のび太の創世日記Ⅲの1[★★★]

[初出誌] 『のび太の創生日記』、「月刊コロコロコミック」199411月号、24頁、145コマ

[単行本]  『のび太の創生日記』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.151995925日 初版第1刷発行、24頁、145コマ

[大全集] 『のび太の創生日記』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 62012530日 初版第1刷発行、24頁、145コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] 目の前に本物みたいな地球が現れたので、急ぐと、地球では「ゴオ」と猛吹雪が荒れ狂い、氷河時代であることが判明した。やっと森が見え、その上、たき火の煙が見えたので近づいてみると、三人の男の子が言い争っていた。

 

 「ほん訳コンニャク」で聞くと、[子どもだけでマンモス狩りにでかけるなんてむちゃだ!! おまえがひとりで十頭しとめたなんて大ボラふくからだ! ぼくたちぶじに村へかえられるかしら…。ノンビ、おまえがモタモタしてるから、日がくれて道にまよちゃったんだぞ!! そうだ、おまえのせいだ!! 責任をとれ!!」と諍いが続いた。

 

 「ウオ~オ~オ…」とオオカミらしいうなり声が聞こえてきた。「じいさんがいってたぞ。北の雪山にはおっそろしい怪物がいて、時どき南の人間を食べにやってくるって…。火をどんどんもやそう。まきをかきあつめろ! いそいで!!」となったので、神さまののび太はドラえもんにひみつ道具『木材磁石』を出してもらって、オオカミもトラも近寄れない、「ゴオ」と燃えるたき火にしている。

 

 次の朝、三人の男の子は道に迷ったので、ひみつ道具『伝書バット』を取り出し、ジャンケンの結果、のび太が勝ったので、「神さまの雲」に乗って、ノンビに「伝書バットをさずける家まで案内してくれるぞよ。神さまは良い子のみかただぞよ」と言って手渡している。森を通り抜けると、みんなの村が近づいてきた。

 

 マンモスの子がいたので、あいつをおみやげに持って帰ろうとしていたら、「パオオ~ン」と親が出てきて、三人の子どもたちを「ドドッ ドドッ ドドッ」と追い掛けだした。ドラえもんがひみつ道具『おとりロボット』を「ポイ ポイ」と出すと、「ワッショイ!! ワッショイ!!」とはしゃいで、マンモスをひきつけて誘導してくれた。

 

 男の子たちは村が見えてきたので、かけ足で帰ると家族のみんなが出迎えてくれた。ノンビが「もうだめかとおもった時、空からカミサマがおりてきて…」とみんなに報告している姿を見て、のび太神さまは「これからもみんなを守ってあげるからね、さらば、さらば」といって別れた。

 

 みんなで観察日記を書き、りっぱな自由研究になるといって別れた。ジャイアンがドカンのある広場で安雄とはる夫に会ったので、「よお! おまえら自由研究やったか?……。これはまだ秘密だが…、おれたち世界を作ってるんだ。どうだ、おどろいたか。ガハハハ」と笑いながら別れた。

 

 木の上ではカマキリが「聞イタカ! アイツガ創世せっとヲ? モット良クタシカメヨウ。現在ドノ程度マデ発展シテイルカ。行動ニウツルノハソレカラダ」と言いながら、口笛を吹いてごきげんなジャイアンを監視続けた。

 

 ジャイアンもスネ夫もこなかったが、ドラえもんが新世界地図を作ったので、しずちゃんといっしょにあれから二万年たっている世界に出掛けることになった。少し気温は低かったけれども、大きな村もできあがり、石器時代とは比べものにならない世界になっていた。

 

 大きな家から「オ~オオ~ ウォワェ~ オ~ エ~エ」と気味の悪い声が聞こえたので、近づくと、「怪しい者が神殿をうかがっているぞ!!」の声とともに、矢が「ヒュッ ヒュッ」と飛んできた。

 

 遠くはなれて、「UFOカメラ」を透視レンズに切り替えて、家の中をうかがうと、女の人が呪文「オエロエハ~ ボ~ グダラ~ ガダラ~ ボ~ ボ~」を踊りながら唱えていた。突然、ヒメミコが「ギャアー ドサ」となり、お付きの者が「ヒメミコがたおれられたぞ。神がのりうつられたのだ」とみんなに伝えた。

 

 のび太が、神がのりうつったという意味をドラえもんに尋ねると、「シャーマニズムという原始宗教だよ。ミコの口を通して神と話ができると思っているんだ」と説明してくれた。お付きの者は「神のお告げがでたぞ。この御神矢を…。丘にのぼり天頂をねらって射よ。矢の落ちた家の娘を白神さまのいけにささげるのじゃ」と告げていた。