のび太の海底鬼岩城Ⅳの1[★★★]

[初出誌] 『のび太の海底鬼岩城』、「月刊コロコロコミック」198211月号、24頁、127コマ

[単行本]  『のび太の海底鬼岩城』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.4」昭和58625日 初版第1刷発行、24頁、127コマ

[大全集] 『のび太の海底鬼岩城』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 22011130日 初版第1刷発行、24頁、127コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「おーいしずかちゃん」が「おーい、しずちゃん」に変更[113(5)]

 

[梗概] のび太は「ゴオン ズン バキ バキ メリ メリ ズシン」とはげしい攻撃を受けて、船外に吹き飛ばされてしまった。船外に出ると、さらに執拗な攻撃を受け、岩の陰に隠れると、怪魚は「チュン」と発射し、岩を「ボコ ボコ ボコ」と粉砕してしまった。

 

 ドラえもんたちが船内を見回ると、どこにも船を動かす動力源は見つからなかった。ドラえもんは、「船が発見され、引きあげられ作業がはじまろうとする直前、そうはさせないぞといわんばかりに、わざわざ太平洋の深海にすてたんだ」と解釈した。

 

  しかし、ドラえもんにも「だれが? なんのために? どうやって?」に関しては皆目見当もつかなかった。

 

 船外に出て、のび太をさがしたが、どこにも見つからないので、幽霊船がこわくて逃げたのではないかと考えられた。のび太が「ムク ムク」とドロの中から顔を出し、「後楽園球場ほどある怪魚が、ゴオゴオと火をはいて…」おそってきたと懸命に話しても、誰ひとりその話を信用してくれませんでした。

 

 海溝探検はスリルがあってたいへんおもしろかったので、キャンプ地に戻ることになった。海岸に出て、海の入日のすごさに感動していると、ドラえもんがバギーに乗って、ごはんができたよと知らせに来てくれた。

 

  こんばんはひみつ道具『水上もうせん』を海面に敷き、マッタケづくしの夕飯を満喫することができた。満月が昇り、イルカが飛び跳ねる光景はユメみたいにきれいであった。

 

 夕飯を食べている時、水上バギーがやってきて、「プルル…ブウ ブルル ブルル プウッ ブク ブク」と騒いだので、ドラえもんは「うるさい!! 静かにしてろ!!」、ジャイアンは「ふてくされちゃったぜ」、スネ夫は「車がふくれるなんてなまいきだ」、しずちゃんひとり「なにか話したかったんじゃないかしら」と感じていた。

 

 しずちゃんが楽しかったキャンプもあすでおしまいと考えていると、「コンコン」とドアをノックして、「シズカサン…、アケテクダサイ」という声が聞こえたので、しずちゃんが外にでると、「話ガアリマス。ツイテキテクダサイ」とバギーちゃんが言うので、「アノ岩ガ広クテヨサソウダ。シズカサン、ジャイアンタチヲ助ケタ人、シリタイトイイマシタネ」と言いながら、「ボクノミタコト、ビデオテープニ記録サレテマス。ソノタメニシズカサンヲヨンダノデス」と思いがけない話の展開になった。

 

 「コノコードヲ…。岩ノ両ハシニツケテ、太イコードヲ下ノ方ヘ。デハ世紀ノ秘密大公開!!」となった。画面から「だれかあ!! 助けてえ!!」とジャイアンとスネ夫の声が聞こえてきた。

 

  「ケサバーミューダヘムカッテ、ボクガサッソウト走ッテル場面デス。マモナク二人ガオチマス。人間ナンテイバッテテモ、コウナルトダタシナイモノダネ」といった声が流れた。しずちゃんが「あんただまってみてただけ!?」と問い詰めると、バギーは「ボク、ドウニモナラナイコトヲサワガナイ主義ナノ」といった返事であった。

 

 画面には、バギーの知らない乗り物が現れ、その乗り物に乗っていた二人の男が「陸上人のようだぞ。まさか!そんなこと考えられない!!」と日本語をしゃべっていた。

 

  バギーによれば、「精神感応自動フキカエビデオ」のため、しずちゃんも聞き取ることができた。「信じられないが、事実だ! 死にかけているみたいだぞ。とにかくテキオー灯を」とビデオは続いていた。

 

 しずちゃんを探しに来たドラえもんたちがこのビデオを見ると、海底人に驚き、さらに、バトルフィッシュが「ゴオン ゴオン」とやってきたことにも驚いた。みんなは海底人を砲撃しながら、バトルフィッシュが去っていくシーンを見ることになった。ジャイアンやスネ夫やのび太はバギーのビデオの件で猛烈に腹を立てていた。

 

  しかし、ドラえもんが「まあまあ、とにかくみせたからいいじゃない」と事態を収拾し、「とにかく、これで二つのことがはっきりした。海底人がいるということと、その海底人には敵がいることだ」と総括している。

 

 のび太が「もうひとつ、怪魚がいたってこと! そのうちオバケイカだってきっとでてくるぞ」と噂していると、目の前に「ヌウ ガバ」と巨大なイカが現れた。そのイカに「シャーッ」と追い掛けられたが、全員なんとかテントに逃げ込むことができた。

 

 「大王イカという種類はあるんだ。でも最大で十八メートルと聞いている。あれは三十メートルぐらいあったぞ」とドラえもんは分析していた。そのイカがテントに近づいてきた。