のび太の宇宙小戦争Ⅱの5[★★]
[初出誌] 『のび太の宇宙小戦争』、「月刊コロコロコミック」1984年9月号、26頁、155コマ
[単行本] 『のび太の宇宙小戦争』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.6」昭和60年11月25日 初版第1刷発行、22頁、131コマ
[大全集] 『のび太の宇宙小戦争』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 2」2011年1月30日 初版第1刷発行、22頁、131コマ
[梗概] 見たこともない戦闘艦が苦心のプラモを「ボカン」と壊滅させたあと、「ガン ガガン」とほかの施設を破壊し、スネ夫には本物の熱線を「ジャッ」と浴びせて攻撃し出した。
ジャイアンは勇敢にも戦闘艦に飛び乗って、素手で「ガン ガン ガン」と攻撃したが、戦闘艦が宙返りしたので、「ドサ」と大地に墜落してしまった。ジャイアンも熱線で攻撃され、「ギャン ハチャ ハチャ」と叫びながら池に飛び込み、池の大きな石を「ガシン」と戦闘艦にぶつけたので、戦闘艦は煙を吐いてどっかへ消えてしまった。
スネ夫は「あんなすごいラジコンは、ドラえもんしかだせないよ! ぼくらのビデオをじゃまする気なのだ!」と強く訴えたが、出木杉は「それにしてもやり方がくどいと思うがな…」と首をかしげるばかりであった。
しずちゃんがパピやドラえもんやのび太とお風呂で水遊びを楽しんでいたら、ママから電話があり、ピアノのレッスンで帰ることになった。入れかわりに、ジャイアンとスネ夫がやってきて、いきなりのび太を「ボカ」と殴り、「自分の胸にきいてみろ」と脅してきた。
スネ夫が「あのクジラみたいなラジコンがなんなんだ!!」と言い張ると、パピは「ついにきたか!? それはきっとぼくをおってきたPCIAの戦闘艦だ!!」と口をはさんだ。
宇宙人のパピを二人に紹介すると、パピはPCIAに関して、「ギルモア将軍の作った情報機関で、将軍に反対するものをあらゆる手段で消していくおそるべき集団です。長官がドラコルル! 悪魔のように悪ぢえがはたらき、情けようしゃのない男なんだ!!」と詳しく説明している。
二人はパピが大統領であることに大いに驚いた。パピは「ぼくの力がおよばなくて、ギルモア将軍の反乱をふせげなかったんだ。政府軍はふいをつかれて全滅した。
将軍は勝利を完全なものにするため、ぼくを捕らえたがってるんだ」と訴えると、ジャイアンは「安心しな、大統領。おれたちが守ってやるからな」、スネ夫も「けし粒みたいな悪者なんて束になってきてもこわくないや」と援護している。
夕食の時に、パパはピリカという星はどんな星ですかと質問すると、「小さいけど美しい星です。豊かですみよい星です。ところが…、そのピリカをかってに支配しようとする独裁者があらわれたのです!」という話になった。
食後、パピの乗ったロケットが故障しているので、ドラえもんが天眼鏡をもって懸命に修理していたが、簡単には直せそうもありませんでした。
ドラコルルは「超空間の波動をたどれば、大統領がこの付近にワープアウトしたことはまちがいないのだ。一日も早く捕らえ、ピリカへ連行し処刑せねばならん。そうすれば反抗的な国民もギルモア将軍にしたがうだろう。将軍は一日も早く王位につくことをのぞんでおられるのだぞ」と部下に訓示している。
スネ夫は「PCIAがどんなおそろしい相手でも…。ぼくのプラモ軍団が相手になるぞ」とがんばっていた。ドラコルルの探査球はスネ夫の部屋を見て、「う~む。おそるべき軍備だ!! あの少年は地球の兵器製造大臣にちがいない」と判断していた。
ジャイアンはホタルのような探査球をうちわで「こんにゃろ! こんにゃろ!」と叩き落とそうとするので、「凶暴な地球人」と見なされていた。
ドラえもんとのび太はホタルのような探査球を見とれていたので、「この二人はほっときましょう。見るからにまぬけな顔をしている」と判断したが、もうひとりが「だまれ! 調査に手ぬきがあってはならん。室内を調べろ」となった。
「ワーイ入いってきた。こっちのみ~ずはあ~まいぞ」と歓迎していると、パピはビーム銃で「ズバ」と探査球を撃ち落とし、カーテンを早く閉めるようにのび太に命じている。
ドラえもんは探査球につけられないように、パピをしずちゃんの家に移し、さらにひみつ道具『かべ紙秘密基地』を出して、そこに待避させた。この秘密基地は中が広く、スネ夫のプラモ工場もここに移し、ロケットの修理もここで行うことになった。