のび太の宇宙小戦争Ⅴの1[★★]

[初出誌] 『のび太の宇宙小戦争』、「月刊コロコロコミック」198412月号、26頁、135コマ

[単行本]  『のび太の宇宙小戦争』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.6」昭和601125日 初版第1刷発行、29頁、141コマ

[大全集] 『のび太の宇宙小戦争』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 22011130日 初版第1刷発行、29頁、141コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「かんたんだってば。 ラジコンのプロポをハンドルとペダルにおきかえただけだもの」コマ挿入[540(1)]

「ラジコンなんてさわったことないのよ」、「ぼくが教えるから」、「あののび太にさえできるんだよ」コマ挿入[540(2)]

 

「これからひとりの優秀な操縦士を養成します」、「それは心強い、がんばってください」コマ挿入[540(3)]

「ぼくのあとについておいで」、「よろしくおねがいします、教官」コマ挿入[540(4)]

 

「ガ~」コマ挿入[540(5)]

「武田鉄矢作詞『少年期』」コマ挿入[544545]

 

[梗概] スネ夫のラジコン戦車は無人戦闘機を撃墜していたが、盟主のゲンプはPCIAの警戒網をくぐってピリカの地下組織に連絡に行くことに対して、通信機も使えず、暗号もかならず解読され、発信地もつきとめられるため、最初は大反対していた。

 

 ジャイアンたちの「だれかがいかなきゃどうにもならないんでしょ。だったらまかせてよ!! それともほかに方法があるの?」と強引に説得すると、「よろしくお願いします」という許可が出たので、ドラえもん、のび太、ジャイアン、ロコロコで行くことになった。

 

 ドラコルル長官がギルモア将軍にすばらしい手土産をもって夜参上した。無人戦闘機が何者かに小衛星地帯で破壊された。戦闘機には無数の小型発信器が仕込んであり、爆発により発信器は散らばって手近な物体に吸着し、そのうちの一個が自由同盟の基地に運ばれた。そして、ゲンブの声を録音し、しかも、発信地の基地をつきとめることに成功していた。

 

ドラコルルの計画では、ピリカの地下組織に連絡するので、連絡員の動きをたどり、アジトをつきとめ、その後、小衛星とピリカの自由同盟に総攻撃をかけ、一気に根絶やしにするというものであった。

 

 ドラえもんたちはプラモの戦車で小衛星帯を抜けて、ピリカまでなにもない空間を横切らなければならなかった。PCIAのレーダーに引っかかることが確実なので、懸命に対応策を考えていた。

 

 近くに、「ガーン」と流星が落下したので、それにヒントをえて、ピリカの引力を利用し、流星のごとく自由落下し、地表スレスレで反転するというアイディアを実践しすることにした。

 

 ドラコルルは「北部山岳地帯に流星落下。おかしなことに地震計はこの流星を記録していません」の報告に対して、「きたな! そんなことでごまかすつもりか」と自信ある態度を取っていた。

 

 スネ夫はしずちゃんを優秀な操縦士にするために、戦車に乗って訓練を開始した。一方、ピリカの首都ピリポリスに到着した四人は、監視の厳しい中をくぐり抜け、地下組織のアジトに乗り込むため、ひみつ道具『かたづけラッカー』を全身やタケコプターに「プシュ」と吹き付けていた。

 

 さらに、プラモの戦車はひみつ道具『ドンブラ粉』で、「ブク ブク」と地面に沈めておくことにしている。

 

 四人がタケコプターで空を飛んでいると、首都にしてはさびしい町で人通りもあまりなかった。のさばっているのはPCIAと軍隊ばかりであり、町のあちらこちらに将軍の肖像があって、将軍の目には監視装置が装備され、国民はいつどこへいっても、PCIAに見張られている状態であった。

 

 おしゃべりなロコロコが、話に夢中になって地下組織のアジトを通り過ぎてしまった。ラッカーのききめが四時間しか続かなかったので、空中を飛んでいる時に正体をさらすことになってしまった。そのため、急降下して全員公園の森の中へかくれることになった。

 

 「0813号の監視テレビに地球人らしき画像が!!」との報告により、ドラコルル長官は「DD地区303ブロックに急行!! 公園を包囲せよ!!」と命令を下している。のび太とドラえもんがひみつ道具の件ではげしく口げんかをしていると、仲裁に入ったロコロコは「おしゃべりに気をとられたのがいけなかった…。今度という今度こそ反省しました。もう二度と…、ぜったいに…、死んでも…」とわびを入れた。

 

 ジャイアンが「やつらはウロウロばかりで近づいてこねえ。みつかったと思ったのはこっちの考えすぎじゃないのかな」というので、しばらく静観することになった。

 

 ドラコルル長官がギルモア将軍に「包囲を完了しました。あとは自由同盟との接触をまつだけです」と報告した。

 

 将軍は「こうなればピリカの自由同盟はわが手に落ちたのも同然だな。ただちに小衛星帯の総攻撃にうつれ!! 無人戦闘艇を束にしてぶち込んでやれ!!」、長官「無人戦闘ですか。空軍の主力をさしむけたほうが…」、将軍「人間は信用ならん」、長官「なるほど反乱をおそれているのか。自分の不人気をよ~くごぞんじだ」となった。

 

 スネ夫が「天才だよ、しずちゃんは、もうぼくよりうまくなっちゃった」と言いながら基地にもどると、なんだか基地があわただしくなっていた。盟主のゲンプが「この基地のありかを、探知されたらしい!! 無人戦闘艇が何百何千と…」と叫んでいたので、スネ夫は「え、え~っ、こっちに向かっているんですか!?」と絶句してしまった。