A 42 1 このへやへかくれろ。
A 42 1 あっ。
A 42 1 あっ。
     
A 42 2   きみはゴリラにさらわれてきたんだね。
C 31 2 きみは、ゴリラにさらわれてきたんだね。
     
A 42 3   き、きみたち……。
C 31 3 き、きみたち………。
     
A 42 4 足で、あるいてる。
A 42 4 ずいぶんあたりまえのことにおどろく人だね。
     
A 42 5 だんな、どこにもいませんぜ。
A 42 5 まさか、たまおのへやに…。
A 42 5 行ってみよう。
     
A 43 1   ぼっちゃんのへやへ
C 32 1 ぼっちゃんのへやへ、
A 43 1   あるいてっちゃいけません
C 32 1 あるいてっちゃいけません。
A 43 1 おっと、そうだった。
     
A 43 2 たまおや。
A 43 2 ゴロ ゴロ
     
A 43 3   なにかかわったことはないかい。
C 32 3 何かかわったことはないかい。
     
A 43 4 おじいちゃん、ぼくも足であるきたい。
A 43 4 えっ、またむりなことをいう。
     
A 43 5 いつもいってるだろ。
A 43 5   人間は、あるけないのがあたりまえなのだ。
C 32 5 人げんは、あるけないのがあたりまえなのだ。
     
A 43 6 だから、ほら。
A 43 6 くるまにのってるだろ。
     
A 43 7 くるまでもいいから、そとへ出てみたい。
A 43 7 そとへ、
A 43 7   いかんいかん。
C 32 7 いかん、いかん。
     
A 44 1   そとなんかつまらん。
C 33 1 そとなんか、つまらん。
A 44 1   それにこわーいおばけがいっぱいいるぞ。
C 33 1 それに、こわあいおばけが、いっぱいいるぞ。
     
A 44 2 うそつき。
     
A 44 3 だまされちゃいけない。
A 44 3   そとは、おもしろいよー。
C 33 3 そとは、おもしろいよう。
A 44 3   つかまえろっ。
C 33 3 つかまえろっ!!
A 44 3 ガー
     
A 44 4 まてえ。
     
A 44 5 キャッ。
     
A 44 6 ドラえもん。
A 44 6 ひとりでにげるなんてずるいや。
     
A 45 1   えっ、あの子病気なの。
C 34 1 えっ、あの子びょう気なの。
     
A 45 2 生まれた時からだ。
A 45 2   一生あるけないんだ。
C 34 2 一生、あるけないんだ。
A 45 2   お医者さんにもなおせないの。
C 34 2 おいしゃさんにもなおせないの。
     
A 45 3   あの子にかなしい思いをさせたくなかった。
C 34 3 あの子に、かなしい思いをさせたくなかった。
A 45 3   じぶんだけが人とちがっていることを、
C 34 3 じぶんだけが、人とちがっていることを、
A 45 3 しらせたくなかったんだ。
A 45 3   だから、そとに出さなかったんだよ。
C 34 3 だから、そとにださなかったんだよ。
A 45 3   そうだったの…。
C 34 3 そうだったの……。
     
A 45 4 ごめんなさい。
A 45 4   もう二どと近よらないでくれ。
C 34 4 もう、二どとちかよらないでくれ。
     
A 45 5 コトン コトン コトン
     
A 45 6 コトン コトン 
A 45 6   おーい。また、よその子がはいりこんでるぞ。
C 34 6 おおい。また、よその子がはいりこんでるぞ。
     
A 45 7 ぼくだよ、おじいちゃん。
     
A 46 1 たまお。
     
A 46 2 ど、どうしてあるけるようになった。
A 46 2 ぼくにもわからないの。
A 46 2 きみか。
     
A 46 3   ぼくらの時代の科学では、
C 35 3 ぼくらの時だいのか学では、
A 46 3   なおせない病気なんかないんだ。
C 35 3 なおせないびょう気なんかないんだ。
     
A 46 4 ぼく、もうおもてへ出てもいいでしょ。
A 46 4 いいとも、いいとも、
A 46 4 みんなといっしょにあそんでおいで。
     
A 46 5 気をつけてな。
A 46 5 ぼくらがまもってあげます。
     
A 46 6 おもてをあるく時は、
A 46 6 うっかりしてるとあぶないよ。
     
A 46 7 ドブン
A 46 7 ステン
A 46 7 ほらね。