のび太の創世日記Ⅱの1[★★★]

[初出誌] 『のび太の創生日記』、「月刊コロコロコミック」199410月号、25頁、160コマ

[単行本]  『のび太の創生日記』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.151995925日 初版第1刷発行、25頁、160コマ

[大全集] 『のび太の創生日記』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 62012530日 初版第1刷発行、25頁、160コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] ジャイアンはカマキリに追い掛けられ、ビームを「ビギーン」としりに浴びせられたので、「ギャオ~ッ ザザ ワァ~…」と崖から転落してしまった。「コノママニガスワケニハイカン。サガソウ」と言っていると、「パプー パプー」とタイム・パトロールがやってきたので、どこかへ逃げてしまった。

 

 ジャイアンはひっかかった木から「ドサ」と落下すると、「おれ、なにをしてたんだろ…。夢でもみてねぼけちゃったのかな…」と頭をかいていた。

 

 地球ができてもう八億年たっていたので、「UFOカメラ」で中の様子を調べると、「雨がふりはじめたんだ!! 地球最初の大豪雨が!!」、「雨がたまれば海になる! その海が、やがて生命を生みだすゆりかごになるんだよ!!」とドラえもんはのび太に説明した。

 

 その時ジャイアンから電話がかかってきた。ドラえもんが電話に出ると、ジャイアンは「るす? どこへいったんだ? いつ帰るの? 急ぎの用があるんだけどな。じゃあ、帰ったら電話するように伝えてよ。わすれんなよ! ガチャ」と切った。

 

 地球が誕生して十億年たったけれども、生きものはまだ認められなかった。ドラえもんは「材料の有機物質は、すっかりそろってるはずだけど…。その材料を組み立てるには、なにかのきっかけがいるかもしれない」と薀蓄のあるところを披露していた。

 

 「杖の先を地球に向けて、スタートボタンをつづけて二度押す」と「バリッ バリ バリ ビビビ ビシャン バリ バリ バリ」とイナヅマが走り、のび太は「いかにも神らしくて」と言った感想をもらした。

 

 「UFOカメラ」のミクロズームアップで最初の生命体である原核細胞が確認された。三十億年たつと、もう爆発的に、生物の種類が増えて、生き残るための進化競争が始まった。のび太がぼくの新地球が生命でいっぱいになったので、ひと目みたいと希望すると、ドラえもんは「創世セット」の「神さま雲」を取り出した。

 

 新地球では、虫だけで、ほかの動物はまだ生活のしやすい水中で暮らしていた。のび太が虫ばっかりの世界なんていやだと主張するので、ドラえもんはひみつ道具『つかみとりバズーカ』を「ボン ポチャ」と発射して、「ユーステノプテロン」を捕獲し、「進化退化放射線源」を浴びせた。脳が発達して陸上で暮らせるようになるため、ひとまず海へ「ボチャ」と返している。

 

 次の日になると水中と空気中の両方の世界で暮らす両生類が現れていた。あと五億年ほどで人類が登場するので、時の流れを一時間あたり一千万年にゆるめることにした。すると、恐竜の中でも原始的な種類であるコエロフィシスが登場した。

 

 神さまは自分の世界をなるべくたびたび見回る責任があると言いながら、今日も出掛けると、山みたいにでっかいサイズモサウルスに出会うことができた。何千万年か早送りすると、あこがれのティラノサウルスに遭遇して、追い掛けられることになった。

 

 帰る時宇宙の迷子みたいな直径十キロほどの小惑星を見ることになった。観察日記を書いていると、「ビカ」と光ったので、「UFOカメラ」で調べると、チリみたいな物が地球の表面をおおい、大津波が陸地に押し寄せていた。さっきの小惑星が地球に衝突し、おそらく恐竜は全滅したものと思われた。

 

 ジャイアンが今日も明るくやってきて、「おこってんの? やっぱし。わるかったよ。それ、おわびのしるし。よろしくいっといて」と帰っていった。「マンガの本がどっさり。…手紙が入ってる」、「おれたちの共同研究がんばろうぜ! おれもはりきって手伝うからな」といった内容であったので、ドラえもんは「こんなもの返してくる! ほんとにずうずうしいんだから!!」と出掛けた。

 

 往来で、ジャイアンに会ったので、「返すよーっ。そういわないで。えんりょするなってば!! いらないってば!! えーいめんどくさい!!」と投げ捨てると、トラックに乗ってどこかへ行ってしまった。

 

 あのマンガはスネ夫が買ったもので、しかも、まだ一冊も読んでいないものばかりであった。ジャイアンから「ドラえもんのせいだからな!! 取り返してこないとゆるさないぞ!!」と怒鳴られてしまった。

 

 困ったドラえもんはのび太に「えー、…じつはその…。みんなで創世日記手伝ってくれるって」と言いながらジャイアンとスネ夫を紹介した。のび太もしずちゃんに四人目の神さまにならないかと誘いに出掛けた。みんなは「神さま雲」に乗って、「さあ! さっそくおれたちの世界をみまわろう」となった。