のび太の海底鬼岩城Ⅴの2[★★★]

[初出誌] 『のび太の海底鬼岩城』、「月刊コロコロコミック」198212月号、25頁、134コマ

[単行本]  『のび太の海底鬼岩城』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.4」昭和58625日 初版第1刷発行、25頁、134コマ

[大全集] 『のび太の海底鬼岩城』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 22011130日 初版第1刷発行、25頁、134コマ

 

 [梗概] 大王イカがテントに「ソロ ソロ ソロ ソロ」と近づき、「ギュ ズン グラ」とはげしくテントを攻撃しだした。テントをひっくり返し、手にした石で「ズボ ボカ」とテントを破壊し、のび太は大王イカにつかまって、空中高く持ち上げられてしまった。

 

  ジャイアンが足で蹴り、ドラえもんが「スモールライト」を浴びせる前に、「バシ」と吹き飛ばされてしまい、全員大王イカにつかまってしまった。

 

 突然、海底人が「ビカ」とビームを発射してくれたので、全員大王イカから解放されることになった。その間、水上バギーはみんながピンチの時に、一人地面の中に隠れていたので、ドラえもんは「こんな役たたずはしまっておこう」と四次元ポケットに入れてしまった。

 

 海底人が海の乗り物で、ドラえもんたちの目の前に現れたので、ドラえもんは「やあ、ど~もど~も。あぶないところを…」といいながら握手を求めて近づこうとすると、海底人は身構え、「ビービッ」とビームを発射したので、全員「ドサ」と倒れ意識を失ってしまった。

 

 みんながベッドに横たわっている時、海底人が用意した「教育ドリーム」で、地球の誕生から、海底人にいたる進化の歴史を映像で見ていた。海底人はビームのパワーを最小に絞り、傷つけるつもりはなかったと謝罪した。調査の結果、危険はないということで、お客として迎えることになったと知らされた。

 

 海底人がドラえもんたちをうたがった理由として、「ぼくらは大昔からテキオー灯でときどき陸に上がり、陸上人の歴史をみてきただ、血みどろの歴史だね。何千年もの間戦争のくりかえしじゃないか。警戒するのあたりまえだろ」という言い分を挙げている。

 

  そして、「きみたちの仲間二人、精神鑑定の結果、凶暴性とウソつき性がでたので、地下ろうにとじこめてある」と付け加えた。しずちゃんが「おねがい!! ね! ね!」と強引に頼んでくれたので、海底人も頬を赤らめ「そんなにいうなら…」となった。

 

 地下牢に行くまでに、宮殿のようなムー連邦首都の首相公邸を紹介された。マリアナ海溝の底にあり、幽霊船をみたあの場所から少し奥に入ったところにあると知らされた。幽霊船の沈んだ場所は鬼岩城のある「バーミューダ三角海域」であった。

 

  その海域は「何者をもよせつけない魔の海域だ。むりにたちいろうとすれば…。そのとき世界は破滅する。金塊のひきあげのためにあのへんをウロウロされたくなかったから、運んできてかくしちゃったんだ」という怖い話を聞かされた。

 

 地下牢の前に来ると、「人をこんなところへおしこめやがって!! だせつ! ださねえとぶっこわして火をつけるぞ。バーローンナロー ダン ダン ダン」という声が聞こえてきた。「これがいい人?」、「まずいなあ…」となってしまった。

 

 首相は「はっきりいってきみたちはまねかれざる客なのだ。だが、きてしまったものはしかたがない。きみたちに市民権をあたえ、この国でくらすことをみとめよう」とドラえもんたちに伝えてきた。

 

  それに対して、ドラえもんが「市民権なんていりません! 家に帰るんだから!!」と訴えると、「それはゆるさん! きみたちは二度とここをでられないのだ。陸上人にわが国のことをしられたくないのでね。もし国境をこえたら死刑だぞ!!」とキッパリと告げられている。

 

 海底人のエルから外出禁止の命令が伝えられた。しかし、ドラえもんは「海底人のいいなりになってたまるか!!」と腹を立て、ひみつ道具『通りぬけフープ』を取り出し、ジャイアンとスネ夫を救出して、町はずれまでだれにも気づかれずに逃げ出すことができた。

 

  しかし、まもなくエルに逃げたということがわかってしまい、赤い藻の植えてある国境の監視所当たりで、一行は見つかってしまった。

 

 見通しのきく場所であったので、ドラえもんは被っていたひみつ道具『カメレオンぼうし』をぬぎ、「くりっ」とボタンを回すと、「ムク ムク」と大きくなり、五人がはいることのできる乗り物に変身した。