ファーストガンダムでは、地球のユーラシア大陸の大半をマクベ麾下のジオンの地上軍の中でも最大の戦力が支配している。塩沢兼人の声がまさにピッタリなこの智将はキシリア・ザビの直属軍である。ジ・オリジンでは良いところなしのキシリアだが、初期の設定では、自らの軍を率いて月面を攻略し、対地球戦においても中心的な役割を果たしたと思われるところから、かなりの智将と言えるのではないだろうか。作戦そのものはIQ200のギレンが立てたにしても、現場での指揮や攻略法などは、キシリア麾下のマクベに任されていた、と考えるのが一番妥当だろう。

そのキシリアとマクベに男女のび太関係があったとしても、何ら不思議はあるまい。考えてもみて欲しい。キシリアの支配下には月とそこから38万キロ離れた地球にまで及ぶ。あれほどの猛将ぶりを見せたドズル・ザビよりも遥かに広大で戦略上重要な位置にキシリアは置かれているのである。

さて、マクベは貧困層の多いジオン軍の中では異色の将官である。どこか中性的で、古風な空気を纏っている。しかもやり手である。地球を抑えながら、大量の鉱物資源・エネルギー資源を月やジオン本国へと送っているのだから。

さてTVシリーズには月面から降りてきたキシリアがマクベとアッザム・リーダーと言うメカに乗り込んでガンダムと戦うお話がある。

キシリアとマクベ。上官と部下と言うだけの仲なのだろうか。

マクベと言う人物を語る時に、北宋の壺、と言うアイテムを忘れてはいけないと思う。白い、花を活ける壺、高貴で美しい鞘を受け入れる壺❢

劇場版ガンダムIIIの作画をするにあたって、キシリア出演シーンを割り当てられたアニメーターは、少しキシリアを描いてくれ、と富野由悠季監督から言われたそうである。そう、キシリアはお腹に子供がいるのだ。ならばその父親は?マクベとは考えられないだろうか。TVシリーズでのマクベは散り際に、あの壺をキシリア様に、といい残して散る。あれはキシリアのお腹の中の子供のことだった、と富野演出に散々引っ張り回されてきたボクなどは思ってしまう。

案外、ラストのシャアのセリフ「ガルマ、私の手向けだ…………」のセリフも、キシリアとお腹の中の子供(ガルマの生まれ変わり)へ向けたものだったのかも

富野由悠季、恐るべし。