のび太と夢幻三剣士Ⅵの2[★★★]

[初出誌] 『のび太と夢幻三剣士』、「月刊コロコロコミック」19943月号、43頁、277コマ

[単行本]  『のび太と夢幻三剣士』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.141994925日 初版第1刷発行、48頁、296コマ

[大全集] 『のび太と夢幻三剣士』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 52012328日 初版第1刷発行、48頁、296コマ

 

[梗概] 将軍が「脱出しろ!!」と命令を下したが、出入り口がふさがれて外に出ることができなかった。ドラモンは「とりよせバック」で川の水をとりよせ、「ドドド」と地下倉庫に水を流していた。

 

 地下室で化け物たちがドロドロになっていると思っていたら、将軍が「ビュッ」と飛び出し、夢幻三剣士と激しく戦ったあと、城の屋根まで追いつめられた。将軍は口から糸を出して、スパイダーマンのように脱出することに成功した。

 

 妖霊大帝から「なんと!? 負けてかえっただと!」と叱責されると、将軍は「お、おゆるしください!! 白銀の剣士が現れたのでございます。

 

 おそるべき魔法の洪水で、あっというまに部下は全滅…。強いのなんのって、あんなおそろしいあいてははじめてでございます」と謝ったが、「だまれ~、失敗はゆるさぬ!! 役に立たぬ者は、チリとなって消え失せろ!!」と完全に抹殺されてしまった。

 

 トリホーも「白銀の剣士をここまでのさばらせたおまえの罪は重いぞ!!」ときびしく糾弾されたので、外に飛び出してしまった。ジャンボスが「人間どもの最後のひとりまで、根だやしにしてごらんにいれます」と大帝に進言した。

 

 ジャンボスの進軍を屋根の上で見ていたトリホーは「白銀の剣士にはかなうまいよ。なによりも、白銀の剣士の強さをさぐりたい。それにはジャンボスの負けっぷりをみせてもらうことだ。剣士の秘密をさぐりだしてお知らせすれば、大帝もおゆるしくださるにちがいない」と考えていた。

 

 シャルベロー城に妖霊軍の水の精軍団が「ブオ~ ドン ダン ドン ダン」と、ものすごい大軍を率いてやってきた。城の中では、ノビタニヤンなどはよっぽどすごい道具を取りよせないかぎり戦えないとドラモンに話していた。

 

 みんなは「夢で見たんだけどさ。なんとかというデブのロボットがすごいポケットをもってて…。おお、おれもみたぞ! タヌキのロボットが…。その夢ならぼくもみた! 四次元ポケットってんだ!!」と話し合っていた。

 

 ドラモンが「取りよせられるかな、チンプクリンのホイ!!」と唱えると、「取りよせバック」から「四次元ポケット」が出てきた。水の精軍団は投石機で攻撃してきたので、ドラモンはひみつ道具『無重力ネット』を「ポン シュパー」と打ち上げた。そのため、城の上空は無重力空間になり、石弾はみんな宇宙ヘ飛んで行ってしまった。

 

 ジャンボスは水の精軍団を南の城壁の攻撃に向かわせた。軍団が城壁に登り出したので、弓矢で攻撃したが、相手が水だから素通りして、ぜんぜん効果が期待できない状態であった。

 

 ドラモンはひみつ道具『大寒波発射扇』で、零下百度の寒波を「ビュゴー」と吹かすと、兵士たちは「カチーン」と凍り、しばらくすると「バラ、バラ、バラ」に砕けてしまった。

 

 鉄の精軍団の進撃に対しては、ひみつ道具『ミニ雷雲』で簡単に撃破することができた。ジャンボスは「白銀の剣士よ!! 勇気あるなら一騎うちの勝負をしろ」と挑発してきたので、ノビタニヤンが「ぼくにまかせて。ぼくならなにがあっても一度は生きかえられる」と言いながら挑戦に応じた。

 

