のび太の日本誕生Ⅳの1[★★★]

[初出誌] 『のび太の日本誕生』、「月刊コロコロコミック」19891月号、24頁、123コマ

[単行本]  『のび太の日本誕生』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.91989825日 初版第1刷発行、25頁、131コマ

[大全集] 『のび太の日本誕生』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 420111227日 初版第1刷発行、25頁、131コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「あ、あーっ!!」が「あ、あー!!」に変更[94(4)]

 「どう?クルル」、「このへんの景色に見おぼえないかい?」コマ挿入[98(4)]

「!」コマ挿入[98(5)]

「じゃ、村は近いね!」挿入[99(1)]

 

「よおし、おりるぞ!!」コマ挿入[99(2)]

「おおい!!」、「だれかいたかい?」コマ挿入[99(6)]

「…… ……」コマ挿入[99(7)]

「きっと見つかるわよ」コマ挿入[100(2)]

 

「見つけてとりかえせばいいんだよ」、「そうだよ、おれたちはそのために来たんだからな」コマ挿入[100(3)]

「おはよう!」、「よくねむれた?」、「いそいで朝めし食って出かけようぜ!!」コマ挿入[101(1)]

 

 [梗概] 精霊王ギガゾンビは、ドラえもんによれば、まじない師みたいなものである。「大昔の人はこの世界のあらゆる者に精霊がやどっていると考えた。木にも岩にも鳥やけものにも。

 

 そして、もし精霊たちをおこらせるとおそろしい災いがくると信じていたんだ。地震、山火事、大洪水、伝染病…。そんなとき、おまじないをして精霊をなだめる力を持った人が原始社会ではうやまわれ、おそれられていたんだと」とみんなにわかるように詳しく説明した。

 

 ジャイアンは「安心しな、クルル。インチキ野郎をおそれるおれたちじゃない」、のび太も「そうとも、ぼくらには科学文明という…」と訴えると、クルルは「インチキじゃない!! ギガゾンビの魔力にかなう人間がいるもんか」と反論した。

 

 しかし、クルルはとらわれたお父さんやお母さんや村の人たちヒカリ族救出のため、明日中国大陸に向けて出発することになった。

 

  朝になるとクルルひとりで中国へ出かけると言い張るので、みんなで引き止めたが、「相手は凶暴なクラヤミ族と精霊王だよ。まず生きて帰れないよ。きみたちまでそんな危険なめに…」と説明するので、ドラえもんはタケコプターを手渡し、頭に装着してボタンを押すように指示した。

 

 クルルが「ブルーン ドサ」と空を飛んだので、ドラえもんは「ぼくが風の精霊に命じてきみを飛ばしたんだ」と話し、スネ夫も「この人えらーいまじない師ドラゾンビ」とクルルに紹介している。

 

 のび太がペガサスに乗って、「ハイヨー!! 白馬の騎士出陣!!」とやってきた。ドラえもんはグリに乗り、クルル、ジャイアン、スネ夫、しずちゃんはドラコに乗ることになった。スネ夫は「チェッ、のび太ばっかりかっこつけちゃって!」

 

 しずちゃんは「でも、今度はタケコプターとちがって電池切れの心配がなくてたすかるわ」、ジャイアンも「この点のび太の手がらをみとめなくちゃ」となった。ドラえもんは「中国の安徽省和県まで直線距離で二千キロあまり。このスピードなら夕方までにつけるんじゃないかな」と考えていた。

 

 ドラえもんは出発前に衛星写真を撮っていたので、地図で確認すると、当時は日本が大陸とくっついていた。したがって、みんなはいつでも降りて休むことができた。お昼にはハンバーガーにフライドポテト、コーラのついた食事を取ることができた。ペガ、ドラコ、グリもたっぷりと「グルメン」を食べることができた。

 

 最近まで海の底であったため、草の茂みもまばらで岩肌が広がっている陸橋地帯をすぎればもう中国大陸であった。日暮れが近く、そろそろ目的地に着くはずであった。

 

 クルルに聞くとこのへんの景色には見覚えがあったので、村に行ってみると、みんな連れ去られて、誰ひとり見つけることができなかった。ドラえもんは「クラヤミ族とのゲームは夜が明けてから開始しよう」と宣言している。

 

 次の朝、ドラえもんはひみつ道具『たずね人ステッキ』で占うと、めざす方角は「北北西!!」であり、これから先はタケコプターで移動することに決めた。なぜなら、ペガサスなどは目立ちすぎて、クラヤミ族に警戒され、森にでも隠れられたら探しようがないためであった。ペガ、ドラコ、グリによく言い聞かせて、一行は出発した。

 

 村が四日前に襲われたので、歩いて四日ならたいした距離じゃないと考えて、山を越え、森林地帯を通り抜けて、北北西に進路をとって進むと、三日後つまりゆうべのキャンプ跡を発見することができた。

 

 クラヤミ族につかまった村人の中で、長老が動けなくなると、ヤリで「ビシリ」と叩かれたので、クルルのパパがかばうため「ダッ」と突進した。すると、「ギ~ガ~」とツチダマがうなりだしたので、ご用件を伺うと、「手ムカウ者歩カヌ者。殺シテ先ヲイソゲ。とこやみノ宮ヘノ道ハマダ遠イゾ」とのお告げであった。

 

 クルルのパパがクラヤミ族の兵士にヤリを向けられたとき、「ビ・ビ・・」とカミナリが落ち、「ドタッ ドタ」と兵士は倒れてしまった。雲の上ではドラえもんが「われこそは精霊大王ドラゾンビ。ただちにとらえた人びとをはなせ。さもないと雷の精霊をけしかけてバーベキューにするぞよ」と告げていた。

 

 ドラゾンビが「ビ・ビ・ビ・・ ビ・ビ」とカミナリを再度落としたので、兵士たちは「ワアッ」と大騒ぎになった。