わたしが愛する和歌や俳句などをセレクトしてみました

 

お暇でしたらどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

人魂で 行く気散じや 夏野原    葛飾北斎



美しき馬鹿女房や虱捕り  鬼城

さびしさに耐えたる人もまたもあれな庵並べん冬の山里   西行


木の葉降る家は聞き分くことぞ無き時雨する夜も時雨せぬ夜も  詠み人知らず

鳥辺山谷に煙の燃え立たばはかなく見えしわれと知らなん、   詠み人知らず


ほろほろと鳴く山鳥の声聞けば父かとぞ思う母かとぞ思う   行基


見るうちに娘は嫁と花咲いてカカアとしぼんで婆と枯れぬ  道歌




岩鼻やここにも一人月の客  芭蕉

散る桜残る桜も散る桜   良寛


裏を見せ表を見せて散る紅葉  良寛

山鳩よ見れば周りに雪が降る   高屋窓秋


振り返り見れば一夜の限りして夢の八十路をたどり来しかな   道歌


花いばらここで土になろうよ。   山頭火


命無き砂の悲しさよ、さらさらと握れば指の間より落つ   啄木


願わくば花のしたにて春死なんその望月の如月のころ   西行


年たけてまた越ゆべしとおもいしや いのちなりけり小夜の中山   西行


ついに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思わざりしを  詠み人知らず


桜花散りかい曇れ老いらくの来んというらん道まがうがに  在原業平


敷島の大和心を人問えば朝日に匂う山桜花   本居宣長

 

 

  近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのに古思ほゆ    柿本人麻呂



露と置き露と消えにしわが身かな、浪速のことも夢のまた夢  秀吉辞世


紫のひともとゆえに武蔵野の花はみながら哀れとぞ思う   詠み人知らず


稲搗けばかがるわが手を今宵もか殿のわくごが取りて嘆かん。  万葉集


山里は松の聲のみ聞きなれて 風吹かぬ日はさびしかりけり  蓮月尼

白鳥は悲しからずや海の青そらの青にも染まず漂う    牧水


野ざらしを心に風の染む身かな   芭蕉


蛍かご暗ければ揺り燃えたたす   多佳子


さつきまつ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする  詠み人知らず


釣鐘に止まりて眠る胡蝶かな   蕪村


これがまあ終いの棲家か雪五尺   一茶


あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る  万葉集


寂しさにまた銅鑼打つや鹿火屋守    原 石鼎


いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣をかへしてぞ着る  小野小町


思いつつ寝ればや人のみえつらん夢と知りせばさめざらましを  小野小町


かにかくに祇園は恋し寝るときも枕のしたを水のながるる    吉井勇


風さそう花よりもなお我はまた春の名残をいかにとやせん   浅野長矩


この世をばどりゃお暇の線香の煙とともにハイさようなら   十辺者一九


奥山に紅葉ふみわけなく鹿のこゑきく時ぞ秋はかなしき  猿丸大夫


山路来てなにやらゆかし菫草    芭蕉


行く春を近江の人と惜しみけり   芭蕉


この秋はなんで年よる雲に鳥    芭蕉


もののふの 猛き心に くらぶれば 数にも入らぬ 我が身ながらも  中野竹子  二二歳  辞世


六でなき四五(しご)とも今はあきはてて先だつ妻に逢うぞ嬉しき 清水次郎長  辞世


からごろも 着つつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ  伊勢物語


人の行く 裏に道あり 花の山 いずれを行くも 散らぬ間に行け  道歌


ちちははに呼ばれて仮に客に来て心残さず帰るふるさと    道歌


唐衣 裾に取りつき 泣く子らを 置きてそ来ぬや 母なしにして   防人の歌


あらたしき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと)    大伴の家持


海ゆかば水漬く屍、山行けば草蒸す屍  大君の辺にこそしなめかえりみはせじ  万葉集


玉の緒よ絶えなば絶えよ、長らえば忍ぶることのよわりもぞする    古今集