 白銀の剣を使ったので、「ジャリーン スカッ パオーン!! ズシン」とジャンボスを撃ち倒すことができた。ジャンボスが「だが勝負はこれからだぞ」と立ちあがると、「バルルオ~ンムク ムク」とあっという間に巨大なジャンボスに変身した。

 

 剣を「ビュン」と一降りされると、ノビタニヤンは吹っ飛ばされてしまった。ドラモンがひみつ道具『ドンブラ粉』をジャンボスのまわりの地面にふりまいたので、ジャンボスは「ズボッ ズボッ」と底なし沼に、体がめり込んでしまった。

 

 勝ったと大喜びしていたら、トリホーが「あのポケットが剣士の力の秘密」と気づき、「ヒュウ」とドラモンのポケットを奪い去ってしまった。王さまの歓迎会に招待されたドラモンや夢幻三剣士は妖霊軍に勝ってますます意気軒昂であった。

 

 宴会の最中に風もないのに明かりが消え、屋外から「ホーッ ホッホッホ」と聞き慣れた笑い声が聞こえてきた。トリホーが「白銀の剣士どの、あなた光栄ですぞ。おそれおおくも、妖霊大帝がじきじきにおみえになりました。ホッーホッホ」と大帝を紹介した。

 

 大帝は「このわしをたおすつもりらしいな。おもしろい、あいてになってやろう」、ノビタニヤンも「おまえが化け物どもの親玉か。ゆるさないぞ、かくごしろ」と戦いを受けることになった。大帝が「ギン ギン ギン ギン」とビームを浴びせても、ノビタニヤンは白銀の剣を駆使して、「グサグヮア」とあっけなく撃ち倒した。

 

 「よく目を開けてみろ! おまえの剣はただの立木を突き刺したのだ!!」と指摘し、「チリとなって消えろ!!」と強烈なビームを「ギン」と浴びせると、ノビタニヤンは粉々に粉砕されてしまった。しかし、ノビタニヤンは一度だけ生きかえることができるので、元の姿に戻ることができた。

 

 大帝が「これでおまえはただの人間だ。とどめを刺せばそれまでというわけだ。だが、その前になかまたちを処刑しよう」、「ムニャ…グウ…」と集まってきたものたちに対して、「さあて、だれからはじめようか」と告げると、ノビタニヤンが「や、やめてくれえ!!」と絶叫していた。

 

そのとき、パパがドラえもんとのび太を起こしにやってきた。新型のテレビかなと思って機械をいじくっていると、「ガビ~ ザザザ」と雑音が入り、パパが「なんだ、なんだ、どこをどうすりゃいいんだ」とあわてながら、ボタンを「カチ」と押すと、画面の中でも「ガ・ガ・ガ ビビビ ピーッ ザ・ザ・ザ」の雑音が流れていた。

 

しばらくすると、「パンパカパーン」とファンファーレとともに画面に、DREAM  OVERの文字が現れ、やっと静かになった。

 

 ドラえもんとのび太は半分眠った状態で、パパから「さっさとごはんを食べなさい!!」と命令された。「あれは夢だったのかなあ。そうらしいねえ」と会話を交わしていた。特製夢カセット、よくなかったね。この機械、メーカーに返そうということになった。

 

 のび太は「しずちゃんたちまでまきぞえにしちゃって、わるいことしたな。アンテナを回収してくる」、ドラえもんも「あーもしもし、夢見る機ですけどね。あれ、ひきとりにきてほしいんですが。二、三日のうちに? なるべく急いでほしいんだけど。よろしく」と電話を入れた。

 

 ドカンの広場で、スネ夫は「へんな夢だったよ。つかれたわりにすっきりしない夢」、ジャイアンも「すっかりねぼうして、かあちゃんにどやされて、さんざんだ」と話していたので、のび太はふたりにつけたアンテナを取ってもらうように頼んだ。

 

 しずちゃんはお風呂に入っていたので、ママにホクロのようなアンテナを取ってもらうようにお願いしていた。