「あなたに会えてよかった。
 あなたには希望の匂いがする。」

とは、阿久悠さん作詞の「あの鐘をならすのはあなた」。

1972年。高度成長期をへて世の中は便利で豊かになった。けれど、日本人のもつ人情や思いやり、謙虚さが失われていくのでは、、と阿久さんは危惧していたという。この当時すでに。
そんな社会へのアンチテーゼとして作られた曲。

凄い人だと思いながら、我が子を抱いてこの歌を口ずさんでみると、また違った感慨が押し寄せてくる。
胸元にいる小さな小さな息子から、まさに「希望の匂い」がするから。


「あなたに逢えてよかった
 あなたには 希望の匂いがする
 つまずいて 傷ついて 泣き叫んでも
 さわやかな 希望の匂いがする

 町は今 眠りの中
 あの鐘を 鳴らすのは あなた」


 
息子よ、、、大きく羽ばたいてくれ!
としみじみ思う母でした。




しかし、、、
NHKと日本テレビでたてつづけに阿久悠さん追悼番組が放送されたが、その才能、、、というか、自由な発想と遊び心、社会性に驚いた。
ヒット曲の裏には、その時代への様々なメッセージが隠されていた。

「個人の情感を描きながら、社会へのメッセージとなる詞は書けないものか」
「詞を書くとき、常識にとらわれず、まずは冒険して遊んでみる。」

阿久悠さんの作詞づくりには、テレビ番組を作ることにも通じるのもが。。。いろいろ考えさせられました。

山本リンダの「ウララ、ウララ ウラウラで~」
ピンクレディーのUFO、ベッパー警部、、、などなど
確かに常識から逸脱してるけど、今聞いても新しくて面白い。

「さよならあなた 私は帰ります」
津軽海峡冬景色では、演歌で珍しい、女性から別れを告げる詞を書き、
自立する女性像を描いた。

「目立たぬように はしゃがぬように、、、
人の心を見つめつづける 時代おくれの 男になりたい」
河島英五「時代おくれ」のようなメッセージ性。

生涯作詞した数、5000曲以上。
歌謡曲から、「ピンポンパン」「ウルトラの父がいる♪」などなど
子供時代に聞いて歌った曲の大半は阿久悠さん作詞。

ちなみに
我が子の名前には「悠」という文字が入っている。

息子よ、、、大きく羽ばたくのだ!