のび太の海底鬼岩城Ⅶの2[★★★]
[初出誌] 『のび太の海底鬼岩城』、「月刊コロコロコミック」1983年2月号、31頁、172コマ
[単行本] 『のび太の海底鬼岩城』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.4」昭和58年6月25日 初版第1刷発行、35頁、196コマ
[大全集] 『のび太の海底鬼岩城』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 2」2011年1月30日 初版第1刷発行、35頁、196コマ
[梗概] 「カメレオンぼうし」で前進していたが、もしバリヤーが地中に伸びているならば、金魚ばちのバトルフィッシュと同じ運命になるところであったが、幸い無事潜入に成功することができた。
三角海域は日本の倍の広さであり、バギーで外に出て進むと、鉄騎隊(神殿を守っているロボット騎士団」に見つかる公算が大であったので、歩くことにした。六時間後になると、「ゴゴゴゴ」と噴火の近い兆候が認められたので、バギーで移動することになった。
目の前は船と飛行機の墓場であり、魔の三角海域のなぞはバリヤーに関係していることがはっきりわかった。
バギーをブッ飛ばしていると、鉄騎隊が追跡してきたので、もはや逃げ切ることが困難になったので、再度、「カメレオンぼうし」で地下に潜ることになった。鉄騎隊は音に非常に敏感であったので、静かに移動していたら、ジャイアンが「ハクション」と大きなクシャミをしてしまった。
鉄騎隊が集まってきたので、ドラえもんはひみつ道具『ジェットモグラ』を出し、「ゴーッ」と地中を移動させた。鉄騎隊はその音につられて、「ズガン ズガン ズガガン」と総攻撃をくわえて、退却していった。
バギーで全速力で追跡しようとしたら、「イヤダーコンナコワイトコ走ルノハモウゴメンダ!!」と暴れ出し、一度ドラえもんを「ドン」と突き飛ばしたあと、エンジンをかけたままドラえもんの四次元ポケットに「ズボ」と入ってしまった。
一行はタケコプターを使ってできるだけ低空を飛んで、敵に見つからないように神殿を目指した。タケコプターのバッテリーも上がり、破滅寸前の事態になっても、まったく手がかりが見つからなかった。
しずちゃんが「神殿をみつける確かな方法がわるわ。わざと一人つかまるの。鉄騎隊につかまれば神殿につれていかれるでしょ。みんなでそのあとをつければ…」という妙案を提出した。
しかも、しずちゃんは女の子の方が相手も安心するからと、自らが行くと名乗り出た。ひみつ道具『ムードもりあげ楽団』の「プカ プカ ドン ドン ジャン ガラ ジャン」のやかましい音で、しずちゃんはすぐに鉄騎隊につかまったので、気づかれないで追跡すると鬼岩城にたどりつくことができた。
鬼岩城に乗り込む前に、ドラえもんは「スモールライト」、のび太は「ショックガン」、ジャイアンは「水圧砲」、スネ夫は「ヒラリマント」を装備して、ポセイドン目指してひとかたまりになって突っ走った。
ポセイドンの前に引き出されたしずちゃんは、ポセイドンから「おろかな虫ケラどもめが。身のほどしらずにアトランチスにせめよせ、わしを目ざめさせるとは。汝らの滅びの日がきたのだ!!」と宣告された。
しずちゃんが「だれもせめよせてなんかいません。アトランチスは七千年も昔に滅びたのよ。あれは海底火山の活動なんです」と懸命に訴えても、「だまれだまれ! われこそ復讐の神ポセイドン。いまこそわが怒りのすさまじさを思いしらせてやるのだ。鬼角弾は世界のすみずみまでふりそそぎ、地球が死の星と化すのだ」と一方的に喚くばかりであった。
画面に映ったドラえもんも鉄騎隊に「ズガン」と攻撃され、高いところから突き落とされ、エルもジャイアンもスネ夫ものび太も同じように追い詰められていた。
「ゴゴゴゴ」と大噴火の響きがとどろくと、ポセイドンは「時はきた!! わが前にいけにえを!! その娘の首をはねよ!!」の命令を下すと、ドラえもんが「まて~つ!! ポセイドン…この爆弾で…おまえを… コテン」と仰向けにぶっ倒れてしまった。
しずちゃんが「しっかりして!! ドラちゃん……。もうおしまいね…、みんなで力をあわせてここまできたのに、おしまいなのね、なにもかも…」と大粒の涙をドラえもんの四次元ポケットに「ポタ」と落とした。
すると、「ナイテイルノ? シズカサン。ナカナイデ、ボク、シズカサンノタメナラナンデモスル。ブロロ… ワカッタ! アイツラガイジメタンダネ。ユルサナイ!! ブロロ ヨクモヨクモ、シズカサンヲ!! ギャーン 親玉ハオマエカ!!」と絶叫して、水上バギーはポセイドンの口の中へ「ズガン ズガン ズガン ズガン ワア アーッ」と玉砕覚悟で飛び込んでいった。
ポセイドンの爆発で、ドラえもんとしずちゃんは吹っ飛ばされてしまった。しかし、ドラえもんは「コン」と落ちてきた小石で「ハッ」と目がさめた。
大噴火が間近であったので外に出ると、鉄騎隊に囲まれたが、ポセイドンが破壊されたいまはもうただの鉄クズになっていた。みんなを助け出したあと、「ゴゴゴ ドドド」の大噴火で、アトランチスは跡形もなく滅びてしまった。
海底国の首相は「勇敢な六人の少年たち、それに身をすてて世界をすくったバギーの功績を。われわれは永久に語りつぎ、たたえ続けようではありませんか!!」と、「ワー ワー オーオー ワー ワー」と熱狂する多くの人々の前で力強く訴えた。
しずちゃんは右手にバギーちゃんのかけらである一本のネジを見つめ、そして、しっかりと握りしめて、「わたし一生忘れないわ」と誓うのであった。のび太も同様であった。
海底人のエルは「きみたちのようなりっぱな陸上人としりあえてよかった。いつの日か…海底人と陸上人がなかよく手をとりあえる日まで」とみんなと、かたいかたい握手を交わした。のび太やしずちゃんやドラえもんたちも「さようなら、その日を楽しみに」と言いながら、去ってゆくエルに手を振ってわかれた。
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