のび太のねじ巻き都市冒険記Ⅱの1[★★★]

[初出誌] 『のび太のねじ巻き都市冒険記』、「月刊コロコロコミック」199610月号、25頁、163コマ

[単行本]  『のび太のねじ巻き都市冒険記』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.171997925日 初版第1刷発行、25頁、163コマ

[大全集] 『のび太のねじ巻き都市冒険記』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 62012530日 初版第1刷発行、25頁、163コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「ウホホ!!」が「ホーホーホー」に変更[421(5)]

 「キ、キーッ」が「ウホホ!!」に変更[421(6)]

 

[梗概] 鬼五郎は「おまえらみんなタマゴから生まれたって? そうか! あれはコピーを作る鏡だったのか」と気づいた。「仲間がふえたのは心強い。この星はな、すんでるのが子どもばかりという、ふしぎな星なんだ。みんなで力をあわせてのっとろうじゃないか」と一家全員に檄を飛ばしていた。

 

 ジャイアンが「おいらがうたえばよ~。町に幸せやってくる。しょくん、おっ早よう~!!」 と「どこでもドア」から出ると、ぬいぐるみたちは「なんだまだ寝てるの。しょうがないああ」という状態であった。

 

 しずちゃんはミニ雨雲でスピードフラワーを育て、のび太はハイウェイを並木道にし、ドラえもんはハイパワーの太陽電池を工夫していた。ジャイアンは衛星写真をもとに、黄金の沈んでいる火口湖までの地図を作った。

 

 スネ夫はブリキの船を作ったので、川をくだって海水浴に行くことを提案した。宝は逃げていかないので、海水浴に行くことになったが、その時、地図を落としていった。「ビッグライト」で船を「ピカ ムク ムク」と大きくして、ねじ巻き丸で出航した。

 

 鬼五郎が部下の拾った地図を見ると、大金塊と書かれてあった。「湖の底に!? 10トンの黄金が!? 取りにいこう!!」となった。ここから東南東へ一直線で、歩いて五、六日の距離であった。一週間分の食べものを用意し、消防署からかっぱらった折りたたみハシゴを子分のホクロにもたして、長い旅に出発することになった。

 

 海水浴で、のび太は泳げなかったので、ビニールの浮き袋であるクジラをビッグライトで大きくし、その背中に乗って楽しく遊ぶことができた。町に帰ると、プピーが市長選に立候補して立会演説をしていた。ドラえもんたちは「選挙ごっこだよ。人間のまねしちゃってかわいいね」とながめていた。

 

 ホクロが重い荷物を担いで「ヒ~ ヒ~ ヒ~ ヒ~」運んでいると、突然、「ギャース!!」の鳴き声に驚いて荷物を下ろすと、ぬいぐるみのオウムの声であった。みんなはぬいぐるみのたくさんいる森を不思議がっていた。

 

 しずちゃんのぬいぐるみのサルが「ホッ ホッ ホホ!?」と鳴きながらエッグハウスにやってきた。エッグハウスの中にあった「生命のねじ」を持ち出し、「どこでもドア」からのび太の部屋を通って、町に出掛けた。ケンタッキーHome  Kitchenのザンダースおじさんに「生命のねじ」で「キーコ キーコ」とねじを巻いたので、「コトン カタン カ タコト」と町を歩き出した。

 

 学校の理科室のガイコツにねじを巻いたので、同じように町を歩き出した。テレビでは、「ガイコツやザンダースおじさんが歩いていたと交番にかけこむ人が…」といったニュースが流れ、「そんなばかな!!」とのび太は笑い飛ばしていた。

 

 ひどい嵐がやみ、どこかへ雷が落ちたと噂していた。エッグハウスの方でガヤガヤ騒いでるので行ってみると、「さっきの落雷で新しいなかまが生まれました。レオナルド・ダ・ヒンチです。アインモタインです。よろしく」と自己紹介された。

 

 二日たつと、アインモタインは大きな風船をあげてオゾン層の調査と空気の汚染度を調べていた。レオナルド・ダ・ヒンチには、コンサートホールや図書館の設計が殺到していた。

 

 鬼五郎一家は星の中心までとどくかと思う大亀裂の場所にやってきた。折りたたみのハシゴを「カチャ カチャ カチャ」とセットして、その割れ目にこのハシゴを架けて、全員渡ることができた。

 

 「ここまでくればあしたは黄金の火口湖だ。みんな、ゆっくり休め」と指示を出した。ホクロが「寝る前におしっこ!」と出掛けると、目の前に巨大な怪獣が出てきたので、「ギャアアアア…」と絶叫していた。

 

スネ夫とジャイアンは市議会から呼び出し状をもらっていた。「スネ夫氏のガソリン車がまきちらす二酸化炭素などが、空気を汚染しているのです。ぜひ、ソーラー・バッテリーに切りかえてください」と勧告された。

 

 ジャイアンは「おれの開発車が環境破壊だというけど、きみこそこんなビルをつぎつぎに建ててるじゃないか。ダ・ウンチくん」と反論した。「ダ・ヒンチです。ぼくらのビルはいいんです。アイモンタン博士の発明した新しい材料を使ってるから。土から作ったセラミックです。粘土細工よりかんたんに作れて、乾けば鉄よりじょうぶ。しかも軽い!!」と回答した。

 

ジャイアンは「わかったよ! 工事会社やめます!」、スネ夫は「ドラえもんの太陽電池買うよ」、ドラえもんは「十枚で一円。おもちゃのお金でいいよ」と告げると、市議会のみんなから「パチ パチ パチ」と拍手されることになった。