の元に生まれていて、、

 

 

あれよあれよと成長してゆき

 

 

やがて立派な大人になって

 

なにがしかの仕事について働いて

 

毎日追われるように急かれて、、

 

ある日ある人と結婚して

やがて子供もできて

子供も成長して

 

生きて、、

 

そんな日々が毎日続いて

ある日気が付くと

頭が白く

 

顔は皺で

 

じぶんが老いていることに気づく

 

そして定年を迎えて

仕事人生も終わり

 

腑抜けのような使い切った自分がいる

 

そう

 

いまさらながら

 

自分もまた老いて去り行く運命だと知るのだった

 

両親はとうの昔に亡くなってるし

 

でもその頃自分はまだまだ若くて

実感はなかった

 

でもこうして定年を向けてみると改めて

自分の運命を知るのだった

 

一体自分の人生って何だったのだろうか?

 

今さらながら振り返ってみても

 

空空漠々

 

霧のかなたの出来事みたいだし

 

自分のこれまでって何だったんだろう?

 

訳もわからず働いて

 

食って

 

寝て

起きて

また働いて

 

結婚して

コドモができて

 

気が付けば

自分が老人になっていた

 

なんだったんだろう?

 

こういう自分の人生って

 

ごく普通の庶民の人生って

何だったんだろう

なんの意味があったんだろう

 

何の価値があったんだろう?

 

わからない

 

わたしには

 

わからない

 

別に私が存在しなくっても

 

世界は流れてゆくだろうし

 

そんな無価値な私の人生って何だったんだろう?

 

意味もない

価値のない

庶民のわたしの人生

 

わからない

 

わたしにはわからない

 

でも

そんな無価値に等しい私でも生かされているこの世界

 

それはそれなりの意味があるってことかな?

 

わからないけど私が生きてる意味ってあるんだろうな?

 

多分?

 

というか

 

命ってそのものだけで

生きてるだけで意味があるんだろうな

 

どんなちっぽけないのちでも

 

命ある限り生きること

それがすべての命の意味なんだろうな

 

そこに価値とか

意味とか

どうでもいいんだよな

 

命ある限りその命を生きること

 

それが命の唯一の命題なだろうな

 

今では

わたしはそうとしか思えないんだよな

 

だからわからないけど

命がある限りは

その命を生きること

 

それが

老耄の私ができる

 

命の答え合わせなんだろうな

 

 

ほら 見てごらん

 

はるか

かなたにきれいなお花畑が見えるだろ

 

ほら

 

あんなに花がきれいに咲いてるよ

 

あそこまでもう少し

 

だからさあ

この命を生きるんだよな。

 

そうだろ?

 

あの

きれいなお花畑目指してさあ。

 

それが命の命題だからさあ。

 

それが命の意味だからさあ

 

それが命の価値だからさあ

 

だから

 

 

明るい方へ

 

 

明るい方へ

 

はるかなお花畑を目指して

 

明るい方へ

 

命って

 

だから

 

不思議なんだよなあ

 

そんな不思議な命をいただいて

 

そう

だから

 

明るい方へ

 

明るい方へ