のび太の宇宙小戦争Ⅵの4[★★]
[初出誌] 『のび太の宇宙小戦争』、「月刊コロコロコミック」1985年1月号、35頁、190コマ
[単行本] 『のび太の宇宙小戦争』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.6」昭和60年11月25日 初版第1刷発行、43頁、224コマ
[大全集] 『のび太の宇宙小戦争』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 2」2011年1月30日 初版第1刷発行、43頁、224コマ
[梗概] ドラコルル長官は将軍に「自由同盟のアジトを急襲し地球人三人をふくむ不穏分子を根こそぎ逮捕しました」と報告できたが、「小衛星帯の秘密基地に向かった無人戦闘隊は?」と問われたので、「全滅です」と答えざるを得なかった。
「あのおそるべき装甲はどんな攻撃もはねかえし…」に対しては、「いいわけ無用!!」と怒鳴られてしまった。長官は「地球人の着陸地点を調べたところ、地中から戦車を発見しました。技術者に分解させているところです。明朝までにはきっと弱点を見つけてごらん」というのが精一杯であった。
ピリポリスに潜入した三人からはまだなんの連絡もなく、その上、あしたは大統領の処刑される日であったので、しずちゃんとスネ夫がラジコン戦車で乗り込むことになった。その頃、長官は技師から戦車は電波の指令を受けて動いていることを知らされた。
「決め手がみつかったぞ!! 地球戦車め!! 今度であったときがおまえたちの最後だ!!」と宣告している。スネ夫としずちゃんは「海へおりて波にまぎれてピリポリスへ近づこう。そろそろ夜があけるけどかまっちゃいられない」といった心境になっていた。
長官から死刑執行の前にいいのこすことがあれば、きいてやろうということになった。パピは「ぼくは国民を信じている。きっとぼくの志をついてくれるだろう」、ジャイアンは「いっぺんおまえをぶんなぐってやりたかったぜ!!」、のび太は「ママ~!!」、ドラえもんは「のぞみをすてるな!! スネ夫としずちゃんが残ってるぞ!!」と発言している。
処刑を始めると指令すると、ロコロコが「まって! ぼくにも一言だけしゃべらせて」と叫んだ。
すっかり夜が明け、もうすぐピリポリスであったけれども、敵のかげさえ見えなかったので、スネ夫が「ぼくらがあんまり強いのでこわがってるんだよ。アハハハハ」と油断していると、潜水艦が「ザ・ザーッ」と海面に現れ、ラジコン戦車のアンテナをめざして、「ズバッ」と攻撃したので、スネ夫としずちゃんの戦車は「ザブン ゴボ ゴボ」と海中に墜落して、沈みだした。
海水が「ドーッ」と浸水してくると、しずちゃんの体が「ムク ムク ムク」と大きくなり、「ザバー」と海中から顔を出し、しずちゃんも「こ、これどういうこと!?」となった。
処刑場では、「棒も歩けば犬にあたるということわざはここから始まったんだよ…と、祖父が父に教えてくれたという話を父はわたしに聞かせてくれました。幼い日の思い出です…。祖父の生まれた日、曾祖父は…」と延々続いたので、将軍「きりがないではないか」、長官「ハッ、処刑を始めます!」といいながら、ロコロコの口を紐で「ギュウ」と閉じた。
長官が「位置につけ!! ねらえ!!」と号令をかけると、「チョ チョ チョ、長官!!」と一人の兵士が飛び込んできて、「巨人が…!! 地球人二人が巨人になって!!」と長官に報告した。将軍から「どういうことだ、長官!!」と問い詰められると、長官は「ありえないことです、スモールライトがこっちの手にあるかぎり」と答えている。
港に現れたしずちゃんは「のび太さんたちぶじかしら」、スネ夫はピリカ人から「巨人だ!! 巨人だ!!」と大騒ぎされているので、「きいた! ぼくのこと大男だって!!」としずちゃんの楽しげに語りかけている。
ドラえもんはスモールライトの効き目が切れたので、本来の姿に戻ることができると確信した。本来の姿にもどると、敵はケシ粒大の大きさになり、こわいものはなしの状態になった。
ドラコルル長官が機甲師団をよんで攻撃を加えたけれども、熱線に目をやられないように注意しながら、みんなは飛行機や戦車に素手で立ちむかって撃破することができた。
ドラコルル長官がクジラのような戦闘艇で逃げると、みんなが一丸となってビーム線を「ジャッジャッ ジャッ ジャッ ジャッ」と発射し、煙を吐いて敗走するので、ジャイアンが飛び乗り、自分のセーターを脱いで、目隠ししたので、前が見えなくなって、海へ「ザバー」と墜落してしまった。
空港へ逃げるギルモア将軍も「独裁者をたおせ!! ピリカをわれわれの手にとりもどせ!!」と叫ぶ民衆に捕まってしまった。
盟主のゲンプから「ピリカは平和を取り戻しました。地球のみなさんのおかげです。ピリカ国民はあなたがたの友情をぜったいにわすれることはありません」と感謝の言葉を受けることになった。
パピ大統領から「ありがとう、ぜひまた遊びにきてね」とさようならの言葉を受け、「スモールライト」も取り返したので、大統領のロケットで地球にもどることになった。
ロケットの中では今回の話で大活躍をしたスネ夫が「ぼくが海から近づいていったら、巨人だ巨人だ! と大さわぎ!!」、のび太から「あの話ばっかり」、ジャイアンからも「いつもチビチビといわれてるからな」と冷やかされていた。
スネ夫が「ね、ね、また、遊びにいこうよ。今度の日曜日」に対して、しずちゃんは「スネ夫さんあの星がよっぽど気に入ったのね」といわれ、ロケット内では「アハハアハハ……」の笑いがいつまでも続いていた。
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