SF(少し不思議)

 藤子先生は『藤子・F・不二雄の異説クラブ』(小学館、1989121日初版第1刷発行)という書物の中で、自らの作品を「S(すこし)F(不思議)」であると語っている。この書物は第一章「地球空洞説」、第二章「地底空洞説」、第三章「失われた大陸研究」、第四章「ET大研究」、第五章「幻の動物論」、第六章「幽霊現象大研究」、第七章「超能力大研究」で構成されている。さらに、『藤子・F・不二雄の異説クラブ2』(小学館、1991110日初版第1刷発行)は、第一章「恐竜の謎を探る」、第二章「恐竜の謎を探る」、第三章「日本人のルーツを探る」、第四章「滅びと進化」、第五章「滅びと進化」、第六章「終末論を論ず」といった話題を論じている。

 

 ドラえもんマンガの短編や大長編では、こうした「S(すこし)F(不思議)」といった話題を縦横に取り上げている。SF(すこし不思議)といった大項目では、こうした話題に焦点を絞って編集している。

 

ア行で始まるSF(少し不思議)(その1

亜空間[]

 時空乱流に巻き込まれると、永久に「亜空間」を漂うことになる。しかし、運がよい場合には、どこかに出口が開くこともある。

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亜空間破壊装置[]

 ギガゾンビは「亜空間破壊装置」を完成させて、地の底深くに築いた秘密基地に、タイムパトロールなどが自由に立ち入ることができないような計画を目論んでいる。

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圧縮空間[]

 天の川鉄道は車両に「圧縮空間」を採用しているため、一両の中に五つの個室やミーティングルームや浴室をも完備している。のび太は「ヒャア…、広いんだな…」と歓声を挙げている。

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圧縮タイム[]

 メルヘンの星では、白雪姫のコースが一番人気である。そのため、「圧縮タイム」によって、一日十二回の公演が実施されている。

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アトランチス[★★★]

 スネ夫は地球の底の底に相当する海底を散歩しながら、ジャイアンに「古代都市の遺跡」でもあればいいと話しかけている。さらに、「もしさ、アトランチスとかレムリアとかムー大陸とか発見したら、大評判になるよ」といった夢を語っている。                                                                       

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アトランチス[★★★]

 大西洋にあった「アトランチス」は太平洋にあったムーを「降伏しなければ太平洋を鬼角弾で焼き尽くす」と脅迫したが、鬼角弾の核実験に失敗して国中に放射能が広がって自滅してしまった。

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アトランチス大陸[★★★]

 ドラえもんたちはひみつ道具の『深海潜水艇』を学校の裏山に運び、乗り込んでひみつ道具の『幻視フィルター』越しに窓をのぞいて見た。すると、「大むかし、海にしずんだというアトランチス大陸」のような光景が目の前に現れた。

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アローネの花[★★]

 ジャイアンとスネ夫が負傷したので、満月博士は娘の美夜子に「アローネの花」から作り出した傷にとてもよく効く薬を手渡した。

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安全性居住性低念費[★★]

 魔法世界のテレビでは、空とぶじゅうたんタイプの「目産ニューモデル スカイラインFC」のコマーシャルが流れていた。そのコマーシャルで「高速性能に加えて安全性居住性低念費」を積極的にPRしていた。

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「低念費」は「低燃費」のパロディ版である。