のび太の魔界大冒険Ⅳの1[★★★]

 [初出誌] 『のび太の魔界大冒険』、「月刊コロコロコミック」198312月号、25頁、148コマ

[単行本]  『のび太の魔界大冒険』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.5」昭和591025日 初版第1刷発行、25頁、148コマ

[大全集] 『のび太の魔界大冒険』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 22011130日 初版第1刷発行、25頁、148コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] 美夜子より、地球を救う道は魔界の大魔王デマオンを倒すしか方法がなく、千里千年を見通す予知の目にも、「魔界に入り、魔王を倒す、えらばれし勇士たち」には五人が映し出されていた。

 

 ドカンのある広場に夜集まってもらった五人に、美夜子は魔界へ行く方法が「魔界歴程」に書かれ、その最初の部分の解読が終わっていることを力説した。しかし、みんなの賛同を得ることができず、ネコになった美夜子さんはひとり寂しく去っていった。

 

 次の日学校へ行くと史上空前の超大型台風が近づいてきたので、午後から休校になった。テレビでは、「世界中でモンスーンやハリケーンやサイクロンなど強い風が吹き、おそるべき災害が予想されます」とニュースで報道されていた。

 

  台風がすぎるまで、何日間か休校になったので、のび太は魔界や美夜子さんのことがとても心配になり、「パパ、ママ しばらくるすにするけど心ぱいしないでください。きっとかえります のび太」という置き手紙を書いて、ドラえもんとともに美夜子さんの屋敷に向かった。

 

 強風の中、美夜子さんを探していると、「グッ グ・グッ ワッ ドタ」とネコになっている美夜子さんの目の前に吹き飛ばされた。魔界族の悪魔がサルをしたがえ、美夜子とともに「魔界歴程」をおさえるためこの近くを探っていた。

 

 ドラえもんが幸い「翻訳コンニャク」の存在に気づいたので、ネコになっている美夜子から「本をとりにここへもどったの。すると悪魔がまちぶせしていたので、結界をはってかくれて…」という話を聞き出した。結界は「六角の星であり、魔力を防ぐ一種の防壁」であり、ここに入っていると悪魔にも見つからない。

 

 ホウキに乗って美世子を捜しにきたしずちゃんは悪魔に見つかり、追い掛けられることになった。ネコの美世子は首からつるしたペンダントを「ピッ」と開けると、「クル クル クル パチ」と剣が現れた。

 

  剣をもったネコの美夜子が「立て火柱!!」と叫ぶと、「ボウン」となり、悪魔は「ハチャチャ ハチャチャ。やったなこむすめ!! おちよ、水柱!!」となり、美夜子はもちろんドラえもんものび太も水に流されてしまった。

 

 ネコの美夜子と悪魔が「バッ ババッ バチ バチ」とはげしく戦っていると、サルが美夜子の右手に「ガリ」とかみつき、剣を振り落としてしまった。悪魔が「死ね!!」と強力な炎を「ゴオ」と美夜子に浴びせると、ドラえもんが「ヒラリマント」を使って、逆に「ボン ボボン」と悪魔をやっつけてしまった。

 

 その戦いのあと、ジャイアンやスネ夫もやってきて魔界に参加すると申し出た。早速、美世子は宇宙でも飛べるキャンプ用の大型じゅうたんを木のうろから「ボウン」と取り出した。

 

 「GO!!」と出発すると、あっという間に宇宙空間に飛び出し、そして、月の光で「ボン」と美夜子に戻ることができた。一行は月のウサギ五匹に見送られて、飛行を続けることができた。

 

 「魔界里程」によれば、「魔界は真っ黒な炎でスッポリつつまれ、ただ一カ所、南極の空に炎の切れ目があるので」、そこを目指して一ヶ月の飛行を続けることにした。