のび太の恐竜Ⅱの4[★★★]           

[初出誌] 『のび太の恐竜』、「月刊コロコロコミック」19802月号、44頁、251コマ

[単行本]  『のび太の恐竜』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.1」昭和581225日 初版第1刷発行、59頁、305コマ

[大全集] 『のび太の恐竜』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 12010929日 初版第1刷発行、59頁、305コマ

 

 [梗概]一行は一時間でも早く日本へ帰りたいため、ひと眠りもしないで、ピー助を『スモールライト』で小さくして箱に入れ、長い長い旅に向けて出発した。

 

 海岸線にそって北へ北へとタケコプターで飛んでいると、先頭のジャイアンやスネ夫は「みんなノロマだな。いそがないとおいてくぞ」と言い出した。そのため、ドラえもんは、「巡航速度を守らない、と電池が早くなくなるよ」と注意している。

 

 予定の四時間を飛んだので降りて、午後から二組に分かれて食べ物を探すことになった。のび太とドラえもんは森で、しずちゃん、ジャイアン、スネ夫は海で探すことに決まった。

 

 ジャイアンとスネ夫はピー助に乗って海の魚を、しずちゃんは海底でカキなどを、ドラえもんとのび太はクルミ、シダの新芽、イチジク、ブドウなどを捕獲・採取している。

 

 そうしたものを素材にして、ひみつ道具『万能加工ミニ工場』を使って、ソテツの実のパン、シダのサラダ、魚介類は刺身やフライやムニエルにされた。そして残ったものは缶詰にしてドラえもんのポケットに入れている。

 

 夜になると、ドラえもんはゆっくり休めるように、ひとりひとりにひみつ道具『キャンピングカプセル』を出している。地面に突き刺すと、「ムク ムク」と大きくなり、みんなは棒のてっぺんのカプセルに、ブランコのようなエレベーターで昇って入室している。

 

 のび太は旅行の記録をつけようとしたが、ぼうけんのぼうの字が分からなくてやめ、窓から海で泳いでいるピー助に手を振って、お休みと呼びかけている。スネ夫は窓からお月さまを眺め、しばらくすると、涙を流しながらベッドの上で「ママにあいたいよォ」と泣き崩れている。

 

 しずちゃんは幸せと感謝しながら、シャワーを楽しそうに浴びている。ジャイアンは「おれもう0点なんかとらないから…、母ちゃんかんべん」と寝言を言いながら、ベッドから「ゴロ ゴロ ズシン」と落下している。ドラえもんは命の綱であるタケコプターの念入りな調整をし、大旅行の終わりまでもつかとても不安視していた。

 

 翌朝、みんなは元気いっぱいタケコプターの四時間の旅を続けた。のび太の提案で、残りの時間夕方まで歩くことになった。千里の道も一歩からといっていたのび太は途中からノロノロと歩き出し、夕方にはもう歩けない状態になっていた。

 

 一晩寝たが、のび太だけ朝なかなか起きられず、特に、歩き出してから遅れが目立ち、もう歩けないと泣き出した。ドラえもんからは「日本へ帰れなくなってもいいのか!!」と怒鳴られ、ジャイアンからは「ぐずぐずしてるとおいてくぞ」と猛烈に腹を立てられた。

 

 その時、しずちゃんが目の前を「ド ド ド ド ド」と走るたくさんの恐竜をドラえもんに知らせている。

 

 ドラえもんが『桃太郎印のきびだんご』をうまく五頭の恐竜に与えて、みんなのお友達にしている。恐竜になれてみんなは恐竜の背中に乗って火口湖までの旅を楽しむことができた。火口湖には、巨大なアパトサウルスの大群が棲息していた。

 

 ドラえもんからアパトサウルスはおとなしい草食の恐竜であるので、踏みつぶされないよう気をつければ安全だと言われた。好奇心旺盛なスネ夫が巨大な恐竜の足に「チョン」と触れると、ジャイアンは負けじと足に抱きついている。一方、しずちゃんは近くでアパトサウルスの卵を見つけている。

 

 のび太ひとりじっと離れて見ていたが、ドラえもんからおとなしくて、ノウがたったの450グラムしかないので、のろまであることがのび太にも分かった。

 

 そこで、のび太が寝ている恐竜の頭の上で飛んだり跳ねたりしていると、急にスーッと頭を持ち上げた。すると、のび太は頭のてっぺんから「ゴロン ゴロ ゴロ ゴロ…」と鮮やかに尻尾まで滑り下りることに成功した。

 

 しずちゃんが卵からかえった恐竜の赤ちゃんをみんなに紹介すると、ピー助もお兄さんぶって「ピュイ ピュイ!」と赤ちゃんの相手をつとめだした。その時、突然、ティラノサウルスが「ゴガア」と咆哮したので、ドラえもんの指示にしたがって、全員岩陰に隠れることになった。

 

 目の前で恐竜の生存をかけた「ピギャッ ギャーッ」と熾烈な戦いが始まった。その時、恐竜の赤ちゃんが取り残されていたので、気付いたしずちゃんは岩陰から飛び出して、赤ちゃんを助けようとした。「しずちゃんあぶない!!」、「帰ってこ~い」とみんなで岩陰から叫んでいた。

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