のび太と銀河超特急Ⅳの1[★★]

[初出誌] 『のび太と銀河超特急』、「月刊コロコロコミック」199512月号、24頁、148コマ

[単行本]  『のび太と銀河超特急』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.161995925日 初版第1刷発行、24頁、148コマ

[大全集] 『のび太と銀河超特急』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 62012530日 初版第1刷発行、24頁、148コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

 [梗概] OK KORRALOK牧場)で馬を借りたが、のび太もドラえもんも馬が苦手であったので、この牧場でいちばんおとなしい馬に「カッポラ カッポラ カッポラ」と乗って、強盗団を追い掛けることにした。強盗団の根じろは西の方のデス・バレーという谷間であった。

 

 先発のひとりの保安官助手は六人の腕利きの強盗団にやられ、フワフワと空中に浮かんでいたが、一時間たてばひとりでに、おりられるということであった。ドラえもんとのび太は「ドンブラ粉」を体にふりかけて、地面にもぐり、二手に分かれて、強盗団に近づくことにした。

 

 ドラえもんが地面をもぐっていたら、目の前をネズミが「チョロ」と横切ったので、「ギャー 野ネズミ!!」と絶叫して、失神してしまった。

 

  強盗団が「へえ、タヌキ型ロボットとはめずらしい。なまいきにバッジをつけてやがる。ほかに仲間がいるか白状させよう」と脅したので、のび太は地上に現れて、「ぼくが相手だ!!」叫んで、アッという間に六人強盗を撃ち倒してしまった。

 

 「ノビ・ノビータ氏をわが町の正保安官に任命します!!」と宣告されたので、「よーよー拳銃王ノビータ! 町の平和のために」と絶大な歓迎を受けた。のび太は「この、かっこいい姿をしずちゃんにみせたいなあ。早くくればいいのに」とご満悦であった。

 

 忍者の星へ行ったジャイアンとスネ夫は高い崖をロープで懸命に登っていた。スネ夫が「こんなのむりだよ~」と泣きつくと、ジャイアンが「うるせえ!! グズグズいってるとおっこちるぞ!」と注意したとたん、ロープから手を離したため、スネ夫と一緒に落下した。

 

 師匠の「忍法空中停止!!」で、かろうじて空中で「ピタ」と止まることができた。師匠が「まだまだ修業が足りぬ! 忍者という字はしのぶ者と書く! あらゆる苦しみにたえてたえてたえぬいてこそ…」と説教すると、ジャイアンとスネ夫は「やめさせてもらいます!!」となった。

 

「マキビシ」はふところに入れて走ると重いし痛いし、ころぶと大けが、「水グモ」はすぐひっくりかえるし、しずんじゃう、「目つぶし」をまけば、風向きしだいでこっちがむせちゃう、と不満をぶちまけ、「おれたちは空を飛んだり姿消したり、そんなふしぎな術を修業したかったんだよ!!」と二人は強く訴えていた。

 

 師匠は「近ごろの若い者は根性が…。だからこの星は人気がないのじゃ。しかたない仮免許をさずける」と伝え、「服部ジャイゾウ霧隠スネゾウ。右の者、忍者修業の成績優秀につき伊賀忍法「ミニ虎の巻」をさずける」、ミニ虎の巻には、念波入力のコンピュータが内蔵され、口にくわえて心に思うだけで、忍法カベ抜けの術、バッタの術、ネズミ変身の術が使えるというものであった。

 

 師匠から実地試験に受かれば本免許を授けると言われたので、お城に忍び込んで書類を奪ってくる試験にチャレンジした。忍法バッタの術を使って、番兵がいたが簡単に城内に忍び込むことができた。秘密書類をさがしていると、たくさんのお侍さんに「曲者!! ドカ ドカ ドタ ドタ」と追い掛けられた。

 

 しかし、ネズミ変身の術で切り抜け、密書の間にある書類を手に入れると、「ガチャン」と降りてきた金網のオリにとじ込められてしまった。そして、「ワハハハ、新米忍者め! まんまとワナにかかったな、城へ忍びこむなど、十年早いワイ」と軽蔑されてしまった。

 

 ジェーンがジャンケンに勝ったので、アストンたちは「メルヘンの星」へ渋々行くことになった。きれいなオーロラや虹、渡り鳥は天馬の群れであった。

 

 メルヘンの星では、あなたが童話の主人公になりきって夢の体験ができる所であり、コースは一千一種あり、ジェーンの希望する「白雪姫コースは一番人気があって順番待ちがたいへんであった。圧縮タイムで一日十二回開演し、ジェーンたちはあと三回待たなければいけなかった。

 

 退屈であったので、前の組の白雪姫を見学することになった。七人の小人の家は姫の葬式に出て、今はだれもいなかった。お葬式では、ガラスの棺が七つもあり、希望者が多すぎて一回につき白雪姫七人の同時進行であった。王子さまがやってきたが、白雪姫が七人もいるのでとても困っていた。

 

 かわいい子(しずちゃん)がいたので声をかけると、「王子さま!!」となり、「姫! ぼくのお城へきていただけますか?」と誘うと、他の白雪姫が「ちょっと!! わたしもずっとまってたのよ!! あたしだって!! ひとりじめされちゃ、立ち場ないわよ。どーしてくれるのよ!」と騒然となり、「姫! 逃げよう!!」、「逃がすもんかい。くやしいー!!」となってしまった。

 

 ジェーンも白雪姫になる気持も薄れ、アストンたちの希望する「恐竜の星」ヘ行くことになった。車に乗っているアストンたちを見て、「あれがこの銀河を支配している知的生命体だな、ニンゲンというらしい。あの中の一匹にとりついてやろう」と円盤で接近してアストンを「ピッ」と攻撃した。

 

 すると、突然、「ガハハハ おれの体だ!! ひさしぶりに新しいからだが手に入ったぞ」とアストンが叫ぶと、車を加速し、急ハンドルを取って、「ギューン」とぶっ飛ばし、ドンとジェーンを小さな星に「ボカッ」と蹴り出した。

 

 「ワハハハ ウハハハハ ガハハハ ダハハハ 緊急連絡総司令部へこちら008号、ニンゲン一匹の体のっとり成功した。なお、小惑星群一帯には、人間数百人もウヨウヨしてる。新たな指令を待つ」とアストンは急変していた。

 

  「こちら総司令部、008号よくやった! ただちに第二次工作隊を送る。かれらもひとり一匹ずつニンゲンにとりつかせるのだ。ニンゲンになりすましてそれぞれの秘密指令を実行せよ。準備がととのえば総攻撃にうつる! 銀河全体をのっとるのだ!!」との指令を出した。

 

 明日は恐竜の星に行くことになった。しずちゃんの「こわいこわい、巨大な肉食恐竜が襲ってくるんでしょう」に対して、のび太は「どんなにこわくてもレジャー・ランドの中で作られた安全な冒険だからね。ぼくなんかもっともっとおっかない本物の冒険がしたいな! なんて、思ってるんだよアッハッハ…」とごきげんであった。