のび太の海底鬼岩城Ⅱの1[★★★]

[初出誌] 『のび太の海底鬼岩城』、「月刊コロコロコミック」19829月号、29頁、157コマ

[単行本]  『のび太の海底鬼岩城』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.4」昭和58625日 初版第1刷発行、29頁、157コマ

[大全集] 『のび太の海底鬼岩城』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 22011130日 初版第1刷発行、29頁、157コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「海藻とかオキアミとか、動物・植物いろんな種類がある」が「ケイソウとかオキアミとか、動物・植物いろんな種類がある」に変更[47(3)]

 「どうもこのコンピューターは性能がよくない」が「どうもこのコンピューターは性格がよくない」に変更[53(5)]

 

 「きみたち魔の三角地帯とよばれるおそろしい海を……」が「きみたち魔の三角海域とよばれるおそろしい海を……」に変更[61(6)]

 「今までに百以上の船や飛行機、千人以上の人がその三角地帯で消えているんだ」が「いままでに百以上の船や飛行機、千人以上の人がその三角海域で消えているんだ」に変更[62(2)]

 

「魔の三角地帯バミューダ」が「魔のバミューダ三角海域」に変更[62(4)]

「フロリダ半島の先っぽ、プエルトリコ島とバミューダ島をむすんだ三角地帯さ」が「フロリダ半島の先っぽ、プエルトリコ島とバミューダ島をむすんだ三角海域さ」に変更[62(4)]

 

[梗概] 全員無事到着した場所は、太平洋中央海山、ハワイから少し日本によった場所、後ろに山脈、前には太平原、キャンプの場所として手ごろなところであった。この場所は深海底と海面の中間である約二千メートルのところに位置していたので、しずちゃんの指摘する海草や魚がぜんぜんみあたらないさびしい場所でもあった。

 

 そのため、ドラえもんはひみつ道具「深海用海草胞子と魚の卵各種詰めあわせ」と取り出し、夕方までににぎやかになるよう準備している。

 

  ドラえもんはひみつ道具『テントアパート』を出し、空気を「プシュー」と注入すると、「ムクムク」と大きくなり、六つの個室のあるテントが完成した。ドラえもんから海底生活で絶対忘れてはいけない、トイレの使用についての詳しい説明があった。

 

 昼食時になったので、ドラえもんは「海底クッキングマシン」に、のび太「お子さまランチ」、しずちゃん「パンケーキ」、ジャイアン「カツ丼大盛り」、スネ夫「フィレミニョンステーキをレア」と書いたカードをセットし、三分間待ってもらって、テーブルに出している。

 

 食材はすべて海にいっぱい浮いている小さな生物、ケイソウとかオキアミとか動物・植物といったプランクトンである。とてもおいしくて、どうみても本物と全く区別がつかなかった。

 

 夕食まで時間があったので希望を募ると、ジャイアンとスネ夫はバーミューダ沖までバギーで水中ドライブの案が出されたが、三日間の予定できているのでそんなことに時間はつぶせないことになった。

 

 のび太は「クラゲみたいにユラユラうかんで昼寝するの。どこまでただよっていくか目がさめたときのお楽しみ」という案を出したが、黙殺されてしまった。最終的には、しずちゃんの「深海魚を見るツアー」が採用された。

 

水上バギーに乗って、「ブル ブル プス プスン ブロロ ブロオ」と走り出し、「ウエークネッカー海嶺にそって、北太平洋海盆にむかうことにした。途中、サンキャクウオ、ウミグモやチョウチンアンコウを目の前で観察することができた。

 

目の前の見知らぬ魚を水中バギーのコンピューターにきいても全く反応がなく、コンピューターの性格がよくないとか、ドラえもんは安物ばかり買うといった不満が続出した。

 

 魚の動きがあわただしくなり、大地が「ゴゴゴゴ」と地響きをあげるので、海底火山帯が活動を始めたらしいことが分かった。途中丘に乗り上げたり、山に衝突しそうになったり、大王イカらしき怪物に遭遇したので、水上バギーは「早ク安全地帯ヘニゲルンダモンエネ」としゃべって、みんなから「コンピューターのくせに」と非難されている。

 

 楽しい一日が終わり、テントにもどってくると、今朝まいたタネが育って、すてきな庭になり、竜宮城みたいになっていた。今夜はこの庭でバーベキューをすることになった。もう午後七時半になっていたが、海底は夜昼関係なく、明るかったので、ドラえもんはひみつ道具『消光電球』を出し、点けて周りを暗くしている。

 

 水中キャンプファイアの周りで、ドラえもんがプランクトンを合成して作った、牛肉とネギとピーマンといったバーベキューをおいしく食べることができた。

 

 みんなが満腹になり、ジャイアンが歌を歌い出そうとしたので、スネ夫がさえぎって、海のこわ~い話、魔の三角海域と呼ばれるおそろしい海の話を始めだした。

 

 「まったくおだやかな海で突然、あとかたもなく…。今までに百以上の船や飛行機、千人以上の人がその三角海域できえているんだ」、場所は「フロリダ半島の先っぽと、プエルトリコ島とバーミューダ島をむすんだ三角海域」である。

 

 ドラえもんが「バーミューダ島!? 宝の船が沈んだところじゃないか!!」と指摘すると、スネ夫は「そうなんだ!! ぼくらでそのナゾをといてみたいと思わないか?」と提案すると、ドラえもんは「だめ!! そんな危険なところは、ぜったいにいかないぞ! ぼくは、信用されてきみたちをつれてきたんだからね」とキッパリと拒絶している。

 

 次の朝、ドラえもんは「たいへんだ!! スネ夫とジャイアンがいないんだよ!!」と大騒ぎすると、しずちゃんが「三時間ほど前エンジンの音をきいたような気がするわ」と言いだした。

 

 テキオー灯の有効時間は二十四時間であり、あと一時間で切れるので、ドラえもんは「まにあわない!! 三時間前に出発したとすれば、あのバギーにおいつく方法はまったくない!!」と絶「」が叫した。

 

 そのころ、ジャイアンとスネ夫は水上バギーで、「ガ~」と猛スピードでバーミューダをめざしていた。ジャイアンとスネ夫が「ウハハーイ、とうとうドラえもんをだしぬいてやったぞ。ぼくたちは危険なんかおそれないんだもんね」と会話をかわしてしていた。

 

 「なんだかうす暗くなってきたよ。へんに息苦しいんだ、気のせいかなあ」に対して、水上バギーが「テキオー灯ノキキメガキレカカッテルンデスネ。マッ暗ニナッテ息ガトマッテ、オソルベキ水圧ノタメニグシャグシャニツブレマス」、「なんで注意してくれなかったんだ」、「ダッテキカレナカッタモン」、「テントへひきかえせ!!」、「手オクレデス。出発シテモウ三時間タッテイル」、「助けてくれえ!!」の悲鳴とともに水上バギーは爆走していた。