中村天風は、消極的な考えを徹底的に排除します。
病気不安は、消極の典型だと思います。
「もしかしたら病気ではないか。」
「この症状は危険ではないか。」
「治らなかったらどうしよう。」
そんな不安や心配を、一日に何度も、毎日何度も繰り返してしまいます。
それは毎日、自分自身に消極的な暗示を与え続けている状態とも言えるのではないでしょうか。
本来、不安という感情は、生命を守るために備わった機能だと言われています。
危険を察知したら確認し、必要なら対策を取る。
そして再び目の前の生活へ戻る。
本来の役割は、それだけです。
だけど危険かどうかも分からない段階で、何時間も、何日も、何か月も心配し続ける。
それは生命を守る働きではなく、自分自身の心を疲れさせ、神経を過敏にし、生活を奪ってしまう状態になっている可能性があります。
だからといって、不安をなくそうとしても、すぐにはなくなりません。
癖づけされた、
心に恐怖がパッと浮かぶことは、止めることは難しい。
本当に無くさなきゃならないのは、その次です。
病気不安の人は、症状が出た瞬間に、無意識のうちにこんな意味づけをしているのではないでしょうか?
「何か重大な病気ではないか。」
「ガンかもしれない。」
「私の身体はおかしい。」
「一生治らないのではないか。」
でもその意味づけは、本当に事実でしょうか。
答えは、「まだ分からない」です。
重大な病気かもしれない。
しかし、何でもない可能性もあります。
神経のイタズラかもしれない。
現時点では、どちらとも断定できません。
それにもかかわらず、最悪の結論に振り回されて苦しむ。
これが、不安や恐怖を何倍にも増幅させる原因の一つだと思います。
もし結果的に何でもなければ、
その苦しみは
想像の中だけで味わった余分な苦しみになります。
もし病気だったとしても、そのときから診察を受け、治療し、できる対策を始めればいい。
診断がつく前から、何日も何週間も苦しみ続けることが、問題の解決を早めるわけではありません。
だから最初に向き合うべきなのは、
症状そのものではなく、自分が症状に与えている「意味づけ」です。
意味づけが妄想を作り出し、不安や心配を増やし、
心を苦しめているからです。
その対策は
気づくこと。
「あ、今また消極的な意味づけをしている。」
その事実に気づくことです。
なぜ気づくと効果的なのか?
そもそも症状そのものには、最初から「良い」「悪い」という意味はありません。
ただ身体に起きている一つの現象です。
その現象に、
「危険だ。」
「終わりだ。」
「ガンに違いない。」
という意味を与え、消極になっているのは自分です。
気づく事で、あるがままの状態を受け入れ、不必要な消極観念から守っていけます。
病気不安は言わば映画を観てる様なものです。
映画の内容はあなたが想像する最悪の未来です。
あなたは客席から見ているだけなのに、
映画にのめり込んで
映画の中のあなたが苦しむ時に同じ様に苦しみます。
でも、もし、
これは観てるだけで実際は映画の中にいないんだと気づいた途端、
緊張は解かれます。
これはただの映画なんだと気づくだけで緊張は解かれる。
だから最悪の意味づけも、
自分が作り出した映画なんだと気づいてほしい。
気づくだけで飲み込まれにくくなる。
この構造に気づくことが、病気不安から抜け出すための、大きな一歩になると思います。
人は自分の意味づけした世界で生きています。
雨が降って嫌だなと思うのも意味づけです。
嫌な雨などなく、自然現象として雨が降る様になっているだけです。それに気づいたら、余計な消極的な事は考えず、
やる事は傘を準備したり、タオルを用意したり、必要な目の前の事をして、生活を楽しむ。
心配したところで治るわけじゃない。
いかに意味づけが消極的か気づき続ける。
この繰り返しが客観的に自分を見れる自分を作ります。